こんにちは。
hayamaです。
最近友人に相談された内容について、情報をシェアしたいと思います。
端的にいえば友人宅の近所で民泊を始めたおうちがあり、案の定、早々にトラブルが起きてしまったという話です。
騒音やごみの問題が主なのですが、やはり住宅街に見知らぬ宿泊客がうろうろしているだけで不安や不快な思いをしている近所のかたがたくさんいるそうです。
基本的には民泊新法や各市町村の条例にのっとって適切に運営されている分には、民泊業者に対して口出しをすることはできません。
が、ひとつだけ民泊に対抗する手段があるのをご存じでしょうか。
それが
建築協定
という制度です。
建築協定というのは建築基準法第69条~第77条に規定されており、かんたんに言うと
ある地域の住民や土地の所有者が相談して、法律や条例よりもう少し厳しい「独自ルール」をつくってもいいよ
という制度です。
これが市などの認可を受けると、公的な効力を持つこととなります。
有名なところでは日本有数の高級住宅街、芦屋・六麓荘町の建築協定です。
・最低敷地面積 400m2
・個人の邸宅としての利用のみ
・緑化、街の景観維持に協力
・高額な町内会費の支払い、町内活動への参加
などのルールがあり、希望者は面談でこれらを守ることを確認してからでないと、土地の購入し家を建てることができません。

六麓荘町の豪邸の数々はストリートビューで見てみてくださいね。
他にも建物や外構のデザインに一定のルールをつくることなども可能です。
これを利用して、
建築協定で住宅宿泊事業の禁止を定めることができるのです。
具体的な手順は「○○市 建築協定 民泊」などで検索してみてください。
ざっくり説明すると、
①近所の住民と民泊禁止などのルールを決めて協定書を作成する
②協定書を市などに提出して認可を受ける
という流れになります。
注意点が2つあります。
ひとつは、建築協定を締結するには土地の所有者全員の合意が必要であるということです。
すでに民泊を始めてしまった人(業者)やこっそり始めようとしていた人(業者)は当然拒否するでしょうから、その場合はこれらの家を除外して協定を結ぶしかありません。
つまり近所に民泊ができることを完全に防ぐことはできないかもしれませんが、それでも近隣住民が目を光らせていることをアピールしてその業者にプレッシャーをかけることができますし、今後民泊が増えるのを制限することができます。
また建築協定ができた後にその地域の土地を購入した人は、自動的にそのルールを順守しなければならなくなります。
もうひとつは、建築協定に違反して民泊を始めた業者がいたとしても、市町村は停止命令などを出すことはできないということです。
(合法に営業している限り。)
というのも行政指導は建築関連法規の違反についてしか行うことはできず、建築協定違反はその範疇外だからです。
その場合は、まず業者と近隣住民側との話し合いを行い、それでも民泊をやめない場合は裁判で訴えるという流れになります。
なのですぐに決着をつけることはできないのですが、裁判で認められれば民泊をやめさせることができるのです。
最近行政への、この建築協定についての相談が増えているそうです。
やっぱりみなさん不安になりますよね。
住環境を守りたいという方は、ぜひ検討してみてください。
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こんにちは。
hayamaです。
「ハレ」と「ケ」という言葉があります。
民俗学者の柳田国男が見出した日本の伝統的な生活についての概念で、端的にいえば
ハレ=非日常(年中行事・冠婚葬祭などの特別な日)
ケ=日常(普段の生活)
のことです。
「ハレの日」「晴れ舞台」「晴れ着」などという時の「ハレ」ですね。
かつてはこの「ハレ」と「ケ」を明確に分けるのが常民の生活感覚でした。
たとえば「ハレの日」には豪華なごちそうやお酒でお祝いするのが習わしでした。
食事だけでなく、食器や服装や化粧も特別なものでした。
いっぽう「ケの日」は質素な食事や生活で、全体として非常にメリハリのある暮らしをしていたのです。
大衆消費社会になった現代では高価な食べ物もお酒も気軽に消費できるようになり、この「ハレ」と「ケ」の区別があいまいになりました。
建築においても同様で、古来の日本家屋には来客や行事のための「ハレ」の空間がありました。
座敷・応接間・仏間、それからお客様を迎えるための玄関や土間などです。
いっぽう寝食のための部屋や水回りは「ケ」の空間です。
「ハレ」の空間を豪華に造って格をもたせ、「ケ」の空間はシンプルで質素にすることで、変化のある空間構成となっていました。
これも現代の住宅は、寝室や収納といった部屋まで作り込んだり飾ったりするようになりました。
まぁこれはお施主さんの好きにすればよいんですが、間取りを考える時、平屋の場合は特に「来客動線」を意識したほうがよいと思います。
たとえば2階建てであれば、

