膝痛の自宅ケア
膝の関節は首や腰と同じく、体重を支える役割を担っています。
歩行時には体重の約3倍、階段の昇降、走ったり跳んだりという動作になると、7~8倍もの負荷がかかるといわれています。
膝痛の患者さんのお話を丁寧に伺っていくと、膝だけが痛いという方は稀で、首や腰、股関節なども痛い、あるいは痛い時期があったという方がほとんどです。
膝の痛みは単独で起こるのではなく、関連痛の傾向があるようです。
関連痛が起こる人はどなたも姿勢が悪く、姿勢を正せば関連痛を予防、改善できるのです。
理想の姿勢とは、頭のてっぺんから、背筋、腰、膝、足まで一直線に真っ直ぐ伸びている状態です。
昔は小学生がよく先生に背中に物差しを突っ込まれ、姿勢を正すように注意されたものですが、この頃はそういう意識も薄れ、教育もなされていないようです。
姿勢が悪いと重心が前へとズレていくため、まず首に負担がかかり、頸椎は喉の方に前弯すべきものがまっすぐの「ストレートネック」になります。次に首が前に出ることで、背中がC字のように丸まり、それに伴って腰も丸まります。すると腰椎に負担がかかり、痛みがでてくるのです。もちろん股関節にも負荷がかかり、痛みがでたり、正しい歩行の妨げになってしまいます。
そして最後に痛み始めるのが膝関節です。
首が前に出て、腰が丸くなると。重心をズラして安定させるために常に腰が曲がっている姿勢になります。そうすると、膝も曲がり、更に負荷がかかり、やがて痛みがあらわれてくるのです。
膝が痛いと膝だけに注目してしまいがちですが、まずは自分の姿勢の悪さを自覚する必要があります。
まずは、膝を伸ばす。
膝を伸ばす歩き方=正しい歩き方
◎姿勢を正すことを意識し、後ろ足の膝と股関節を十分に伸ばしながら歩く
◎ゆっくり、大股で
◎1日5分
◎途中にひざ裏、腿の筋肉(裏側や内腿)のストレッチをする。
足を階段や公園のベンチとか、すこし高いところに足をのせ、つま先を立てて、ひざ裏をピーンと伸ばし、膝の上からグーと押す。
(この時は股関節を開くように、なるべく脚をひろげて、内腿の筋肉を伸ばす。イメージで)
また、日本人の正座生活は、自然に腿の前や膝の前部のストレッチなのです。是非、1日一回、10分くらいの正座を生活の中に取り入れるといいでしょう。
正座ができない方はお風呂で温めた後、水中の浮力を使って正座をされることをお勧めします。
膝痛は、スポーツや何かの拍子にねじったり、負担がかかり、靭帯や関節を一瞬にして傷めることもありますが、たいていは特にご年配の方など、脚の筋肉の衰えや、長年の悪い姿勢から原因していることが多々あります。
当院では膝関節の歪みや、関連している筋肉等の施術はもちろんのこと、その他頸や腰、骨盤、股関節、背骨の歪み、猫背など、背骨全体の矯正により、姿勢を正すことで、根本から改善する施術をします。