(その1からの続き)
次に、20年度補正予算と関連法律、その次に21年度の当初予算と関連法律の順に実施してまいります。
次に、財政の中期プログラムについて申し上げさせていただきます。今回の経済対策の財源は、赤字公債を出しません。しかし、日本の財政は、依然として大幅な赤字であり、今後、社会保障費も増加します。国民の皆さんは、この点について大きな不安を抱いておられます。その不安を払拭するために、財政の中期プログラム、すなわち歳入・歳出についての方針を年内にとりまとめ、国民の前にお示しします。
その骨格は、次のようなものであります。
景気回復期間中は、減税を時限的に実施します。経済状況が好転した後に、財政規律や安心な社会保障のため、消費税を含む税制抜本改革を速やかに開始します。そして、2010年代半ばまでに、段階的に実行させていただきます。本年末に、税制全般につきまして、抜本改革の全体像を提示します。簡単に申し上げさせていただけるのなら、大胆な行政改革を行った後、経済状況を見た上で、3年後に消費税の引き上げをお願いしたいと考えております。
私の目指す日本は、福祉に関して、中福祉・中負担です。中福祉でありながら、低負担を続けることはできません。増税はだれにだって嫌なことです。しかし、多くの借金を子どもたちに残していくこともやめなければなりません。そのためには、増税は避けて通れないと存じます。勿論、大胆な行政改革を行い、政府の無駄をなくすことが前提であります。
次に、国際的な金融、経済問題について申し上げます。
まず金融機関に対する監督と規制の国際協調体制についてであります。今回のサブプライム問題に端を発した金融危機を見ると、次のような問題が挙げられると存じます。
1つ目、貸し手側が行ったずさんな詐欺的な融資。
2つ目、証券化商品の情報というものが不透明。
3つ目、格付け会社の格付け手法に対する疑問。
このような証券化商品のあらゆる段階において、不適切な行動が見られたということだと思います。
更にこうした証券化商品が、世界中の投資家の投資の対象になったことで、危機が全世界に広まったと思います。金融機関という、本来、厳格な規制が必要とされる分野におきまして、ここまで大きな問題点を見過ごした監督体制については、大いに反省すべき点があると思います。
特に現在のような、各国当局がおのおの監督を行う仕組みでは不十分だと思います。金融機関を監督、規制する際に、いかに国際協調を構築するかについて、現実的な仕組みを来月15日にワシントンで開かれる、金融に関する、いわゆる首脳会議において議論をしたいと思います。
2つ目は、格付けについての在り方です。格付け会社は、債券市場発展には不可欠なインフラ、いわゆる社会的基盤であります。しかし、サブプライム問題において証券化商品に関する格付けの在り方などに、深刻な問題点があったことは否めないと思います。このことが、世界的な金融不安を増長したという面がありました。こうした影響力を有する格付け会社に対する規制の在り方がどうあるべきか。
また、アジアなど、ローカルな債券の格付けを行う地場の格付け会社を育成する必要があることを、首脳会議で議論したいと思っております。
3つ目には、会計基準の在り方についてです。今回のような金融市場が大きく乱高下するような状況において、すべからく時価主義による評価損益の計上を要求することが、果たして適切であろうか。時価主義をどの範囲まで貫徹させるべきか。更に有価証券を売買するか。また、満期まで保有するのかによって、いかなる評価方法が適切であるのか。国際的な合意を目指して、首脳会議で議論を行わさせていただきたいと思っております。これが、国際金融問題に関する、私の問題意識と改革案です。
以上、国民の経済対策と金融問題への対応について、その骨格を申し上げさせていただきました。かつてない難しいかじ取りであります。日本政府の総力を挙げて取り組んでまいります。国民の皆さんの御理解と御支援をお願いを申し上げて、説明に代えさせていただきます。
(終)
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