子を授かりたいと思いながら、妊活がなかなか進まないまま、かれこれもう一年以上の月日が経ってしまった。テレビで、出産・育児のニュースをみると焦りを感じてしまう昨今である。ただ、焦ってはいても、人間の肉体というのは、なかなかいうことを聞いてくれるものではない。それは、夫もそうだし、私もそう。

 

 前回は、体の周期、体調不良、ストレスなど、妊活に関わることについて自論(?)を展開させていただいたが(前回ブログ「必要は発明の母(その10)参照」)、今回は夫にとっての「妊活ストレス」について考えてみたい。

 

 私が夫と結婚したのは7〜8年前のこと。夫は私よりも10歳以上離れていて、私たちはいわゆる「年の差夫婦」にあたる。

 

 正直に自慢させていただくと、夫はよくできた人で、私のためにいてくれている存在だと思うほどだ。そんな人物なので、私が「子どもを生みたい」と言った時も、夫は「うん、○○(私の名前)には子どもがいたほうがいい」と言ってくれた。

 

 ところが、年の差夫婦でもあったためなのか、長年、プラトニックな関係に慣れすぎてしまい、いざという時に「繁殖行動」にうつれない。

 で、夫は病院でEDの薬を処方してもらったりもしているのだが、それを飲んでもなかなかうまくいかない。妻としては「せっかく妊娠可能かもしれない時期なのに...」と思ってしまうことも、これまで何度もあった。

 

 夫は、いわゆる「大人の貫禄」があるせいか(?)、10歳以上年下の私からみると、のんびりしていて、何事にも動じていないように見える。だから、私からすれば、夫は妊活に対してあまり熱心ではないように思えた。

 

 そんな夫の合言葉はおもに3種類。

 「そんなこと気にしなくても大丈夫」

 「焦るなって」

 「まあ、気楽にいこうや」

 

 こうしたことばをかけてくれるのはありがたいのだが、年を追うごとに大きくなる子宮筋腫を抱える私からすれば、子宮筋腫が大きくならないうちに、早く妊娠・出産して、授乳も済ませてしまいたいという気持ちが強かったので、こう「焦るな」発言を繰り返す夫を見ていると、イラついてしまい、「周期記録」アプリが毎月の推定妊娠可能期間を告げる時期になると、夫に対して、しつこく排卵日アピールをして「繁殖行動」を要求してしまった。

 

 すると、普段は温厚な夫がついにキレて言った。

「そんなに子どもが欲しかったら、ほかのデキる男にやってもらって、そいつの子どもを生め!」

 

 夫は人はいいのだが、口が超×無量大数きたないのが、タマにキズ。自分がひどいことを言ったとしても、絶対に謝らない。(※無量大数:10の68乗とか10の88乗とか言われる)

 

 ただ、私は夫にこう言われても、夫のことが嫌になったりはしないし、夫が言うように、ほかの「デキる男」の子を産む気にはならない。むしろ、この一件以来、思ったのは、夫は夫で、真剣に子づくりのことを考えていて、ストレスが溜まっていたんだなあということだ。

 

 だから、「排卵日アピール」をするのはやめて、夫の話を聞いてやった。すると、どうやら、夫はここ一ヶ月ほど、右肩を伸ばすような動作をすると、激痛がはしるようになってデキないのだという。このコロナ禍で、病院にはあまり行きたくないと言っていたが、私が仕事を休んででもいいから病院に行くことをすすめると、「うん、行くわ」と言って、数日内に整形外科に行ってくれた。

 

 すると、整形外科の医師から、

 

インピンジメント症候群ですね」

 

と告げられた。

 

 インピンジメントなんてことばは、私も夫も聞いたことがなかったので、調べると、要するに肩を酷使したことや加齢などが原因で肩に激痛が走る病を総称して、このようにいうらしい。インターネットでもいろいろ調べたが、発生のメカニズムについてはいろいろあり、正直、私も夫もうまく説明できないので、ご興味のある方は一度、ネットなどで調べていただきたい。

 

 インピンジメント症候群はリハビリで治すことができるとのことで安心したが、すぐに治るものでもなく、地道なリハビリが必要となるので、夫にはしっかり治してほしいと思う。

 

 ここで、いったん、話を排卵日アピールと「周期記録」アプリのことに戻したい。

 

