久しぶりに、本当に久しぶりに故郷の山へ登った。
何十年振りだろう・・・中学生の頃が最後だろうから
もう五十年か……
 
山は見事に育ち、まるで屋久島の森林の様になっている。
しかし中学生の頃駆け巡った山道、石段は同じ所に在り
一歩一歩が、堪らなく懐かしい。
 
目の前に大きな松の大木が現われた!
そうだ! これは子供の頃、私が自分の木と名付けた松だ。
こんなに大きくなってしまったのか・・・驚きだ!!
 
その松を通り過ぎると、もう一本、巨大な松の木が現われた。
そうだ、この松はあいつが俺の木と名付けた松の木だ。
この松も異様な大きさに育ち、山道をふさぐようにそびえ立っている。
 
山道を下って行くと、ようやく終点の橋の下にたどり着いた。
この橋の下を通って上に上がれば駅に着く、橋といっても水は流れていない。
 
雨が降って来た・・・そう、さっきから空は鉛色だ。
 
雨が強くなってきた・・・私は思わず空を見上げた。
 
すると雨は橋の上から、狭い範囲にだけ降っている???
私は「何だ?」と思った。
するとそれは雨ではなく、橋の上から誰かが小便をしているではないか!!
それも三人分ぐらいの量だ!!
 
私は思わず橋の反対側に避けた・・・すると反対の橋の上からも小便が降ってくる!!
 
私は頭にきて、「コラッ!!」と云って橋の上に登って行った。
 
すると橋の上に人は居らず、目の前の停留所風の建物に目つきの悪い男たちが数人。
その横の茶店に、登山服姿の中年の男女が沢山いる。
 
私は怒鳴った「誰だ! いま小便をしたのは!!」と・・・・・・
すると停留所の男たちは私を睨みつけ、登山服姿の男女は私を無視している。
 
私は益々怒り狂って「こらっ!!出てこい!!誰だ橋からションベンしたのは!!!」
 
「何故黙ってる!!!○×~~☆ξ・・・~~~」……う~~ん・・・
なんかおかしい・・・言葉がハッキリ話せない・・・何かドスが効いていないし
言葉がフガフガしている・・・・・・
シマッタ!!!  入れ歯を家に置いて来てしまった!!!
それで言葉がハッキリしない!
 
それでも私は思い切りドスを効かせて「この野郎!!出て来いどの野郎がしょんべんをした!!!」
と怒鳴りまくった。
その怒鳴っている最中に、もうひとつシマッタと思った。
それは「これから福岡に行くのだ、歯が無ければ台詞が云えない・・・どうしよう」と焦った。
 
すると隣で、何かゴソゴソ人の気配がする?
何かと、隣を見ると、家の孫娘が・・・「じいじ・・・怖いよ・・・」とベットから起き上っている???
 
ウッ?? 何だ??・・・と私は思った・・・
そうだ、孫娘は昨日から私の家に泊まり、私のベッドで寝ている??
私はベッドの下のこたつの中で眠ってしまっている・・・・・
 
なんだ・・・夢か・・・時計を見るとまだ朝の五時半・・・
孫はあまりにも私の凄まじい怒鳴り声に目を覚ましてしまったのだ。
 
私は考えた・・・何でこんな夢を見たんだろうと・・・・・・
 
それで昼ごろ、ふと気が付いた・・・
「そうだ、これはあの自転車の男にタバコをポイ捨てされた、あの質問への答えだ」と分かった。
 
夢というのはどうしてこんなにややっこしいのだろう
 
で・・・答えだが、あまり無理はしない方が良い。
体力に自信があったら勿論注意するが、自身が無かったら
いずれこの馬鹿は、どこかで報いを受ける運命にあると
そう思えばいいです。
 
長々と~~~~ごくろうさまでしたにひひ