iPhoneのプリインストールアプリであるヘルスケアの「周期記録」は妊娠可能期間を推定してくれる。排卵日もおそらくはそのどこかにあるのだろう。今回は、風邪と生理の関係・ストレスと妊娠可能性に関する憶測について書いてみた。

 

 「周期記録」は1月の推定妊娠可能期間の終わりを告げた(下の写真参照)。

 

 とはいうものの、今回は夫の体調不良もあり、「繁殖活動」はうまくいかず、まあ仕方ないと自分のなかで合理化することにする(夫の体調不良については、次回、述べることとしたい)。

 

 ところで、ここで突然だが、話は去年の今ごろにさかのぼる。新年が明けてから、新型コロナの報道がさかんになり(おととしの12月には知ってる人は知っていたともいう)、私はものすごく気をつけていた。

 マスクもしていたし、手も一日に10回以上洗っていたし(まあ、それがよくなかったのかもしれない)、インフルエンザ予防のために歯も一日4回磨いていた。ところが、1月下旬のある日、いつものように基礎体温を測ると39度近くの高熱が出た。

 

 時期が時期だったことや、外国人との接触もあったことから、「もしかして新型コロナではないか?」と思い、電話で保健所に相談した。だが、当時はそこまで新型コロナに対する警戒心が強くもなかったためか、保健所の人から「普通に病院に行ってください」と言われ、朝、そのまま病院に行った。

 

 医師はインフルエンザを疑い、インフルエンザの検査をしてもらったが、結果は陰性で、熱さましをもらって家に帰った。

 しかし、処方された熱さましを飲んでも、熱がなかなか止まらず、倦怠感がいっそう強くなってきたので、「これはヤバイ」と思い、昼ころ病院へ。検査の結果、インフルエンザA型だった。

 

 実は、前回の冬(2019年〜2020年の冬)はインフルエンザB型が少し流行していたたものの、A型は流行していなかったし、そもそもインフルエンザ自体、あまり流行していなかったといわれている。

 あれほど流行してなかったインフルエンザ(しかもA型)にかかった理由と感染経路は、今でもよくわからない。ただ、思い当たるのは、手を洗いすぎていたこと・歯を異常に磨きすぎていたこと、そして生理終了間近(生理7日目)だったことしか思いつかない(衛生を気をつけすぎると、かえってよくないということを私はインフルエンザ罹患後に本で知った)。

 

 今までの周期記録を振り返っても、私は生理終了間近・生理終了数日以内に風邪をひく傾向が強い。だから、生理と風邪は関係があるんじゃないかと思っている。

 

 このインフルエンザ罹患後、生理が来たのはそれから47日後の3月14日!本当は、遅くとも2月下旬には来るはずだった(ちなみに「周期記録」の推測では、私の通常の生理周期は約32日となっている)。生理周期は1月22日から3月14日の53日間におよんだ。

 

 当初はインフルエンザ治療薬タミフルのせいだと思ったが、主治医(産婦人科)によると「インフルで高熱を出したことによって、体が排卵をしようとせず、排卵が遅れたんじゃないか?」とのことだった(ただ、主治医が言うのも仮説に過ぎない)。主治医によると、通常、排卵が行われてからでないと生理は来ないらしい(排卵がなく、生理がくることを無排卵月経という)。

 

 今となってはタラレバ議論になるが、もしインフルエンザを発症したのが排卵後であったならば、次の生理がここまで遅れて来るというようなことはなかったのかもしれない。

 

 ただ、私の場合、上述の通り、風邪やインフルエンザを発症するのは生理中か生理が終わって数日後であることがほとんどだ。

 その理由がなぜなのかはよくわからないが、推測するに、生理が体の負担になっていて、体が弱っているところに、風邪やインフルエンザウイルスに負けてしまって、発症するのではないかと考えている。

 

 女性にとって、生理というのはごくごく当たり前に来るものなので、生理で体が弱くなるということを普通は考えないけども、生理だって人体を弱くする要素ではあると思う。だから、生理で体が弱った時期に風邪をひくのもあり得ることなのかもしれない。

 

 生理のように、ごく当たり前にしていることや存在するものが、実は体の負担になっていて、風邪をひくのではないか?という仮説について、似たようなことを言っている人がいる。

 

 感染症の医師として有名な岩田医師である。岩田医師は、2018年の「頭がすっきりする風邪の話」という対談のなかでおもしろいことをおしゃっているので、少し引用出せていただくことにしよう。

 

あまりに過激な運動をすると、免疫力って下がるんです。

 

基本的になんでもやりすぎはよくなくて、運動しすぎると、そのあとリンパ球の活性が落ちると言われています。

運動も、ほどほどはいいですけど、やりすぎるとだいたい体を弱めます。

 

僕は年2回ぐらいマラソンを走るんですが、マラソンのあとって体調がすごく崩れて、だいたい風邪をひくんですよ。

 

基本的に42.195キロを走ることって体に悪いんですね。

膝によくない、心臓にもよくない、突然死しやすくなる。

それなのにどうして僕がマラソンしてるかというと、楽しいからで、別に健康になりたいからではないですね。

健康になりたかったら、マラソンを走らない方がいい。

 

