婆様のハワイ日記

婆様のハワイ日記

ハワイの片隅で生きるアメリカ人爺夫と日本人婆妻の老夫婦デコボコ日記です。

アロハ



週末は大雨の予想。

7時前だと言うのに、

空は雲に覆われて、

今にもまた雨が降ってきそうで、

まだ薄暗い。

今日は大ボスのサロンで、

マッサージのパートがある。

今年は、大ボスが、

日本からハワイに来て、

サロンを開いてから49周年になる。

来年は50周年。

85歳の昭和の男は、

記念日をとても大切にする。

まさかこの年まで生きられるとは、

思わなかった....としみじみ言う、

大ボスは、

このキリのいい数字、

もう目の前に迫った50周年を、

数年前から密かに目指してきた。

それを目標に、

黙々とただひたすら働いてきた。

サロンをオープンした記念日に、

従業員と一緒に小さなパーティーを、

必ず開いてくれ、

みんなでずっと祝ってきた。

30周年の頃から、

その背中を見ながら、20年、

ずっと働かせてもらい、

その記念日を、

共に指折り数えてきた、婆。

当時40代だった婆は、60代になり、

60代だった大ボスは、

85歳となった。

みんなで待ち望んだ、その「50周年」が、

もう目の前に、

そう、あと1年と迫った。


農家の4人兄妹の長男で生まれ、

地元でも有名な会社にも入った。

こうこれで一生安泰と、

両親は「我が家の長男」を、

目を細めてみていた。

「お前は長男だから」と、

親の期待を一身に背負って生きてきた....

でも、彼には目標が出来た。

仕事の合間に習ったマッサージ。

その素晴らしさに感動し、

外国に行ってサロンを開き、

それを広めたい.....

それが夢となった。
会社を辞めて外国に行くだと!!??

お前、気でも狂ったのか??

あの頃の「長男」は、

絶対的な存在で、

家を継いで、

先祖代々の家とお墓を守っていく.....

それが当たり前だった時代。

両親はもちろんのこと、

親戚一同大反対。

この家も土地も、財産も、

全部お前の物になるんだから.....

と、老いた母親に泣きつかれても、

その意思は変わらなかった。

「お前みたいな親不孝者はいない!!」

その言葉を振り切って、

誰も知り合いもいない、

ハワイに降り立った若き青年。

苦労した。

言葉も分からない。

お金も底をつきそうになった。

でも、帰るわけにはいかなかった。

ボランティアで、

マッサージをしてる時に、

たまたま受けた女性が、

後見人として名乗り出てくれ。

ビザが下りた。

やっとの思いでサロンを開いた時に、

今のロコの奥さんと知り合い結婚。

いつもニコニコ笑う、

彼女の大きな愛に包まれ、

共に助け合いながら、

二人三脚でここまできた....

そんなサロンに、

今日もまた行かせてもらう。

親不孝しちゃったよ....

そう言って遠くを見つめる、大ボス。

85歳でも尚、

リタイアすることなど微塵も考えず、

ただただ働き続ける、

昭和の男の、

その物言わぬ大きな背中を見に....
そうだよね、、

って窓の外に向かって一人呟いてみる。

が、ダイヤモンドヘッドは今朝もまた、

何にも言わず、

ただ黙って佇んでいるだけ...

続く。
(今朝のワイキキ)
(ダイヤモンドヘッド)