シゲティ を 聴いて育ちました。


特に バッハの

無伴奏ヴァイオリンの為の

ソナタとパルティータ



はじめて 聴いたのは、まだ子供の頃。

全曲ではなく、シャコンヌ だけ。


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小学校の音楽の先生 が

私が ヴァイオリンを 始めた

と 知り、


「みこちゃんのための ヴァイオリン曲集」


と いう 、

先生セレクトの 楽曲の 入った

カセットテープを くださいました。


小学校の音楽の先生、ですよ。

ヴァイオリン レッスン

の先生 ではなく。




その先生と 私は 仲良しでした。


…というのは 少し 違い、

先生は おおらかで

いつも にこやかで

どの 児童にも 隔てのない

小学生の 私達 からしたら

おじいちゃん 先生。

そう、この⬆ジャケットに写る 彼、

ヨーゼフ・シゲティ のような 。


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先生から 頂いた テープには


今から思えば 極めて 個性的な

(ある 意味 マニアックな)

ものが 入って いました。


およそ、初学者が 聴くような

楽曲 では ありませんでした。


宮城道夫「春の海」

ヴァイオリンと 箏 バージョン。
(通常 筝と尺八)



田村虎蔵 「青葉の笛」

ヴァイオリン演奏版 歌付き


⬆特に この 2曲。

それから

ベートーヴェン《ロマンス》ヘ長調


そして、J.S.Bach シャコンヌ


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残念ながら、先生は

私が 高校生の頃

天に 召されました。

頂いた テープに 演奏者の

記載は ありません。

テープは 既に

擦りきれてしまいました。


でも、私の中に その音は 残っている。

擦りきれる ほど 聴いたのです。


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あのテープを もう一度

聴きたい。

記憶の音を 反芻する 日々。


一方、バッハの無伴奏は

それからも  たくさんの方々の

演奏を 聴いて きました。


でも、どれも「あのテープの演奏」

では なかった。


そして、20代半ば。

「偶々」購入した、シゲティの演奏。


シャコンヌの 冒頭を 聴いた瞬間の

何かに 感電 したような 衝撃は

忘れません。


私は、きっと 天にいらっしゃる先生が

このディスクに 導いて 下さったのだと

思っています。

当時、自宅最寄りのその店舗で

取り寄せが出来る ディスクは

ごくごく 限られていました。

まだ聴いたことのない シャコンヌ、

の 意味です。

確か、その時 まだ「聴いていなかった」

演奏は、クレーメルとシゲティ

だけ でした。

でも 聴いたことがなくても

クレーメルでは ないことは

なんとなく わかっていた。

彼の 他の モーツァルトなど から

類推して。

だから、シゲティを選んだ。

そして、ついに見つけたのです。


その後、図書館で クレーメルの演奏

を 借りる 機会を得、実際に聴いて

やはり、と 納得。


*******♪♪

記憶の音を 頼りに、

その 演奏まで たどり着ける なんて

まさに 奇跡です。

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シゲティの演奏は


迸る 魂の 叫び が 聞こえる。



そういう 演奏に 出会えた 幸せに

感謝 して います。



…先生!ありがとうございました。