とあるパン屋さんの話 | フランス流自分らしい子育てで、ママも子供も笑顔になろう!

フランス流自分らしい子育てで、ママも子供も笑顔になろう!

イヤイヤ期の息子に振り回されてばかりだった私に、あるフランス人のママが教えてくれました。「ママが夢を叶えて幸せに生きている姿を見せることで、子供は安心して成長していけるのだ」と。ママが幸せになるための秘密がつまった「フランス流」の魅力をお伝えしていきます。

私の住んでいる家のそばに

小さなパン屋さんがあります。

 

 

素材や製法にとことんこだわり、

天然酵母のパンだけを提供する

職人気質のパン屋さんです。

 

うちはあまりパン屋さんで

パンを買うことはないのですが、

 

駅へ向かう道にひっそりと佇む

そのお店がいつも気になっていました。

 

ある日、その小さなパン屋さんの

ほんの数十メートル先に

大手チェーンのパン屋さんができました。

 

パンの種類も豊富で

試食やお茶のサービスもあり

 

そばを通ると、

甘くて香ばしい香りが漂ってくる

華やかで魅力的なお店。

 

遠目から見ても、

その新しいパン屋さんの方が

明らかに繁盛していました。

 

それから数ヶ月が経った

つい先日

 

ふと思い立って、

ずっと気になっていた

職人のパン屋さんに行ってみたところ

 

そのお店は、今年いっぱいで

閉店することになったそうです。

 

ドアの前の貼り紙には、

こんなことが書かれていました。

 

「ただ甘くて柔らかくて

香料でごまかしたパンは作らないと決め

 

素材や製法に徹底的にこだわり、

精魂込めて天然酵母パンを作ってきました。

 

1つのパンを焼き上げるのに

16時間かけたこともあります。

 

でも、こだわりのパンを作ることに

もう疲れてしまいました。」

 

 

残念なことですが、

 

こだわりを持って

真面目にコツコツ努力して

いくら良い物を作ったとしても

 

必ずしもうまくいくわけでは

ないのだということを

改めて感じました。

 

信念や自分の軸を

しっかり持つことは大切だけど

 

それは、とにかく硬くて

一度折れてしまうと

なかなか元に戻らない

鉄のようなものではなくて、

 

カーボンファイバーのような

しなやかさ、したたかさ

といいますか、

 

本質はそのままに、

周りの状況や、

人々が求めていることに応じて

自在に形を変えるような

 

柔軟さも併せ持つ必要が

あるのではないかと感じました。

 

 

初めて食べた

職人のこだわりのパンは

本当に美味しかったです。

 

特に、看板メニューの塩パンは、

これまで食べたどんなものより

美味しかったかもしれません。

 

小さなお店は

もうすぐなくなってしまうけど

 

何らかの形でまた

この職人のパンに出会えることを

心から願っています。

 

 

 

最後までお読みいただき

ありがとうございました。

 

 

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