さて、尻切れトンボになっていた大霊界の続きだが、岐阜の山奥からも、手かざしからも
開放され、富士五湖の一つ、本栖湖のロケで目出度く私の出番は終わった。
・・・と思ったら、丹波さんがリテェク(撮り直し)をするという・・・(~_~;)

あの教団の大広間で撮った家族のシーンが気に入らないと言うのだ・・・
また、岐阜の山奥まで行くのかと思ったら、撮影所にセットを組んだからそこでやるという。

わたしの家族の設定は、娘の目が見えないという設定だった。
それが霊界に行くと見えるようになっているというシーンだ。
前述したように、スプリクターの演出家だから、手を抜くというわけではなかったのだが
感動などとは程遠い出来になっていた。

丹波さんとしては霊界とはそういうところで、現世で不自由な所も、死ねば全部治ってしまうと
云いたかった訳だ。

撮影所に行くと今度は丹波さんが待っていた\(◎o◎)/!
自分が演出をする気になった・・・最初からやればいいのに(>_<)

それでそのシーンは即興でやろうということになり、丹波さんも「OK!!」となったのだが・・・
それから暫くして、大霊界の事など忘れて他の作品に出演していたら、あのシーンの最期に
一言、娘の名前を呼んでくれと丹波さんから要請があった。
丹波さん編集をしながら何か足りないと思ったんでしょうな。しかし即興で作ったシーンを
後で声など足してもどうにもならないことなど、丹波さん分かりそうなものなのに・・・?

まあ、それでも録音さんがスタジオまで声を録りに来るというので、撮影の合間に何パターンか
録音した・・・それから十日以上経っただろうか、丹波さんがあの声では気に入らないと言うので
画面を見ながらアフレコで声を入れてくれと連絡があった・・・

わたしはそんなこと当たり前だと言った、あの即興のシーンでそんな言葉は出なかったのだから
後で娘の名前をどんなに叫ぼうが、つながるわけがない・・・やるんだったら、もう一度即興で
撮り直しをしなければ、丹波さん注文の娘の名前は入らない・・・


わたしはマネージャーに「丹波さんはアフレコに立ち会うのか」と訊いた、すると丹波さんは
来ないという・・・わたしはとうとう頭に来て、「注文つけてる本人が来ないで、そんなもん出来るか!俺は行かない!」と臍を曲げてしまった。

その時わたしはかなり忙しくて、出演している作品に集中していたのだが、マネージャーが
いつまでたっても帰らない・・・大霊界のスタッフは速水さんの撮影が終わるまで、何時まででも
アフレコスタジオで待っているから、どうしても来てくれといっている・・・何とかお願いしますと
マネージャーが言う。わたしは丹波さんが来るんだったら行くが、それでなければ何度やっても同じことなので俺は行かないと、撮影終了後、家に帰ってしまった。

あぁ~~長いな~~・・・つづきは明日・・・