不死鳥コンサートの翌年、1989年6月、昭和64年、つまり平成元年、ひばりは昭和の終焉とともに
その命を天に召される。

不思議だ・・・昭和という時代を背負った二人が、昭和天皇の崩御の前後にこの世を去り
裕次郎さんは昭和天皇をお迎えし、美空ひばりは、昭和天皇を介添えする・・・
そんな情景が浮かんでしまうのは、私だけだろうか・・・・・・

青山葬儀場を取り囲んだ四万を超えるひばりのファン達は、走り去る霊柩車に向かって
「ひばりちゃん! ありがとう!」「ひばりちゃん! ありがとう!」と
肺腑をえぐるような、哀切と感謝の絶叫をひばりに投げかける・・・・・・

こんな光景を今まで見たことがあっただろうか・・・「ひばりちゃん、ありがとう!」と
追いすがるファンは殆どが女性だ、それも年配の・・・

彼女達の人生にひばりは何を残したのだろうか・・・

それから3年後、私は同じ光景を目の当たりにした・・・尾崎豊の死だ・・・

石原裕次郎・美空ひばり・エルビス・プレスリー・ジョン・レノン・尾崎豊・・・

彼らは私たちに一体何を残したのだろう・・・・・・

                                         つづく