当ブログは論文引用をメインとしたエビデンスに基づく内容を記載するよう心がけていますが、その前提に抵触する内容が含まれています、あらかじめご了承ください。
さて、前置きが長くなりましたが今回は口臭の話です。
とりあえず前フリに英語論文を検索してみて…、とパラパラ見てたら衝撃の内容が!
えー、絶対そんなことない!
ちなみに英語で口臭はhalitosisといいます。
口くさいな~、みたいな会話の流れではbad
breath
中にはoral bad smellといったこなれてない表現のものもありましたが、やはり英語圏外のお国の先生方でした。母国語が英語じゃないと大変だよなあ、とシンパシーを感じました(笑)
論文は8%だけど、原因は26種と多岐に渡るので(口腔内の原因要素は13種)被験者数を増やすと比率は変わるかも、とぼやかしてましたが。
実際診察してると口腔外のトラブルによる口臭が7割以上に感じます。
その7割のうちほとんどが
逆流性食道炎
胃炎(ピロリ菌由来の萎縮性胃炎など)
と言った上部消化器疾患由来に加えて
糖尿病
高コレステロール血症
など生活習慣病を既往歴に持つ方々でした。
残る3割のうちも半分くらいは
口腔乾燥症
由来と思われる口臭で、
皆さんお気になさってる歯垢や歯石の付着によるバクテリア繁殖由来の口臭は案外少ないです。
ただし、これには注意が必要で
『患者さん本人が自覚しうるタイプの口臭は口腔内が原因であるケースが比較的少ない』
のであって、実際自覚症状が目立ちにくいタイプの口臭は歯周ポケットや、齲窩(虫歯によって出来た穴)に入り込んだ食物残渣由来であるケースも少なくありません。
歯科治療における口臭対策は
定番の歯石除去にクリーニングに加えて
口腔乾燥症には
『舌ブラシ』
と
『口腔保湿剤』
いずれにしても、口臭治療には口腔内のリスクファクターを減らすためにも歯科に受診して、お口の中の治療をしてから口臭の原因を調べなおすのが効率よいと思われます。




