編集委員会だより 2月8日(月)
各紙世論調査、「ほぼ変らず」を針小棒大に報ずる
本紙編集委員(資料班) 日比野 務
新聞各紙は、逮捕勾留されていた小沢一郎民主党幹事長の現・元秘書3人の起訴と小沢氏の不起訴という検察庁の処分を受けて、5日と6日に電話による世論調査を行い、各紙面でその結果を報じました。
その内容を見ると、3人が起訴されても幹事長職続投を表明した小沢氏の態度を受けて、幹事長を辞めるべきかどうかという質問に対して、概ね7割が「辞めるべき」という回答で占めたとして、「幹事長続投を国民は支持していない」と結論づけているようです。
また、小沢幹事長を擁護する民主党に波風を立てたいのか、民主党と自民党を含めた各党の支持率、あるいは次の参院選でいずれの政党に投票するかという質問で、民主党と自民党の差が縮まっているとして、「国民は、民主党から離れつつある」と結論づけているようです。
しかし、残念ながらその数値を見ると、前回の石川議員らの逮捕後に行われた調査結果と比べて、それほど大きく変動した形跡はなく、ほぼ横ばいに等しいものでした。
とはいえ、それでは記事にならないと思ったのか、小沢氏の失脚を誘導したいのか、世論調査結果を受けて、やや無理も承知で、小沢氏と民主党にとっては、より厳しい結果が出たかのような記事となってました。
確かに、1~5%程度の変動はあり、小沢氏や民主党にとっては、不利な材料ではありましょうが、正直なところ決め手に欠く「ほぼ変らず」といっていい調査結果で、記事を読むに、失笑を覚えざるを得ませんでした。
私は、今回の世論調査の結果を見て、世論の誘導があったという見方には、必ずしも立ちません。
しかし、結果に特筆すべき変化はなかった。逆に言えば、結果があまり変らなかったことが特筆すべきことだったといえるのではないでしょうか。
鳩山内閣への支持率も、確かに不支持率の逆転という傾向は見て取れるのですが、普天間問題などでの閣内からの自由闊達すぎた発言によって、なんとなく「指導力」が不足しているように見えるという雰囲気によるところが大きいように思えます。
国民の政策や変化に対する期待は、やはり依然として無視できないほどの数値で存在しており、鳩山総理には失礼ですが、鳩山内閣は総理の個性といった人気先行で支持を集めてきた内閣ではありません。よって、依然として挽回できる余地があるように思えます。
先の選挙では、有権者は「鳩山」を選んだ訳ではないかもしれません。しかし、それでも国民が選択した政権です。やはり、選挙を経ずして組閣し、支持率に悩んだ安倍、福田、麻生内閣とは同列に扱えないのではないでしょうか。
もちろん、例えば、支持率が10%を下回るといった、いわゆる危険水域になれば先行きが見えなくなるでしょう。実際に、危険水域入りの期待するかのような解説も耳にしますが、そこまで支持率が下がるという見方は、よほど性格の曲がった人だと思われます。
今回は、7日までの新聞各紙が、政権に否定的な見方で、世論調査結果を報じてましたので、あえて逆の見方をしてみたのですが、むしろ「全滅」を「玉砕」と、「退却」を「転戦」と言い換えて報道した戦時中の新聞と似かよった、無理のある論評記事のほうが、偏って見えてしまったというのは私だけでありましょうか。(終)
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