さてさて。 | クレハズム

クレハズム

松澤くれは公式ブログ。

会社の人間じゃなくなりました。
今後はフリーで活動していきます。

組織に帰属しないのは心細い。
正直不安で仕方ない。肩書きもなく一人でやっていけるのか。また騙されるんじゃないか。自分を守ってくれるはずの事務所に壮絶な裏切りをされたトラウマは、まだ根深く残っている。次に同じことをされたら完全に折れてしまうから事前の策を万全にして臨みたい。


僕は芸術家ではありません。
火遊びの劇団活動と、現在行っている『わたしの、領分』プロジェクトを除き、お仕事として創作活動をさせていただいてきた。
「お金がなくても自分の求めるものを突き詰める」といった境地にはついに至れない自分を認めている。

生活が立行きいかなくなる、仕事がなくなった時が引き際だと思う。

「売れない」とは仕事がない状態。
提供できる商品を生み出してこそ、職務に従事するものと自負できる。少し特殊なだけの頭脳労働による自己表現に、貨幣価値を付加させている、それで生計を立てているに過ぎない。

そもそもお金になりにくい演劇の世界で、多くの人が求めるエンタメとも距離をおき、矛盾を抱えながら創作をしてきた。

多くの人が直視したくない問題や葛藤を、ごまかさずに見据えたくて、その生々しさは演劇がいちばん伝わると信じてやってきた。

「心に負担がかかる」
「観るのに覚悟がいる」

そう言われることが多い。
あなたの芝居を観たせいで鬱病になったと責め立てられたこともあった。

逃げてしまいたいとも思う。
エンタメでいいじゃないかとも思う。
みんなが楽しめるものに憧れることもある。


だけどそれはきっと正しくない。
人には人の、領分があるはずだ。

「救われた」
「言葉にしてくれてありがとう」

公演の度、そう言ってくださるお客さんたちが必ずいる。日々の生活にどこか生きにくさを感じていて、言葉にできないもやもやを抱えてる人が僕の芝居を観て「ああみんなそうなんだ」って「この気持ちはこうなんだ」って「もう少し大丈夫かもしれない」って「明日から前を向いて生きよう」って思ってもらうため、それだけを頼りに今までやってきた。



腹を括りたい。
自分の人生や選択に責任をもてるのは、他ならぬ自分自身。やらない言い訳を探して逃げるより自分にできることをやっていきたい。

既に決まっているお仕事に、ただ真摯に取り組む。


願うことならずっと演劇を作りたい。創作を続けたいと願っている。

どこまで走れるかを自信もって宣言することはできませんが、力ある限り頑張ります。




どうぞ劇場に足をお運びください。
応援いただけましたら、幸いです。

せっかく同じ時代に産まれたんだ。
あなたとわたしが、Weに近づくために。