『西遊記2』(文春文庫)を読みました。
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悟空、八戒、悟浄を伴った三蔵一行。
旅を重ね次第に打ち解けあってきた師匠と弟子だったが、行く先々で出会う良からぬ妖怪たちに翻弄され、とうとう悟空は破門を言い渡される。
白骨夫人や金閣・銀閣。誰もが知っている妖怪たちも登場。
果たして三蔵一行は無事天竺にたどり着けるのか?
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三蔵と悟空たちの旅がはじまって数年が経ちました。
第二巻のテーマは『家族』
三蔵一行の、それこそ白馬も含めてそれぞれの出自や家族への思いが描かれています。
平岩さんの視点はとても優しくて、善悪に関係なく妖怪にも家族があって、恋にも悩むし、親を大事にし、子育てもします。
印象深かったのは、悟空が三蔵から破門される場面。
誤解は解けるのですが、私の記憶している悟空と三蔵の言動とは違っていました。
お師匠さまに信じてもらえなかった悟空は
「ふんっ‼︎ なんだいなんだい!もう何があっても知らねぇからなっ!」
と飛び出して行くのかと思いきや、平岩さんの悟空は「俺のお師匠さまは素晴らしい人だ。自分が誤解を生むような行動をしたのが悪かったんだ。」と猛烈に反省し、泣く泣く花火山へ戻って行きます。
三蔵は三蔵で「私はなんということをしてしまったのか!私の目は節穴だ。こんな目ないっそ潰れてしまえ!悟空に帰って来てくれなどとどのツラ下げて言えようか。」と、それは深く深く後悔します。
私、以前はあんまり三蔵さん好きじゃなかったんです。なんだか勝手な時は悟空悟空と頼るくせに、ちよっと何かあるとすぐ頭の輪っかをキリキリさせて、でもやっぱり悟空がいないとダメじゃんみたいなところが。
でもこの作品では、三蔵と悟空は境遇がとても似ていて、お互いがお互いを認めあっている家族のような、兄弟のような雰囲気を醸し出しています。
平岩さんの西遊記には、私の知っているTVや絵本に出てくるような、天界で大暴れして、お釈迦様に大口たたいて雲に乗ってひとっ飛びしたら実はお釈迦様の掌だった・・・なんてお話はほんのさわり程度。
金閣や銀閣は出て来ますが、どちらかと言うとあまり表舞台に出てこないお話が多いように思います。
原作を読んだことはないのですが、膨大なお話のどこを切り取るかが、作家の腕の見せどころなのかなと思いました。
こんな美しい西遊記とは真逆の、TEAM NACSの人形劇『西遊記外伝モンキーパーマ』をバカバカしいと思いながら、録画してまで見ていたりする私でした(^_^;)