最初はただの風邪でした | フランス流自分らしい子育てで、ママも子供も笑顔になろう!

フランス流自分らしい子育てで、ママも子供も笑顔になろう!

イヤイヤ期の息子に振り回されてばかりだった私に、あるフランス人のママが教えてくれました。「ママが夢を叶えて幸せに生きている姿を見せることで、子供は安心して成長していけるのだ」と。ママが幸せになるための秘密がつまった「フランス流」の魅力をお伝えしていきます。

こんにちは、HAYAママです。

今日は、2人の子供たちが病気で入院した
詳しいいきさつについてお話ししたいと思います。

特に、小さなお子さんを持つ方々にとって、
何らかの参考になれば幸いです。


【1日目】
ゴールデンウィークに入ったばかりのある夜、
2歳の息子はやが39.3℃の熱を出しました。

昼間は鼻水も出ていたし、また風邪かな、
保育園に行くようになってから
よく体調を崩すようになったな、
やっぱり疲れが出ているのかな・・・

なんて思いながら、
夜間診療の病院に連れて行きました。

そこで、抗生剤と解熱剤、
アレルギー症状を抑える薬をもらい、
しばらく様子を見ることになりました。

翌日には、すっかり熱も下がり、
鼻水も全く出なくなりました。

軽く済んでよかったなと思いつつ、
それから3日間ほどは、
ショッピングモールへお買い物に行ったり、
普通に休暇を楽しみました。


【5日目】
じいじとばあばも呼んで
こどもの日と少し早い母の日のパーティーをしました。

はやは、はしゃいで疲れが出たのか、
その夜、今度は咳とともに39.0℃の熱が出ました。

次の日になっても熱と咳が治まらなかったので、
今度はかかりつけのこどもクリニックに連れて行きました。

咳がひどいようなので、
風邪というより気管支炎の範疇かもしれないと言われ、
それをねらった抗生剤と咳止め薬を出してもらいました。

いつもは、病院の薬を飲めば、
その日のうちか、次の日には症状が改善するのに、
今回は、2日経っても改善する気配がみられません。

心なしか食欲もなくなってきて、
機嫌もあまりよくないように感じます。
これは抗生剤の影響かもしれませんが、
お腹もゆるくなってきてしまいました。


【7日目】
心配になって、
再度、同じクリニックを受診しました。

すると、
「胸の音が、どうも肺炎を起こしているように聞こえる。
別の抗生剤を出してみるので、
それで改善しなければ検査をしよう。」
と言われました。

翌日、やはり熱も咳も治まる気配がありません。
食欲も全くなくなってしまい、
ゼリーをほんの少ししか食べません。
顔色も機嫌も全然よくありません。

これは明らかに様子がおかしいと思い
色々調べてみましたが、
なにぶん、目立った症状が熱と咳だけなので、
何の病気か目星をつけることもできませんでした。


【9日目】
3度目の受診をしました。
やっぱり胸の音がよくないものの、
クリニックの先生には原因がわからなかったようで、
検査のため市立病院を紹介されました。

はやの病院に付き合わせてばっかりで、
下の子あやも可哀想だな…と思いつつ、
その足で市立病院に行きました。

看護師さんが息子の指先にモニターのようなものをつけ、
「あれ、おかしいな?」みたいな顔をしました。

そして、すぐに処置室に案内されて、
酸素マスクを用意されました。

え?酸素マスク?
私は、内心かなり動揺しました。

でも、体調も機嫌も悪い息子は、
泣き叫んで酸素マスクを嫌がり、
看護師さんもほとほと困り果てた様子。

先生の説明によると、
要は、サチュレーション(血液中の酸素濃度)が、
普通は95~100%が正常なのですが、
息子はそれが90%程度しかなかったそうです。

「苦しいでしょ?マスクつけようね。」と言われても、
息子はそれどころではありません。
泣き叫び、酸素マスクもモニターすらも断固拒否です。

仕方なく、そのまま経緯を説明し、
胸部レントゲンや、血液検査をしてもらいました。

血液検査の結果によると、
細菌感染を起こしていると
「CRP」と「白血球数」の数値が高くなるのだそうですが、
息子は正常値でした。

でも、レントゲン画像によると
気管支がかなり炎症を起こしているようで、
何らかのウイルスによる感染症が悪化して、
気管支炎のような症状が出ているのだろうと言われました。

ウイルス性なので、
抗生剤が効かなかったのだそうです。

いずれにせよ、酸素の吸入が必要なレベルまで
サチュレーションが下がってしまっており、
このままでは呼吸が苦しいだけではなく、
体のあちこちに不具合が出る可能性もあるため、
入院して治療をすることになりました。