激しいスポーツって、基本的に体によくないんです。

特にトップレベルのスポーツは、だいたい体によくないです。

 

 

 岩田医師の場合、マラソンを例にされているが、誰でもはげしい運動をすることはよくあることだ。私はスポーツにはうといので、あまり大したことは語れないが、何かのスポーツに打ち込んでいるうちに、興にのって、「もっと、もっと!」のめり込んでしまうことは誰にでもあることで、それほど特別なことだとは思えない。

 しかし、誰でもあり得そうな「ちょっとした運動のしすぎ」で風邪をひいてしまうことがあると聞いて、女性なら誰でも来る生理も風邪をひく要因になるんじゃないかと思っている。

 

 新型コロナ関連の報道でも、ウイルスに感染はするものの無症状の人もいると聞く。以下、私の自論を少しばかり展開させていただきたい。(医学的に根拠のないことや間違っていることも含まれているかもしれないが、私は医学の専門家ではないので、「素人の戯れ言」として聞いていただければ思う)

 

 まず、いわゆる「無症状」というのにもいくつかパターンがあるそうだ。

 

①ウイルスに感染し、ウイルスは持っているものの、ウイルスが自然に体外に排出されるか勢いが衰えるなどして、終始無症状のケース。

 

②あるいはウイルスに感染し、ウイルスキャリアとなってしばらくは無症状であるものの、ある時、発症し、無症状ではなくなるケース。

 

 また、「感染」とは定義できないが、

 

③この世の中の空気中にはウイルスがウヨウヨとおり、ウイルスが知らず知らずのうちに鼻についたり、手につくなどして、ウイルスにさらされている「曝露(ばくろ)」という状態もあるという。

 

 これと同じことが、インフルエンザや普通の風邪にもあるという。

 

 だから、昨年、生理終了間近にインフルエンザに感染した私の場合、インフルエンザウイルスに曝露するなり、無症状感染するなどして、もともとインフルエンザの無症状のウイルスキャリアになっていて、生理が来て体が弱っていた時に発症したと考えることもできそうだ。

 

 もし生理周期とインフルエンザや風邪などをひくことの関連性に関する考察があったらおもしろいと思う。

 

 ちなみに、英語では、「風邪をひく」を"catch a cold (直訳すれば「風邪を一つつかむ」)"という。この言い方は、ウイルスを体に取り入れてしまったのち、体が弱っているなどして、ウイルスに負けてしまって、症状が出てしまうという考えに基づいているようで興味深い。

 

 話がだいぶ脱線してしまったが、私が生理中や生理終了直後に風邪をひいてしまったり、インフルエンザの高熱で次の生理日が遅れてしまったりするのと同様、ほんのちょっとした体の不調や精神的なプレッシャーなどが、知らず知らずのうちに、生理周期を狂わしているのかもしれない。

 

 だから、妊活する時は、規則正しい生活をし、ストレスのないように......というが、ストレスフリーであるのは不可能で、規則正しい生活をすることを心がけること自体がストレスにつながるという考えもある。

 

 私はなんでもストレスに原因を帰結させるという考え方には反感を持っているが、やはりちょっとした日々のプレッシャーが体のリズムを狂わせているのはたしかだということは、私の生理周期を見るだけでもお分かりいただけると思う(詳細は私の過去のブログなどを見ていただければお分かりいただけると思う)。

 

 だから、妊活の先輩方の中に、「基礎体温をつけなくなったら、(ストレスがなくなって)妊娠した」とか「妊活をやめたら妊娠した」という声を聞くことがあるのも、ストレスなどの体の微妙な動きを体現したものだといえるのかもしれない。

 

 しかし、「アンチ・ストレス原因論者」である私は、かつて「ストレスが妊娠に影響するなんて、なんでもかんでもストレスのせいにしやがって!」と、彼女たちの意見に噛みつきたい気持ちになったこともあった。

 そこで、私は「ストレスがあっても妊娠できる」で検索エンジンにかけてみた。

 すると、すでにストレスと妊娠の関係について調べた先人がいたようで、検索エンジンの候補にも出てきた。

 いろいろなサイトを見すぎて、今ここにリンクを挙げることはできないが、結論から言えば、「どんなに強いストレスを持っていても妊娠する時はする」という意見が大半だった。

 

 だから、私は「ストレスがあっても妊娠できる。ただ、自分がどんな時にストレスを感じやすいのかを知ることで、ストレスへの対処方法もつかめるようになるし、妊娠のきっかけがつかめるようになるのではないか?」と思うことにした。こういう境地に至れたからこそ、ヤキモキさせられる基礎体温も続けられているし、妊活記録を取ることも続けていられるのかもしれない。

 

 やはり「敵(=妊活ストレス)を知り、己(=自分の体と精神)を知れば、百戦危うからず」なのだろう。

 

 ただ、妊活は自分一人で完結することはできない。やっぱり夫あっての妊活だ。いくら自分一人の体調管理とストレスコントロールができているとしても、夫の体調管理とストレスコントロールもやらないといけない。次回は夫の体調管理とストレスコントロールについて語ることとしたい。