このように階が変わることで自然とリビングとプライベートエリアにゾーニングできます。
リビングにお客さんが来ている時でも、2階の自分の部屋にいればストレスを感じないですよね。
でも平屋ではきちんと計画しないと、リビングとプライベートエリアがごちゃごちゃになって生活しづらいです。
結論からいうと、次のどちらかの構成がよいと思います。
①玄関入ったところでLDKとプライベートエリアに分かれる

②LDKの奥にプライベートエリア

今回紹介している間取りは①のイメージで作っています。

さらにLDKと寝室の間に収納をはさむことでLDKの音が伝わりにくい配置にしていて、よりプライバシーに配慮しています。
これを基本に、お客様用(というかお客様も使う)トイレ・洗面の位置も考えていきます。
こんにちは。
hayamaです。
最近設計した平屋の間取りを紹介したいと思います。
今回はゾーニングについて。
一般的に平屋の場合敷地が広く、法規や構造の縛りも少ないため間取りの自由度が高いです。
その分どのような家にしたいか方針を決めておかないと、途中で間取り迷子におちいってしまうことがあります。
その方針決めにあたるのがゾーニングです。
今回の敷地はこちら。

希望条件はこちら。
・40坪前後
・4LDK+ファミリークローゼット
・駐車スペース4台分
・庭を広くとりたい etc
まずは配置計画です。
この敷地に建物、駐車スペース、庭、玄関アプローチなどをどう配置するかを検討します。
A案

B案

C案

C案は庭が平べったい形になって、建物が南側隣地と近くなるのが気になります。
駐車スペースを南東にして、建物を北側に寄せたほうが庭を広くとれることがわかります。
A案とB案は建物形状はだいたい同じになりそうですね。
どちらでいくかはプランニングしながら決めていきます。
次にLDKの配置を考えます。
A1案

A2案

A3案

この中で、特にお施主さんの希望がなければA1案は私はなしにします。
理由は以前記事にしたことがあります。
四角い平面に間取りを入れていくと、どうしても真ん中があいてしまいます。

そうするとここを収納スペースくらいにしか使えないんですよね。
収納があるのはいいんですが、やたら奥行きが深くて必要以上に大きくなりがちです。
「スペースが余ったから収納作っておきました感」が出てしまいます。
そして間取り決めの後半で減額調整のために建坪を減らしたいとなっても、この配置だと収納スペースを削るのが難しくなります。
最近はお風呂やトイレに窓いらない派も多いので、水回りをここにもってくるのもありだとは思いますが、やっぱり私はできるだけ外壁に面したところに計画したいです。
間取りがFIXしてから窓のありなしを検討できる余地を残したいです。
そんなこんなで基本のゾーニングはこうなりました。

こんにちは。
hayamaです。
3つ目は、
設計者がやりたがらない
です。
要は、天空率って手間がかかるのです。
斜線制限であれば

こうやって断面図に斜線を1本引いて、お施主さんに「この線を超えて建てることはできません」って説明すればすむ話なのです。
ですが、天空率は「ここを引っ込めればここを少し出っ張らせることができるかも」と、バランスをとっていく設計のやり方です。
絶対的な正解があるわけではありません。
間取りを変えるたびに天空率の検討もやり直すのを何度も繰り返します。
ハウスメーカーによっては設計のコストを抑えるために建築士ではない営業が間取りを作ったり、打ち合わせの回数が決まっていたりすると聞きます。
そのような会社では間違いなく天空率は避けようとするでしょう。
というか、効果的な設計をするためにはある程度場数を踏む必要があるので、誰でもかんたんに扱えるものではないと思います。
また、設計者が天空率に慣れていないというケースもあります。
実は天空率は平成15年(2003年)に導入された、わりと新しい(?)制度です。
そして手計算はまず不可能なので、専用のソフトやCADの特殊機能を使うなどして検討する必要があります。
年配の建築士で住宅設計なん十年のベテランでも、自分では天空率を使えないという方がたまにいます。
それでも敷地によっては間取りの自由度がかなり上がることもあるので、手段のひとつとしてぜひ知っておいていだだきたいです。
たとえば道路斜線や北側斜線に一部かかってしまうくらいのNGであれば、天空率を使えばほぼほぼクリアできるのではないかと思います。
今後余裕があれば、「こういう敷地では天空率が有効的ですよ」という例も紹介していきたいと思います。
こんにちは。
hayamaです。
2つ目は、
北側に道路がある敷地
です。
この場合も北側斜線について、天空率を使っての緩和をすることができません。
理由は前回も紹介した建築基準法第56条第7項三号。

