松本は変なところだ。
悪い意味ではなく本音とたてまえが微妙に交錯する。

私のように関東に育った者は
本音で話が出来ないと、とてもイラつく
大阪人、九州人は関東と同じ気質を感じる。

逆に京都人は本音を話さない
それも文化なのだが、関東育ちにとっては
心がふれあうまで時間がかかる。

松本市には、アマチュア劇団が15団体以上有り
それぞれが活発な活動をしている。
人口20万ぐらいの都市でこれは凄い。
それも20年続いている
まつもと演劇祭は今年で13回を数える。

長く続いている要因には、芝居好きが多いこともあるが
助け合いのシステムが出来ていて
各劇団の公演に、他の劇団の人達が無償で裏方を引き受ける
照明、音響、受付、足りないところみんな埋めてくれる
それも喜々として手伝ってくれる。

これは私もチョッと感激した。

しかしだ!
芝居のレベルは低い、低過ぎる。
そのひとつの原因は、みんなが本音のぶつかり合いを
避けてしまっていると云うことだ。

一番大切な、「誰のために芝居をやるのか」
それを忘れている。

貴重な時間を割いて、劇場に足を運んでくれる
観客の皆様に、少しでも楽しんでいただくため
芝居も音楽も存在するのだと私は思う。

大きな可能性を持っている、松本の演劇、
観客の為の本音のぶつかり合いを望む。