早速、入院の準備を進めてもらい、
別室で書類を色々書いていたところ、
先生が来ました。

「今、入院患者のためのまた別の検査をしたところ、
『RSウイルス』というウイルスが陽性になりました。」
と言われました。

RSウイルス…?
ホームケアの本か何かで見たことがある気がしましたが、
詳しいことは全く覚えていませんでした。

RSウイルスとは、どこにでもあるウイルスで、
2歳までの間にほぼ100%の子供が感染するそうです。

初めて感染した場合は重症化しやすく、
また、月齢の低い赤ちゃんや、
呼吸器系の基礎疾患がある人も、
重症化しやすいそうです。

免疫がつかないため、
大人になっても繰り返し感染しますが、
だんだん症状は軽くなり、
大人の場合は鼻風邪程度で終わることが多いそうです。

なので、入院になった場合のみ保険適用になるらしく、
今回も、入院が決まったことで、
その検査をしてもらえたということのようです。


ようやく原因がわかり、ホッとしたのもつかの間、
ある問題が生じました。

RSウイルス感染症の場合、
個室か、同じ病気の人を集めた病室でないと
入院できないそうなのですが、
あいにく、その病室に空きがないのだそうです。

受け入れ可能な病院を探すので、
そちらに転院してくださいと言われました。

すぐに入院可能な病院は見つかりましたが、
そこは、車で30分以上かかる
隣の隣の市にある総合病院でした。

しかも、面会時間以外の付添いは不可で、
赤ちゃん返りまっただ中の息子を
病院に預けなくてはなりませんでした。

悩みましたが、
息子を入院させないという選択肢はありません。
やむなく、その病院に転院することにしました。

紹介状を用意し、会計を済ませた後、
救急車で移動しますと言われました。

一刻を争う症状というほどではないのに、
救急車で搬送してもらえるのかと意外に思いましたが、

考えてみれば、
入院が必要だと診断した重症患者を、
紹介状だけ渡して追い返すということは
できないということなのでしょう。

朝から病院をはしごし、
検査だなんだと疲れ果てた様子の息子に、私は、
「大好きな救急車に乗れるんだって、良かったね~」
と励ますことしかできませんでした。

あやを抱っこし、はやの手を引いて、
私自身、人生初の救急車に乗り込みました。

本当はストレッチャーに横にならなくてはならないところ、
それを断固拒否する息子を、
隊員さんが優しく支えてくれて、
これまでの経緯を話しながら総合病院へ移動しました。

総合病院に着いてからの展開は早かったです。

すぐに看護師さんが処置室で息子の処置を始め、
その間に、私は先生にこれまでの経緯について話しました。

「RSウイルス気管支炎」ですね、と言われ
そのまま病棟の方に案内されました。

そこで息子とは別れ、
私は入院関係の書類をあれこれ書きました。

その後、職場のパパに連絡を入れたり、
あやの授乳をしたりしましたが、
その間も、ずっと息子の泣き声が
病棟中に響きわたっていました。

息子が可哀想だと思いつつも、
私は、何だかとてもホッとしていました。

原因もわからずどんどん症状が悪化していく息子を
家で看病する日々は、本当に辛かったです。

RSウイルスに対する特効薬というのはないけれど、
酸素の吸入や点滴、投薬、鼻水の吸引、加湿等々…
万全の態勢で治療をしていただけることは
とても心強く思いました。

しかも、RSウイルスの症状のピークは1週間程度だそうで、
そろそろピークを越えた頃だろうという先生の言葉にも
勇気づけられました。


パパが病院に着くのを待って、
はやの病室に様子を見に行きました。

はやは、点滴とモニターを3種類くらいつけられて、
泣きつかれた様子でベッドにうずくまっていました。

そんな息子に、私は、
「はやくん、ロボみたいになってるよ、かっこいいね~」
と励ますことしかできませんでした。

看護師さんでは夜ごはんを食べなかったらしく、
残っていたごはんを食べさせ、
息子を寝かしつけて、
家に帰りました。

ようやく長い長い1日が終わりました。


この日のことを振り返ると、
「もっと早く検査を受けに行けばよかった」
と思いました。

こどもクリニックでは、毎回、
3日分の薬で様子を見ましょうと言われたので、
その指示よりは早めに動いたつもりでしたが、

少なくとも、食欲も落ち、機嫌も悪くなり、
肺炎の恐れがあると言われた7日目の時点で
検査をお願いすればよかったです。

そうすれば、息子は、
全く栄養がとれない状態で
2日間過ごすこともなかっただろうし、

特効薬がなかったとしても、
原因に応じた適切な対処法や
感染予防の対策なども聞けただろうし、

親の心の負担も
多少は軽くなっていたと思います。

専門家であるお医者さんの意見はもちろん大切ですが、
普段から子供の様子を一番よく見ているのは私たち親です。

何か違う気がする、
何か嫌な予感がする、

そんな自分の感覚を信じて、
積極的にお医者さんに相談してみるという姿勢も
時には必要なのではないかと感じました。


つづく