「隣地境界線から真北方向への水平距離が~」という部分、
ざっくりいうと「天空率は隣地境界線から4m(または8m)真北の位置で検討してね」
と書いてあります。

これが北側道路の場合、

同じように青のラインで検討していいかというと、そうはいきません。
条文に「隣地境界線から」とあるのを、拡大解釈をして勝手に道路境界線にも適用することはできないのです。
なにを隠そう、私は住宅会社で建売住宅の企画・設計をした時に、これを知らなくて確認申請を出してしまって審査ではねられたことがあります。\(^^)/
もちろんプランニングは一からやり直しに。
でも設計部の他の人たちも知らなかったし、やらかしたことがあるのは私だけではないはず。
やらかしたのがお施主さんのいる注文住宅ではなくて本当によかったです。汗
こんにちは。
hayamaです。
連日の猛暑ですねー。
今年に入ってからずっと目まぐるしく忙しかったのが、最近やっと落ち着いてきました。
少し余裕が出てきたので、半年前の記事の続きをしれっと書いていきたいと思います。
まだ天空率の話です。笑
うまく使えばとても有用な天空率ですが、残念ながら適用できないケースがいくつかあります。
今回はその1つ目。
それはズバリ、
高度斜線制限
です。
高度斜線制限というのは、都市計画法に基づいて各自治体がエリア(高度地区)ごとに設定する高さ制限です。
たとえば横浜市の場合、

このように7種類の高度地区があって、それぞれのエリアで建てられる範囲が異なります。
自分の敷地がどれに該当するかは

このようなサイトで簡単に調べることができます。
(ちなみに↑は私が学生時代に住んでた所です笑)
この中で注目してほしいのが

この第1種高度地区の「5m+0.6/1」というものです。
横浜市や東京23区の住宅街で設定されることが多いのですが、これは天空率で緩和することができないのです。
これを北側斜線と重ねてみましょう。

北側斜線は「5m(または10m)+1.25/1」で、高度斜線より緩勾配なのです。
つまり高度斜線の制限のほうがキビシイので、北側斜線自体は天空率で緩和できても意味がなくなってしまうのです。
なぜ高度斜線に使えないのかといえば、建築基準法がこうなっているからです。

つまり天空率で緩和できるものの中に高度斜線制限は入っていないということです。
高度斜線制限は北側斜線と同様、北側の敷地(お隣さん)の日当たりを確保するためのものです。
東京や横浜の住宅街は敷地が小さく密集していて北側斜線制限では足りないので、よりキビシイ第1種高度地区を定める必要があるということですね。
こういう敷地は本当に設計者泣かせです。
ただでさえ敷地が小さくて目いっぱいに建てなければ建坪を確保できないのに、さらに高度斜線がバリバリにかかってしかも緩和することができないので、鬱になりそうなくらい頭を悩ませながらプランニングをすることになります。
平面・立面ともにミリ単位で寸法を調整することもあります。
ちなみに高度斜線制限の内容は自治体によってバラバラです。
たとえば同じ神奈川県でも茅ヶ崎市は

これだけ。
10mあれば3階建てもだいたい建つので、戸建ての設計については縛りはないも同然です。\(^^)/
ほんとに天国です。
設計に向かう心持ちが全然ちがいます。笑
こんにちは。
hayamaです。
天空率の話まだ続きがありまして、2月中に最後まで書いてしまいたいと思っていたのですが、
花粉症に苦しんでいる間になんやかんや忙しくなり、気がついたら6月になっていました。
この間しみじみと感じたのは、ブログからいったん離れてしまうと、再開する精神的なハードルがものすごく高くなってしまうということです。
モチベーションと心の余裕がめっちゃないと書くの無理だー。
ブログ長く続けられる人はそれだけですごいなと思いました。
ということで近況報告を。
昨日6/1は東京湾の遊漁船でのタコ釣り解禁日でした。
私は釣り仲間がたくさんいるのですが、少し前からタコの話題で盛り上がっていて、先陣切って偵察に行ってきました。


まだシンコ(新子)サイズばかりですが、「竿振れば誰でも釣れる」(by船長)の言葉どおり数はよく釣れました。
タコ釣りは初めてだったのですが、底に張り付いているタコをぺりっとはがすような感覚が、魚とは違っておもしろいと思いました。

ゆでたコ。

船長のウキウキな釣果報告。笑
今年はタコの当たり年っぽいです!
あと1回くらいは行きたいなー。
というわけで、これが書きたかっただけのブログでした。笑
近いうちに天空率の記事再開していきたいです。
こんにちは。
hayamaです。
ハーフタイムショーは今年もよすぎました(о´∀`о)

再生数えぐい。
でも2日で去年のUsher超えちゃったのはショックだったな・・・
さて、前回の敷地でボリューム検討をしていきましょう。
ボリューム検討とは、プランニングを始める前に敷地条件からどれくらいの広さをとれるか、どのような建物形状になるかを大まかにつかんでいく作業です。
この敷地の場合は建ぺい率と道路斜線による制限が大きく、普通に計画すると


