武者小路実篤(1885-1976)は、東京の麹町生れ。子爵家の末子。1910(明治43)年に、志賀直哉らと「白樺」を創刊して、「文壇の天窓」を開け放った、と称された。
1918(大正7)年に、宮崎県で「新しき村」のユートピア運動を実践する。『幸福者』『友情』『人間万歳』等を著す。
昭和の初期には、『井原西鶴』はじめに伝記を多作した。欧米歴遊を機に美術論を執筆して、自らも画を描きはじめる。
戦後に、一時は、公職追放となるが、『真理先生』で復帰後は、悠々たる脱俗の境地を貫いた。1951(昭和26)年に、文化勲章を受章する。
武者小路 実篤(むしゃのこうじ さねあつ・1885年―1976年)は、小説家・詩人・劇作家・画家である。
人道主義文学を創造し、「新しき村」を建設して実践運動を行った。伝記や美術論も数多い。
人間の生き方について彼は語っている。
「君は君 我は我也 されど仲よき」
さらに彼はこういう。
「自己を責めることを知っているものは善人で、他人ばかりを責めるものが悪人だ」