私がまだ歯科大生だった20年前、大学の講義で受けた酸蝕歯とは、
『金属加工業など特殊な職種の人にみられる』
という一文が必ず入っているほど、稀な症例でした。
しかし現在では毎週のように酸蝕歯のかたが当院に受診されます。
ただ殆どのかたは、酸蝕歯では?という訴えはされません。
『歯の色がおかしい』
『甘いものや冷たいものにしみる』
このような症状で受診される方がおおいです。
参照記事にあるように、酸蝕歯とは口腔内のpHが酸性に傾くことにより歯の表面であるエナメル質にダメージがかかることをさします。
通常、口腔内は食事などの刺激がはいりpHに変化が生じると
唾液の分泌などが促進され、口腔内のpHは中性に戻そうとします。これを専門用語で緩衝能といいます。
しかし生活リズムの乱れ、具体的には不規則な食事時間や就寝リズムの乱れなどにより唾液の分泌機能がうまく作動しないと
口腔内pHが酸性状態の時間が長くなることにより
エナメル質の表面が酸により脱灰(溶ける)してしまうことがあります。
これが酸蝕歯です。
虫歯は口腔内の虫歯原因菌が産生する酸によって脱灰が起きるので、最後のプロセスは一緒ですよね。
ストレスなどにより発症する逆流性食道炎でも酸蝕歯は起きるリスクがあります。
20年前では頻度が低かった酸蝕歯がいまや生活習慣病として立派に認識されるようになりました。
口のなかは 体の重要なパーツの一つであり
体の調子が悪くなると、口の中にしっかり反映され、ひっそりサインを出してくれます。
夏休み、リフレッシュできたかたも多いと思いますが、
いつもと違うリズムになると口の中に小さい症状が出てくることもあるかも?
ちなみに私は恐竜展行って人混みにやられました(笑)
↑目玉のむかわ竜
早川歯科医院は明日から通常診療になります。土日の予約がすでにかなり頂いてます、気になるとこがある方は早めにご連絡願います