それで・・・私は内田所長に聞きそびれてしまったのだが
その号令を出したのが、撮影開始の後か前かということだ
それで随分事情が変わる。
 
撮影前だとしたら、始めからしごいてやろうと待ち構えていたわけだ。
普通の社会等で考えると、これは実に妙な話で、俳優とスタッフでは仕事がまるで違う
俳優は生ものなのだ、自分の体と感情(感性)で仕事をしていくわけだから
現場の雰囲気が、直接芝居に影響してしまう、悪意を持っているスタッフとは良い仕事など出来ないのだ。
 
だから滅多なことで俳優が照明部とか撮影部等に、注文とか悪口など思っていても云わない
それが礼儀というものだが、こと俳優においては違う部分がある。
つまり新人には各セクションのうるさ型が、「ああだの、こうだの」横っちょからちょっかいを出してくる。
 
それでなくても現場に出て緊張している新人俳優には、これがえらく邪魔になるのだ。
注文は演出家が言えばよいのだ。
 
おなじ撮影現場で仕事をしていても、俳優のナーバスな心理など撮影部や照明部に
分かるはずはないのだ。
俳優を経験していれば分かるだろうが、芝居に臨む俳優の心理など、やったものにしか分からない。
 
それで、俳優は対応策として、実力、人気の備わる段階で、他のセクションからの横槍など
一切受け付けない方法を身に付けてゆく、また、売れた俳優に他のセクションは余分なことを言わない。
 
その、受け付けないやりかたが、俳優によって違うのだ。
優作やショーケンのように現場で戦って、(暴力入りで) しまうタイプ。
スタッフとの和を一番に考えるタイプ
やたら、スタッフのゴキゲンを取るタイプ・・・・・・
 
それぞれ、その俳優自身が、現場で芝居のしやすい環境作りをするのだ。
 
では、仮面ライダーの現場というのはどんな環境だったのだろう・・・?
 
それはこの話を、もっと、もっと、バックさせ、テレビドラマ「柔道一直線」まで戻らなければならない。
 
内田所長がいみじくも・・・「一直線の時は、佐々木剛が桜木健一の虐めに合い、こんなにでかい(人差し指と親指で輪を作り) 円形脱毛ハゲを作っていた」・・・とおっしゃった。
このときの殺陣は大野剣友会であり、殺陣師は高橋一俊だ。たしかライダーのスタッフも居たように聞いている。
 
桜木健一のようなケースはあまりないが、とにかく後から入って来る新人俳優を露骨にいじめたようだ。
大野剣友会は勿論主役の桜木健一に付く・・・バカヤロウと心で思っても、視聴率を稼ぎ出しているのは
桜木健一だ。
 
ここまで書くと分かると思うが、スタッフの側も、我儘いっぱいの俳優にはヘキヘキしているのだ。
 
さあ、ここで、勘のいい人は、次に私が何を書こうとしているか・・・分かったかな・・・?
 
何! 分からない?・・・・・・ここまで書いて分からない・・・・・・・
 
それじゃ・・・つづきは・・・次回にしよう・・・・・・(^_-)-☆