編集委員会だより 1月20日(水)

大本営発表と化した大手マスメディア



   本紙編集委員(資料班) 日比野 務




先週、小沢民主党幹事長の秘書や現職議員を含む秘書経験者が逮捕されて以来、大手マスメディアの報道はこれ一色だった。とりわけ驚いたのは、日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞が共同で運営するサイトである「新s あらたにす」というサイトを17日の日曜日の中身であった。


「新s あらたにす」は、それぞれ報道姿勢に色のある各紙の編集の違いなどを俯瞰(ふかん)して見ることのできる面白い試みであるが、世間的にはいまひとつ知られていない地味な存在かもしれない。


通常、それぞれの新聞の個性が感じられるものなのだが、この日の新聞は前日の民主党大会も受けて、民主党内の小沢氏に対する姿勢の異常性を憂える内容一色で、特に「編集局から」を読むと、論調は見事に横並びであった。


ここのところの各新聞・テレビなどの主要メディアの報道姿勢も、一様に小沢批判が出ない民主党への不満があるかのように、意図的とも勘ぐりたくなる批判的論調に終始している。極めつけの民主党への揺さぶり方は、口をつぐむ民主議員の傾向を踏まえて、「党内民主主義」はあるのかといったものや、「小沢支配じゃないか」といったものである。「小沢支配」観は、「行き過ぎた虚構」なのではないかという疑問も持つが、こうした内容は世間受けすると思っているのであろうか。


検察の捜査ということを以って、悪と位置づけることは、今日の刑事訴訟手続を踏まえれば、フェアではないと思うのだが、いざ「小沢」となると、小沢こそ権力であり、「巨悪」であるといわんばかりであり、これを正義の権力である司法の力で矯正せんとばかりに理性を失うようである。

多角的な見方ではなく、一面的な横並び論調をみるに、何か意図めいたものを感じざるを得ない。


かつて新聞各社は、大本営発表を無批判に垂れ流し、戦争翼賛の世論を形成する手助けをすることを猛省した。ところが、今回の「横並び」論調の報道を見るに、寒気を覚えるのは私だけだろうか。

無論、新聞などメディア各社も、意図的というより、情報入手やそのためのメディア間競争といった構造的な問題も手伝ったものというのが正確なのだろう。とはいえ、図らずも「大本営発表」を掲載する愚を犯しているように思える。


3紙の違いを垣間見る「新s あらたにす」だが、17日のものを見る限り、図らずも「大本営発表」伝達機関と化したことをさらけ出してしまった格好だ。

新聞を読む側、テレビを見る側にも、冷静な目が必要なのだろうと思う。


新s あらたにす(くらべる一面2010年1月17日)

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