今回特集するのはQ-pitchの海老原みき。
12月23日に行われたクリスマスLIVEプラス@新宿BLAZEでのQ-pitchMCでこんなシーンがありました。
槙:Q-pitchは本来7人組のグループですが本日吉岡ひなたはお休みをいただいております。
え:なんで?
客:(笑)
このときの「間」が完璧だったので感心してしまいました。
実際に間がよかったので結構ウケていたと思います。
えびはトークのセンスがありますね。
過去のMCを見てもえびは自由に発言をするので
何を言い出すのか分からない怖さはありますが
言われたことに対して反射的にすぐ返したり反応できる能力が高い子です。
これは教えてできるものではないので天性の才能ですね。
トークの大部分は何を言うかではなく、
すぐに切り返せる「間」のほうが重要だと思っています。
特にさんまさんのトーク番組を見ると
振られたらすぐに話し始めることが徹底されています。
「え! 私ですか? えっと・・・」
とかテンポがズレるようなことをするのはNGです。
自分が芸人を辞めた理由の1つが
反射的に何かを言うという瞬発力がないことです。
どうしても「何を言ったらいいんだろう」と正解を頭で探ってしまいます。
研究することで補おうとも考えましたが
自分にはどうしても芸人レベルのスピード感についていけなかった。
だから文章のようにじっくり考えてから構成できる表現方法のほうが向いていると思っています。
Q-pitchのメンバーでいうとひなたはどちらかというと
振られたときに何を言うべきか考えてしまうタイプに見えます。
めっちゃ感性タイプのように見えますが
実は頭で考えてしまうタイプ。
すぐに反応できず、うまく言葉にできなくて
ライブが終わってからああいえばよかったと後悔しがちです。
ライブ後にTwitterでやらかしてしまったと反省しているのは
時間が経過するにつれて徐々に頭が整理されてくるからだと思います。
こういうタイプは即興で答えるのはあまり得意ではありません。
それに対してえびは反応速度が非常に速くて
切り返す間も絶妙なケースを何度か見てきました。
曲中もMC中もかなり自由に動いているタイプだからこそ
頭で考える前に反射的に反応することができるんだと思います。
あれが全部計算だとしたら相当したたかだと思いますが
おそらくそこまで深いことを考えてやっているわけではないでしょう。
ここでもう一度23日のMCのシーンに戻ると
えびが「なんで?」と反応してそれだけで結構おもしろかったのですが
欲を言えばそのボケにちゃんとツッコミを入れてあげないと完結しないシーンでした。
絶対理由知ってるだろ!とか、
むしろ理由知らなかったことが驚きだわ!とかね。
ツッコミがあることで、この人はこういうボケをしたんですよと見ている人に伝えることができます。
ではQ-pitchにおいてその役割をできるメンバーは誰だ?となります。
まず、ひなおではないですね。
理由は説明しなくてもだいたい分かるでしょう(笑)
れなちゃんでもない。
れなちゃんは無口でかわいい子という印象を持たせておいて
意外と毒のあることを言うっていうのがハマるタイプ。
少なくともれなちゃんがツッコミを入れるシーンは想像つきません。
しずくもそういうタイプではないかな。
普通に会話する分には何も問題ないわけですがツッコミ適性という意味ではタイプじゃないでしょう。
せかいもトークがヘタとは思いませんがツッコミキャラではないと思います。
でも喋り方とは対照的にトークの切り返しは速いので
意外と悪くない可能性はあります。
あやせは頭の悪い子ではないので周りの空気を読んで
トークを回そうとがんばってくれていますが、
ツッコミっていうタイプではないと思います。
あやちゃんはリーダーという立場から回し役を任せられることが多いですが
決められた台本通りに進めるのが得意なタイプであって
予定にないことを振られて反応できるタイプではないと思っています。
(そういうタイプと分かっていながらパームスであやせのお祝いをしてしまったわけですがw)
はい、というわけでツッコミ適性が高いメンバーはいないじゃないかとなります。
では、これはダメなことなのかっていうとそうではなくて
アイドルグループってだいたいツッコミ適性が高い子はいないケースが多いです。
女芸人ではないので当然と言えば当然ですね。
ステージ経験を積むことでだいぶ解消されますが
毎日ステージを行っている仮面女子でも
回しができない子はいつまで経ってもできません。
こういう適性っていうのは短距離選手か長距離選手かみたいなもんで
陸上100メートル金メダリストのウサイン・ボルトが
マラソンで金メダルが取れないからといってダメとは誰も批判しないでしょう。
いいか悪いかの問題ではなく、あくまで適性の問題なので
多少はトレーニングで解消はされても
根本的には解決されるわけではないということです。
ツッコミ適性が高いメンバーはいないとなると
Q-pitchのMCは今後どうしていくべきなのでしょうか?
その問いに対する自分の考えは
えびがツッコミをやればいいんじゃないか
と思っています。
この点についてはもう少し解説が必要かと思います。
まず、そもそもボケとツッコミってなんだ?
と思うかもしれません。
お笑いの漫才を想像されるかと思いますが
今回の話はアイドルのトークについてという話なので
ボケ=能動型
ツッコミ=受動型
と定義しています。
つまり、ボケっていうのは自分から発信するのが得意なタイプ、
ツッコミというのは相手の反応に切り返せすのが得意なタイプだと考えてください。
基本的にはどちらかに分類されるのですが
稀に相手の出方次第でボケにもツッコミにもなれるバランス型が存在します。
ツッコミができる人がいるときはボケになって
ツッコミがいないときは自分がツッコミになる。
仮面女子の桜雪ちゃんとかがそういうタイプですね。
相手の出方を見て自分の役割を変えられるんです。
雪ちゃんは東大出身なので頭の回転が常人とは異なると考えれば
普通はどちらか1つでしょう。
えびの自由さはQ-pitchMCにおいてアクセントになっているので
MCの回し役(ツッコミ役)をさせることによって
その長所が消えてしまう可能性もあります。
そういったリスクは負ってでも
Q-pitchメンバーの個性を活かせるツッコミ役を確立させるメリットはあって
えびならその役割を担えるのではないかと思っています。
トークイベントでは司会進行の人がいるので
Q-pitchのトークも活かされている印象ですが
Q-pitchメンバーのみのMCを見ると
それぞれが自由に発言するのでバタバタしている印象があります。
MCがバタバタしているとどれだけ曲で盛り上げても
どうしても素人っぽい印象を与えてしまいます。
パフォーマンス的にはもう十分高いレベルになってきているわけだから
MCで減点されてしまうのはもったいない話です。
えびが普段ボケで見せている反射神経を
MCの回し役でも発揮することができれば
また新たなQ-pitchが見られるのではないでしょうか。
自由を与えられていた子に司令塔を任せるという
適性が真逆のことを言っているわけですが
えびにはトークセンスを感じるので期待値を込めてお伝えしたい内容でした。