墓碑銘。
本年23冊目、村上春樹「走ることについて語るときに僕の語ること」読了。
もう、タイトルからして村上春樹。
村上春樹にとって、走ることとは、なんだ。何を意味するのか。
そのあたりを解き明かしながら、職業的小説家にとってのルーティンを綴る。
最終ページに書かれた「もし僕の墓碑銘なんてものがあるとしたら、〔少なくとも最後まで歩かなかった〕と刻んでもらいたい」という言葉に、走る小説家のレーゾンデトールがある。村上春樹という小説家の、小説家としてのありようがあるのではないかしら。毎年のようにノーベル賞の候補にあがるけど、受賞しない。
芥川賞にも直木賞にも縁がなかった。
マラソンにはゴールはあるが、
賞は目標でもゴールでもない。
それで、良いのだ。
世の中には賞が終着駅のようになっちゃった作家は多い。
それよか、少なくとも最後まで歩かなかったことの方が重要だ。
ワシの墓碑銘というものがあるなら、〔少なくとも最後までサッカー日本代表にはなれなかった〕とでも刻んでもらおうかな。
なんのこっちゃ。