本当の意味でのギブアンドテイクとは? 〜子育てはドノン・ドノンでうまくいく〜 | フランス流自分らしい子育てで、ママも子供も笑顔になろう!

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イヤイヤ期の息子に振り回されてばかりだった私に、あるフランス人のママが教えてくれました。「ママが夢を叶えて幸せに生きている姿を見せることで、子供は安心して成長していけるのだ」と。ママが幸せになるための秘密がつまった「フランス流」の魅力をお伝えしていきます。

私がフランス語を学んでいる

フランスダイレクトスクールには

 

実は、フランス語だけでなく

人生を変えたいと真剣に思う人のための

特別な講座があるのですが

 

以前、その講座の中で

先生にこんなことを言われました。

 

「誰かの役に立ちたいと思った時に

相手に許可を求めてはいけない。」

 

例えば、素晴らしいと感じたブログの記事を

広く紹介したいと思った時

 

そのブログを書いた人に

「記事を紹介していいですか?」

「こういう表現で紹介してもいいですか?」と

事前にいちいち許可を求めるべきではない。

 

それは、自分がとる行動の責任を

相手に押し付けることであり

 

自分の行動に対する見返りを

相手に求めているのと同じことである、と。

 

事前に相手の意向を確認するのが

一番早くて確実だと思っていた私は

目からウロコが落ちましたし

 

何より「見返りを求めているのと同じ」と言われ

自分のそれまでの行動をとても恥ずかしく

思ったのをよく覚えています。

 

それ以来、「与えることと見返りの関係」は

私の中での一大テーマになったわけですが

 

今回、パリライフ・コレクション

輝くフランス人女性のインタビュー編

ウシャ・ボラさんのインタビュー後編で

 

「真のギブアンドテイク」について

語られた部分がとても印象的でしたので

ご紹介したいと思います。

 

 

 

(インタビュー前編の記事はこちらです。)

 

 

《本当の意味でのギブアンドテイクとは?》

 

生まれ故郷の伝統である

布の機織りの技術を活かして

 

自分の人生そのものともいえる

ミックス・カルチャーを表現した

新しいブランド「Jamini」を

作り上げたウシャさんですが

 

その根底には、故郷の機織りの文化を

守りたいという強い気持ちがありました。

 

ご存知のとおり、インドは

特にITやコンピューターの分野で

急速に発展している国です。

 

今やインドの人々はみんな

コンピューター関連の仕事に就きたがるため

 

機織りのような伝統技術は

廃れていく一方なのだそうです。

 

 

 

 

こんなに素晴らしい技術が、

美しい織物が消えてしまうなんて

私にはとても耐えられない。 

 

Jaminiの仕事がうまくいくことによって

故郷の人たちへの発注が増えて

生活がより良くなってほしいという思いが

 

いつもウシャさんの背中を

押しているのです。

 

とはいえ、故郷の女性たちを助けるために

Jaminiを作ったとは言いたくない。

 

そう言ってしまった時点で

彼女たちを上から見ていることになるから。

 

あくまで一緒に作品を作っている者同士

対等な関係として

 

彼女たちは私の持っていない技術を提供し

私は彼女たちにないノウハウを提供する。

 

もちろんそれがお互いの生活を

支えることになるのだけど

 

それはあくまでお互いに与え合った

結果として得られるものであり、

目的ではない。

 

c'est donnant-donnant.

それが本当の意味でのギブアンドテイクです。

 

とウシャさんは語ります。

 

 

ちなみに、donnant (ドノン)とは

donner (与える)という動詞の現在分詞であり

 

donnant-donnant を英語にすると

giving-giving という感じになります。

 

実際はギブアンドテイクと同じ意味で

使われる単語ではあるのですが、

 

テイクが前面に出ていない分

なんだか感じが良いですよね。

 

 

ウシャさんの言う真のギブアンドテイクとは

少しわかりにくかったかもしれませんが

 

要は、テイクするためにギブするのではなく

ギブした結果としてテイクが訪れる

 

そういう考え方が大事なのだ

ということだと思います。

 

 

《子育てはギブアンド◯◯!?》

 

ギブアンドテイク

「与えた分だけもらう」というのは

 

すごくフェアで合理的な美徳のように

言われることもありますが

 

これが通用するのは経済活動など

ごく一部の事柄だけであり

 

生きていく中では

ギブアンドテイクじゃないことの方が

よっぽど多い気がします。

 

その最たるものが

子育てではないでしょうか。

 

まだ3年とちょっとという

短い育児経験ではありますが

 

「報われたい」という気持ちを出すと

とたんに育児は辛くなるように思います。

 

例えば、

 

イヤイヤ期のピークの息子に対し、 

こんなに時間もエネルギーも費やして

ひっぱたきたくなる気持ちをぐっと堪えて

必死で向き合っているのに

 

どうして何一つ言うことを聞いてくれないの?

 

こんなにも時間や忍耐力を使って

色々調べて、工夫を凝らして

トイレトレーニングを頑張っているのに

 

全然トイレに行こうとしてくれないの?

 

毎日せっせとCDをかけて

歌を歌って、話しかけて…

時間も手間もお金もかけて

バイリンガル育児に取り組んで入るのに

 

ちっとも英語を話そうとしてくれないの?

 

などなど…

 

でも、親のギブに対して、

子供が期待どおりテイクさせてくれる

なんてことはまずないんですよね。

 

かの有名な相田みつをさんも

「あんなにしてやったのに、

『のに』がつくとぐちがでる」

と言っているように

 

テイクするためにギブしていたら

いつまでたっても満たされないどころか

 

子供のちょっとした変化や

小さな成長を喜ぶことのできない

 

それはそれは悲しい親に

なってしまうのではないでしょうか。

 

 

ありきたりな言葉ではありますが

やっぱり育児はギブアンドギブ

 

ギブ&ギブ&ギブ&ギブ&ギブ…

 

見返りを求める気持ちを忘れれば

子供の笑顔1つやほんの小さな成長が

大きなご褒美のように感じられるし

 

ある時、思いがけず

子供がママを気遣うようなことを言ったり

びっくりするほど大きな成長が見られたりして

 

今までのギブが一瞬にして報われる瞬間が

訪れるものなのだと思います。

 
 
 

最後までお読みいただき

ありがとうございました。

 

 

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