野の花さん、お鏡は両腕無かった\(◎o◎)/!
駄目だ・・・思い出せない・・・両腕は在った様な気がするが、確かかと問われればあやふやだ!

midgardくん、確認してくれ、腕があったかなかったか(~_~;)

話を続けよう、撮影まじかになってやっと台本2話分が届いた。
私の役は学生で、兄殺しをしてしまい、逃亡の果て、山の渓流で服毒自殺をする。

そこへ偶然、お鏡が通りかかり、薬のビンから自殺と思い、薬を吐き出させ
近くの山小屋にその学生を運ぶ。

お鏡はその学生が兄殺しの逃亡犯だと分かっても、学生をかばい続け看病をする。
死にたいと云う学生に、死んでは駄目だと説得するお鏡・・・

そして二人は究極のセックスに・・・・・・\(◎o◎)/!

市原悦子さんとは何度も共演したが、この作品が最初だ。

最初の出会いが印象に残っている。
松竹のセットで始めて挨拶を交わしたとき

市原 「速水さん、これだけ年の違う恋愛、信じられますか?」と私に聞いてきた。
お鏡と学生はひと回りぐらい年上の設定で、市原さんと私もかなり違う。

私  「私、若い頃はかなり年上の女性と付き合ってまして、年上好きでした」

と答えた。すると市原さんはあの独特の笑みを浮かべ「じゃ、大丈夫ね」とおっしゃった。

これは戯言ではなく、演技の上でとても大事ことで、市原さんはこれから私と創り上げていく
物語に、一番大事な、意志の確認をしたのだ。

年上の女性に興味の無い男優では、この設定の恋愛は成立しない。
興味がなければ、作らなければならないのだ。

この作品は、高橋監督、市原さん、私、これまでの作品では無いほどよく話し合った。
昼飯はいつも3人一緒だ。
昼飯だけではなく、カラオケも麻雀も3人でやった。

ある日、私が昼頃撮影所へ行くと、市原さんと監督がブスッと黙ったままお茶を飲んでいる。
私も、一緒に飲んだのだが、いつもと様子が違う。

すると市原さんが、「監督、午前中の芝居、もう一度やらせてください」と言った。
監督は、「よし!」と云って喫茶店を出て行った。

後で話を聞いて事情が分かった。午前のシーンはかなり難しいシーンで何回やっても
監督のOKが出ない。
しかしそのワンシーンで午前中の時間を全部使っているわけだから、これ以上の遅れは許されない。

監督は渋々、OKを出した。その後の昼飯に私が出くわしたのだ。

監督は市原さんのその言葉を待っていたのだ。バラシ掛けのセットをもう一度作り直させて
その難しいシーンに二人はチャレンジした。

                                        つづく