光太郎くんへの答えだが・・・
「理屈は要らないから、まずはやってみろ」・・・私はそう答える。
もっと分かりやすく云えば、プロゴルファーの役をもらったら練習場に行くしか
方法はないだろう。
 
俳優という仕事は日常の体験から役の手がかりを掴んでゆくのだ。
 
kumaくんの質問・・・>じつはこの度脚本家の教室にかようことになりまして、速水さんに是非お聞きしたいことが!速水さんはどのような脚本に魅力を感じ(ぜひこの話、役を演じたい)と感じますか?参考にぜひお聞かせください
 
私の尊敬する高倉健さんが自叙伝の中でこんなことをおっしゃっています。
「脚本の中に一箇所でも背筋に電気が走るような所があれば、私は出演します」
正確ではないがこんなことを述懐していました。
本当に優れた脚本というのはめったにありません。
俳優はどこか一箇所でも脚本に良い部分があれば、それを手がかりに役を構築してゆくのです。
 
物語(映画・TVドラマ。演劇)の土台は全て脚本に懸かっています。
kumaくんは、優れた作家の脚本をページが擦り切れるほどに読み込んでください。
読み方としては映像になった作品を観る前に読み込むのです。
先に映像を観てはいけません。
何故かは自分で体得してください。
参考にする作家は「橋本忍」「倉本聰」両先生の作品。
それから黒澤明の脚本造りを参考にすると良いでしょう。
その内容は橋本忍著の 「複眼の映像ー私と黒澤明」に詳しく書いてあります。
 
tomoyaくん・・・失恋、素晴らしいじゃないか
これからもどんどん失恋してください!
 
                                                           つづく