ぼくはね、やっぱり子どもが大人になったようなものなんだよね。
学校にずっといるのが苦痛になるの。あは。
だからね、国語の教科書と音楽の教科書とリコーダーとかを持って、ちょっと遠くの小川まで子どもたちと一緒に出かけていたの。
そこはね、辺り一面大自然。
ちょっと離れた所に果樹園があるくらい。
そこでたくさん歌ったり、詩を読んだり、リコーダーを演奏したりしてね。
子どもたちの元気な歌声が、青空に響き渡っていたの。
そして当然、虫を捕まえたり、魚採りをしたり、みんなで遊んだりしていたの。
「ああ~、なんて素敵な時間だろう。。。」
「小学校の先生になって良かったぁ~!」
そういう思いが込み上げてきて感動していたの。
そしてたまにね、
近くを通った軽トラのおじちゃんから、ブドウやリンゴをもらったりね、
農家のおばちゃんから野菜をもらったりしてね、子どもたちも大喜び。
笑顔いっぱいでお礼を言うもんだからね、感激したおじちゃんおばちゃんが、畑に戻っていってさらにブドウを届けてくれたりね。
学校に帰る道すがら、子どもたちはずっと大きな声で歌っていた。
みんなが笑顔。
普段大人しくて目立たないあの子も楽しそう。
あの子どもたちの姿が忘れられない。
こういうことってね、昔だったからできたっていう訳じゃないんだよ。
当時ですら、そういうことをやっていたのはぼくだけ。
教頭先生にね、
「また川に行って勉強してきま~す。」
なんて断っているのはぼくだけ。
全校生で600人規模の学校でも、そういうことをやっていたのはぼくだけ。
もちろん学校の中でも、子どもたちと楽しみながらやっていたんだけどね。
でもね、爽やかな季節で天候に恵まれた時は、学校の外に出てみるって最高!
そういう心のゆとりを持つっていうことも大事なんだと思うな。
今の学校ってね、作成・提出しなきゃならない余計な文書も増えて、けっこう大変。
でもね、喜びを味わいながら教師を続けられたのは、子どもと過ごした豊かな時間と体験があったからだと思うの。
ぼくの体が、小学校教師としての喜びを覚えているの。
この感覚ってね、多分たくさんたくさん感動していたってことだと思う。
頭に浮かぶ感動シーンがあると、体も熱くなったりするの。
体も思い出してるんじゃないかなぁ。
今のね、ニコニコしながらパソコンに向かっているの。あはは。
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