中二の夏のことだ。
私に一級上の親戚がいて、こいつ(M男)と暇な時はよく遊んでいた。
家も300メートルと離れていず、いつもどちらかの家を行ったり来たりしていた。

その日は、M男が私の家に遊びに来ていて、夜の9時ごろ自分の家に帰った。

それから二日ぐらいたって、M男の母親が家に来た。

母親の言うには、あの日、私の家から脱兎のごとく帰ってくると
いきなり布団のなかに潜り込み、そのまま熱を出して寝ているとのことだ

あの日、何があったのか教えてくれと言うのだ?

M男は、大人になるまでは気が小さい、優しい男で
それにひきかえ私は、何か問題が起こると、あいつだろうと嫌疑を掛けられるくらい
乱暴者だ。

M男の母親は、私と何か揉めたんではないかと思ったらしい(~_~;)
いくら乱暴者の私でも、親戚をいじめたりはしない!

まだ何か疑わしそうな顔のおばさんのてまえ、疑惑を晴らすべくM男の家に行き
M男に何があったのか聞きただした。

するとM男は、気の弱そうな、虚ろな顔で「口裂け女に会った~~」と云った\(◎o◎)/!

俺   「エエエエエエエッ・・・口裂け女!!!どこで?」

M男  「・・・用水池の森・・・」

俺はアッ・・・と思った。
私の家は、駅から五分ぐらい、M男の家は二、三分だしかし何といっても千葉のど田舎
M男と私の家の中間になんとも気持ちの悪い場所が有る。

神社の裏手に何の為に在るのか分からな用水池、その回りには木がやたらと生い茂り
薄暗い裸電球が、一個だけボヤ~とたっている。

今もそこを通ってきたのだ!

俺  「どんなかっこうしてた!」

M男 「・・・電灯の下に・・・浴衣を着たおんなが後ろを向いて立っていた・・・
    髪の長い女で・・・おれが横を通り抜けようと思ったら・・・女が振り返った!
    口が・・・真っ赤な口が、耳まで裂けていた!!!!」

それだけ云うとM男は布団を被り、また思い出したらしく「ウッ、ウウウ」とか変な声を出して

泣いていた(~_~;)

その頭の上をおばさんの声が
「口裂け女なんて居るわけねっぺぇ!意気地なしが!」
                                   つづきます