 有料アプリには、子づくり情報(排卵予定日や生理などの情報)を夫と共有できるものもある。私も当初は「こういうのを使うほうがいいんだろうか」と思ったりもしたが、最近では、夫のことを考えると使わないほうがよさそうだと考えるようになった(少なくとも我が夫には)。

 

 ただ、夫がキレたことで、妊活には夫の体調・ストレス管理が妻同様に必要だということに気付かされ、まずは夫と、お互いの仕事や家事などの情報を共有してみてはどうかと思うようになり、「iPhoneでできることはないか」とiPhoneをいじりながら考えるようになった。すると、いい方法があった。さすがはiPhone。

 

 以下、iPhoneのプリインストールアプリで、有料アプリのように、子づくり情報ほか、妻と夫の体調管理をする方法について述べたいと思う。

 

 ただし、今から述べる方法はいずれも、夫婦ともにiPhoneユーザーであること、事前にiCloudによるファミリー登録が必要となってくる(その方法については、詳しく教えてくれているサイト等もあるので、そちらをご覧いただきたい)のでご注意いただきたい。けれども、両方ともiPhoneをもってさえいれば、有料のアプリを使わずとも、予定の共有も可能で、夫婦間の不和を生じさせないようにするためにも使える機能かもしれない。

 まず、最も簡単な方法について。単に子づくり情報だけを夫婦間で共有するのならば、夫のiPhoneのヘルスケア「周期記録」に妻の生理周期や基礎体温などの子づくり情報を入力するだけでいい。これならば、iCloudでファミリー登録もしなくてもいい。
 ただ、私の夫は、「自分のiPhoneに、(自分が生理でもないのに、)生理開始予定日の情報が来るのがイヤだ」というので、次の方法で予定の共有をすることにした。
 
①カレンダーアプリを選択し、任意の一日を選択し、イベントを編集画面にはいって、「カレンダー」の項目をタップする(下記写真は、私の1月の推定妊娠可能期間の第一日目1月17日を開始日とし、終了日の1月22日午前0時を選択したもの)。
 
②すると、このような画面が出るので、ICLOUDの「家族」をタップする。すると、事前にiCloudでファミリー登録している人物のデバイス(端末)情報が出る。たとえば、我が夫だと「○○(夫の名前)のiPhoneSE2」と出た。
 
③その後、画面を「イベントを編集」にもどすと、「カレンダー」に「家族」のマークがついてる。このあと、右上の「完了」を押すと共有完了である。
 
④共有後のイメージはこんな感じ。
 
 イベントの詳細を見ると、次のように出ている。これに通知機能をつけると、自分とファミリー登録された人物に、指定された時間に予定を通知してくれたりもする。
 
 さらに、②の画面で新たな家族共有項目をつくることも可能。たとえば、我が家では、夫の通院や妻の通院に関することは「体調管理」という項目を別につくり、夫婦で共有すべきこと(車検の日程や夫婦の仕事の予定など)を「家族」という項目で管理している。
 
 ちなみに、新たな家族共有項目のつくり方は、上の画面の左下にある「カレンダーを追加」を選択し、カレンダーの名前を設定し、「共有相手」で家族を追加すればよい(下記写真参照)。
 
 私はApple信奉者でもなんでもないのだが、iOSスマホ(つまりiPhoneシリーズ)はApple同士(MacPCを含む)で、情報共有も可能だし、プリインストール(標準装備)でいろいろなアプリや機能がついているので、本当に便利だと思う。
 iPhoneさえあれば、有料のアプリを使わなくても、「そこそこ」の機能が楽しめるし、便利なことができる。まあ、「そこそこ」の基準をどこに求めるかは各人異なるかと思われるが…。
 
 夫はIT &機械マニアだが、iPhoneの使い方については、意外とよく知らない。だから、私が、このようなちょっとしたIT技を披露すると、「オレもやる」と喜んで言ってくれるのでありがたい(まあ、口が無量大数きたないのはどうにかすべきだとは思うが)。
 
 家族間で予定を共有することで、夫や私に、いつどのような大きな仕事上の案件があるのか、いつ病院に行くのかなどを把握することができるため、お互いの体調管理・ストレスコントロールにもつかえる。
 
 ところで、私が家族間で予定の共有をすることを思い立ったのには、私の子宮筋腫もその理由に含まれる。
 ついに、「こいつ」と決着をつけなければならない時期が迫ってきた。そのことについては、また日を改めて述べることとしたい。