一昨日は早朝ジョギングができなかったので
夕方五時ごろ外に出た、もちろん走る為に
しかしご存知のごとく外はこの夏一番の暑さだ・・・表に出るとサウナの熱風のような風が
私を襲う・・・私は一瞬たじろいで、冷房の効いた部屋に戻ろうとしたが
なんのこれしき! 男が一度走ろうと決めたら走るのだ!
と、いつものように早足、ジョギング、腹筋とやったのだが、そこで力尽きた・・・
 
もうへろへろ、ばてばてだ・・・
熱中症で救急車のお世話などになったら、それこそ大ッ恥を掻くところだった(~_~;)
「いつまでも若いつもりでいるな! このバカ者!」と、叱っておこう・・・・・・
 
卒業公演の方は立ち稽古に入っている。
教室には一メートル高いところに舞台が有るのだ。
 
私の役は板付きで芝居が始まる・・・板付きとは舞台の幕が上がるとすでに舞台上に登場している
ということだ。
 
「さあさあ~~ご通行の皆様、黙って座ればピタリと当たる。人相、手相、姓名判断に四柱推命
中国四千年の歴史がつくりあげた摩訶不思議な占い。
みなさまの悩みをズバリ、当ててみせましょう・・・見料はたったの三百円、三百円で未来が分かるよ・・・」
 
などと口上を述べているのだが、人通りは一人も無い・・・
「当たるも八卦、当たらないのも八卦・・・いつもぜんぜん当たらない・・・」そんなばかなことを云って
だらけていると、下手後方から「○○!」と声が掛かる・・・私の親友だ・・・
私は驚いて・・・「いきなり声を掛けんなよ」などといって芝居が始まってゆく・・・
 
その日、演出の大石先生は、三十歳前後のおかしな顔をしたあんちゃんを連れて教室に来ていた。
 
私の一幕一場が終わると大石先生は、「ちょっとやってみて」とそのにいちゃんを舞台に上げた。
私の役をやってみろということだ。
 
その男は適当にアドリブなどを云い、そして親友が後ろから声を掛けた瞬間、教室は爆笑の渦に
巻き込まれた・・・\(◎o◎)/!
もちろん私も大爆笑だった。
そのあんちゃんの驚いた仕草が、あまりにも可笑しくて、みんなの笑いが止まらない。
 
このおかしな顔のあんちゃんは、この後、一世を風靡する、コント・ラッキー7のポール牧さんだった。
この時はまだ無名で、我々の誰一人、ポール牧さんを知らなかった。
 
大石先生は役作りに苦労している私を見て、わざわざポールさんを連れて来てくれたのだ。
カッコいいよね・・・
真っ暗だった私の目の前に、一筋の光が、鮮やかに差し込んだ瞬間だった・・・・・・
 
                                                              つづく