平面的にも立面的にもこれが限界です。
3階が道路斜線でがっつり削られてしまって細長い形状になってしまいますね。
あと1マス広げようとすると

天井がいちばん低いところで100cmちょっとしかとれないので、収納スペースくらいにしかならなくて間取りが難しそうです。
次に、天空率で検討してみます。
まずこのような建物を考えます。
(*)これについては後述

屋根を上げて3階の面積を1マス分広げました。

これを前回の適合建築物と同じように立体モデルを作って、天空率を計算します。
2つを比較した結果がこちら。


このように各計測点ごとに天空率を比較して、すべて
計画建築物≧適合建築物
となれば斜線制限を超えて建ててもOKなのです。
この敷地の場合は効果が大きいですよね。
最初の3マスの幅ではできる間取りが限られるし、建坪を最大限にとることができました。
(*)の説明に戻ります。
どこからこの1マス広げた形状がでてきたのかというと、天空率に慣れている設計者は
「この敷地でこの建物の形状なら天空率でクリアできるだろう」
と見当をつけてからボリューム検討を始めるのです。
(ダジャレじゃないよ)
今回でいえば、北側と南側にスペースがあったのが効いています。


その分3階の屋根(↑の天空図の赤線部分)を上げても大丈夫だろうという判断しています。
あとはその屋根をどこまで高くできるかというところで、試行錯誤を繰り返しながら天空率をクリアできるぎりぎりを探っているのです。
こんにちは。
hayamaです。
毎年楽しみにしているスーパーボウル(のハーフタイムショー)の日です。
昨日からずっとわくわくが止まりません!
続きです。
ここで斜線以外の、日当たり・圧迫感・風通しを評価する新しい指標が出てきます。
それが天空率です。
実際の敷地で道路斜線について検討してみましょう。

まず、仮に敷地に目いっぱい、高さも道路斜線まで目いっぱい建てる場合を考えます。(適合建築物と言います。)
立体的に見るとこんな感じです。

道路の反対側から魚眼レンズで建物を見上げた時、

敷地の端(No.1)からは

敷地の真ん中(No.5)からは

それぞれこんなふうに建物が見えます。
建物以外の白い部分が「天空」です。
そして、円の面積に対する天空の面積の割合を「天空率」と言います。
天空率を測定する位置(測定点)は、細かくルールが決まっています。
天空率は手計算で算定するのは難しいので、通常は専用のソフトを使います。
次に実際に建てようとする建物(計画建築物)についても、同様に天空率を算定します。
どの測定点から見ても
適合建築物の天空率≦計画建築物の天空率
となる時、斜線制限を超えた高さまで建てることができます。
こんにちは。
hayamaです。
親知らず抜歯の痛みが落ち着いてきた矢先、風邪ひいてダウンしました。
私、今年に入ってから健康で元気な日がまだ2週間くらいしかないです。汗
最近天空率を使ったプランニングが続いたので、天空率というものについて紹介していきたいと思います。
これを使うと間取りの自由度が少し上がる場合があるので、ぜひ知識として知っておいてください。
ある敷地に家を建てようとする時、その敷地には様々な法的制限があります。
間取りに関するところでいえば、面積(建ぺい率、容積率)、高さ(斜線制限、日影規制)、壁面後退などです。
天空率はそのうちの斜線制限を緩和する手段です。
まず斜線制限とは何かという話ですが、これは建築基準法第56条に規定された建物の高さに関する制限で、
・道路斜線制限
・隣地斜線制限
・北側斜線制限
の3種類があります。
このうち隣地斜線制限は20m以上の高さにしかかからないので、ここでは説明を省略します。
北側斜線制限
住宅街で家の並びを見ると、日当たりを考えてできるだけ建物を北側に寄せて、南側に庭を設けるのが一般的です。

ですがあまり北側目いっぱいに建ててしまうと、隣の家に日が入らなくなってしまいますよね。
そのため、

このようにある高さ・ある勾配で斜線を引き、建物の高さをそれより低くしなければならないというルールがあります。
これが北側斜線制限。
道路斜線制限
道路を歩いている時、道路のきわまで建物が建っていると圧迫感を感じるし風通しが悪いですよね。

特に2車線とか狭い道路で感じやすい。
なのでこちらも

道路の反対側からある勾配で斜線を引き、建物の高さをそれより低くしなければならないというルールがあります。
(外壁後退による緩和がありますが詳細は省略。)
これが道路斜線制限。
では、次の2つを比べてどう思いますか。

Aは道路斜線におさまっているけど敷地目いっぱいに建っています。
Bは道路斜線を超えているけど敷地に余白があります。
それぞれの建物の前に立った時、BのほうがAより圧迫感を感じると言い切れるでしょうか。


