今日は早川歯科医院で処方するお薬についてです。
お薬を出す際によく聞かれる質問に
『薬の副作用はいかがですか?』
というのがあります。
今日は歯科医院で処方される薬の副作用の発生リスクのお話をします。
20年くらい前までに処方されていた抗生物質には、副作用に要注意な物が歯科医院でだされることもありましたし、今でも耳鼻科や泌尿器科で出される抗生物質は副作用に注意しなくてはいけない物もあります。
しかし、今は歯科医院で処方される抗生物質は副作用のリスクはかなり低いといわれています。
その理由はいくつかありますが、基本的には口腔内はそもそも免疫力がつよいパーツであり、強い抗生物質を出す必要が無いことがあげられます。
歯科医院ではセフェム系と総称される抗生物質を処方することがほとんどですが
現在処方されてるセフェム系(第三世代以降)は『プロドラッグ』化されています。
プロドラッグとは、ざっくり言うと
『体内で抗生物質になる薬、すなわちじっくり効き始めて長く効く』
薬です。
病巣が存在し、炎症を抑える為に出される抗生物質は
病原菌の活動を完全に抑える必要があります。
ですから、体内でじっくり長く効く事が求められる類いの薬となります。
これは、副作用が出やすくなる条件である
『急激に体内での濃度が上がる』
ことがないことをしめしています。
具体的には3日間ないし5日間の処方で
体内での抗生物質の濃度が下がりはじめる
7-10日後の経過を見て追加の処方を検討する事がルーティンになります。
耳鼻科での副鼻腔炎などと違って、歯ブラシの励行など
投薬に並行して炎症を抑える方法があるため
炎症が治まらない場合でも、いたずらに長期投与をせずに他の治療法を検討するケースが多い科になります。
飲み忘れは病原菌の再活性化を誘発しかねないので決められた用量用法を守ることが望ましいと思われます。
では『痛み止め』はどうでしょうか?
歯科で出すお薬では抗生物質より痛み止めのほうが副作用がでるリスクが高いと言えます。
痛み止めは、当然ですが痛いときに飲むお薬ですから

即効性が第一条件になります。
つまりプロドラッグではないので、
体内での濃度を一気にあげてなるべく早くしっかりと薬の効果が出ることが求められます。
そのため、副作用として胃痛・吐き気が出るお薬もあります。
当院では痛み止めにロキソニンとカロナールを用意してあります。副作用のリスクや症例に応じて使い分けています。
また、普段飲んでらっしゃる薬の副作用として、抜歯が難しい症例もあります。


