何故か、「F.コッポラ 制作総指揮」

 
なる表現で通用していますが。
 
 
監督は、アニエスカ・ホランド
 
この方、《Total Eclipse
 
邦題「太陽と月に背いて」
の監督でもあります。
 
(↑この作品についてもまたいつか)
 
公開時、劇場まで足を運びました。
 
つい近年、術後のリハビリかねて
一人でもう一度、観ました。
 
そのあと、娘が『若草物語』経由で
こちらの原作を読んだので、
ぜひ、と、二人でも観ました。
 
で。この度
まだ観ていないという母にもと、
一緒に観ました。
三代で☆
 
こういうのって、すごいな、とか
 
うれしいな、って
 
感じています。
普段はとても遠くに離れているので
そういう時間を共に過ごせたことが
何よりうれしいです。
 
 
作品の
映像は美しい。
 
取って付けた衣服を身に纏っていた
彼女が、周りと調和してゆくにつれ
きちんとした服装へと、身形が整っていく。
 
おしゃれに目を向けられるようになる。
 
こころの在り様は、外側に現れる
 
そのことが、よく描かれているのです。
 
 
私がこの作品の中で好きなシーンは、
ここ。
 
 
メイドのマーサに、彼女が縄跳びをもらい
 
「ありがとう」
 
と、初めていう ところ。
 
 
そして、館の一切を束ねる女ボス(笑)
 
なんとか夫人が、主人である某卿に
解雇を言い渡され、失意に沈む場面。
 
この時、泣き崩れるなんとか夫人の
隣に、そっと、
 
マーサが寄り添うの。
 
それまでは、散々罵倒して
従えてきたマーサの肩に、
夫人は、思わず頭を擡げて寄りかかる。
 
マーサ、なんてあったかいの…
何だか、あったかいな…、って
 
そういう
ファンタジックな世界。
 
花園が
花開く、
 
そういうシーンは、
彼らのその心が癒されてゆく
そのことへの
メタファ
 
そんな風に映像が機能してくれている
 
これは、観ておきたい一本、なのです。
 
 
あぁ、それから。
 
流暢なクィーンイングリッシュにも
耳を澄ませたい♪
 
とっても聞き取りやすい、
美しくわかりやすい英語です。
 
日本語がそうであるように、
他の国の言語文化や言語習慣にも、
 
こうしたところから気が付いていきたい。
 
先日の「哀愁のトロイメライ」も、
クララがパリに演奏会のために赴いた際の
その場面では、彼女は
きちんと、フランス語で会話していました。
 
そういうところが、リアリティだと思っています。
 
ファンタジーや歴史を描くとき
そういう細部のリアリティを描くことは
基本のき、だと、個人的には感じています。
 
 
この監督さんは、そういうリアリティが
描ける方だし、
その「描写」シーンが、とっても心に
脳裏に、強く焼き付けられて、
「あぁ、また観たいなぁ」って
思わせてくれるのです。
 
ランボオとヴェルレーヌを描いた先述の作品も
20年?経った今でも、劇場で観た映像が
脳裏にくっきり刻まれています。
 
一度しか観ていないのに。