妊娠経過~65 いよいよ出産入院の前夜 | 『新種・負け犬』の私が産んだワケ

妊娠経過~65 いよいよ出産入院の前夜

26th Apr 2005

今度の入院は、とてもポジティブな気持ちで一杯。

とはいえ、前回の1ヶ月の強制入院を思うと…「い、行きたくないです」。

全食ベジタリアンの上に、薄味。

全ての自由を奪われ、早寝早起きの生活。

でも、今度は、赤ちゃんと一緒に1wで帰宅!と決められているので、

気は楽だった。


倒れて1ヶ月入院し、母との折り合いも悪かったので、

実家に戻ることだけは拒んだものの、絶対安静の生活自体が営めないということで、

そのまま実家に送られて、早4ヶ月。


子供のときから読んできた本たちが詰まった愛しい本箱との再開、

学生時代の自分との再会、

そして両親との和解、

少し年を重ねた両親の今の生活を理解することと共に、

両親のそれぞれの「人」を理解した…。


生き急ぐように、仕事をし、旅をし、恋をしてきた自分。

選択の余地のない、寝たきりの生活。

(ホリエモンが投獄されたとき、ワガコトのように思って泣けた…)

そして、本を読み、テレビをみた。

OLがワクワクして、月曜夜を迎える…といううわさの?!

月9ドラマの再放送も楽しみにする日々(苦笑)


「何も起こりようのない静かな生活」が

ここまで自分を変え、生き方を変えた…といっても大げさではなかった。


明日から入院…という夜。

眠れなくて、夜中に起きだし、実家のキッチンを磨き続けた。

(両親の寝室とは離れているので大丈夫)

「1宿1飯の恩義」という言葉がうかんで可笑しかった。


そして、書斎の本箱から、「印度放浪 藤原信也」を取り出し、明け方まで読んだ。

ベナレスの朝やけを思い、

失恋して実家に戻って迎えた夏の朝焼けを思い、

仕事に疲れて、本箱に会いに来た春の朝焼けを思い…


人間動けなくなっても、たくさんの思い出があれば、

好きなときに好きなところにいけるものだ。

旅はするものだ。

たくさんの人に会っておくものだ…と思ったりして。


すぐ戻ってくるから…という意味で、

書斎の本立てに、そのまま、そっと印度放浪を開いたまま、部屋を出た。


(産後2年たった今も、実家の書斎はそのまま。誰も使っていないのか…あの書斎。なぞ)