坂月 さかな 著
『星旅少年』(パイ インターナショナル)を読みました。
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トビアスの木
人を覚めない眠りにつかせ
眠りについた人を「トビアスの木」に変えてしまう
住人の殆どが眠りについた星を「まどろみの星」と呼び
その文化を記録するのが
プラネタリウム・ゴースト・トラベル(通称PGT)の仕事
「まどろみの星」文化保存局特別派遣員
登録ナンバー303
“星旅人”は今日も記憶する。
後悔も寂しさも
全て大切な思い出として
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主人公は登録ナンバー303
名前ではなく数字を名乗っていて、素性も明らかにされておらず、なぜかトビアスの木の耐性を持っている謎多き人物です。
どのキャラクターも一見すると男女の性別や年齢が不確か
その曖昧さもあってか、ふんわりした描写の中に優しさと不穏が同居しているよう
表紙の青が美しくて、ずっと眺めていたくなります。
カバーを外してみてのお楽しみのイラストもあり。
夜眠る前に読むと、より作品の世界観に入り込める気がします。
私のお気に入りは、303が図書館のある星に行くお話。
その名も「夜天図書館」
ここでその場面を載せてはいけないと思うので詳しく説明できないのが残念です。
現実世界では色々と実現するのが難しい設定ではあると思うのですが、その風景の中で本を読めたらどんなに素敵だろうと
作者の坂月さかなさん
初見のイラストレーターさんでしたが、作品集も出されてるので、そちらも見てみたいと思います。
2巻の発売が待ち遠しいな。