京極 夏彦 著

『嗤う伊右衛門』(角川文庫)を読みました。



同じく京極さんの著書『巷説百物語』に登場する「又市」がいわゆる推しになってしまった私



今作にも登場することを知り、会いたさ募って購入



四谷怪談はあまりに有名で、自分の中では知ってて当然のお話



私欲のために邪魔になったお岩に毒薬を飲ませた伊右衛門。その伊右衛門への恨みを晴らそうとお岩は幽霊となって復讐する。



私の記憶ではこんな感じ



けれど本作では設定がかなり違っていて



伊右衛門が悪い人とは思えないし、気の毒にさえ思えてしまう。



深作欣二監督の『忠臣蔵外伝 四谷怪談』を観たことがあるはずなのに、どうも記憶があやふやなので、元の四谷怪談がどんな物なのか一度検索してみることに



元はテストや受験で暗記したことのある作家 鶴屋南北による歌舞伎の演目



青空文庫で読めるのは田中貢太郎による『南北の東海道四谷怪談』のみ



四谷怪談を分かりやすく書き直したのが田中貢太郎によるものらしく、とりあえず田中バージョンを読んでみるとに



するといるじゃないですか!「小股潜りの又市」が!



『嗤う伊右衛門』の要所要所で又市さんが出てくるのは、てっきり京極さんが考えたキャラだからだと



四谷怪談に又市さんを登場させて、見事に物語に絡めているのだとばかり思っていました。



実は四谷怪談の歴とした登場人物だったとはびっくり



知ってるつもり、分かってるつもり



本当、自分の記憶なんて頼りになりませんね。



歌舞伎は敷居が高いので、YouTubeで伊右衛門役 片岡孝夫(現 仁左衛門)、お岩役 坂東玉三郎の予告動画を見る(美しくすぎる…)



全部とまではいかないけれど、少しずつ「つもり」を潰していけたらと