午後、長女と話をしていた。
話題は、人間関係への絶望のことだった。
詳しいことを、長女は話したがらなかった。
その絶望も、留学を決める後押しになっていたようだった。
家族の中で感じていた気持ち。
何も言わず、
おそらく長女のことだから、
一生言うつもりもなかったんじゃないかと思う。
それが、ポロリと出た。
本当は知りたかった。
何があったのか。
誰に傷ついたのか。
何を感じていたのか。
でも、その気持ちを抑えて、こう聞いた。
「誰か、言える人には言えてるの?」
長女は、
二人くらい、ちょこちょこと話せる人はいると言った。
そうか。
それはよかった。
もし私が、長女の絶望の相手だったなら、
もちろん私には言えないだろう。
そうじゃなかったとしても、
本当のことは、親には言いにくいこともある。
詳しいことは分からないまま、
私は申し訳ない気持ちになっていた。
長女に問いただすことはしない。
でも頭の中では、いろんなことを想像していた。
落ち着かなくなって、
みぞおちがズキズキするような感覚があった。
ああ、私はまた、
家族の感情に責任を持とうとしているのかもしれない。
これは、小さい頃からの馴染み深い感覚だ。
でも今は知っている。
人の気持ちを全部分かってあげることなんてできない。
その必要もない。
たとえ同じ家族でも、
見ている景色は違う。
親だからといって、
子どもの心の全部を知れるわけじゃない。
分からないまま、そばにいる。
聞き出さずに、待つ。
子どもが話したい分だけ、受け取る。
それでいいのだと思う。
子どもの気持ちを全部分かろうとしなくてもいい。
親にできるのは、
子どもの人生を代わりに背負うことではなく、
その子が自分の人生を歩けるように、
安心の場所であり続けること。
私は、そう思っている。
少しでも打ち明けてくれたことに、感謝している。
また話したくなった時に、
話せる相手でいられたらいい。
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2026年2月28日
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