竹内ホジャの赤い辞書 | あぶくさぶく

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トルコ語あれこれ

竹内ホジャの赤い辞書

トルコ語を学習しようと思う日本人なら ほとんどがお世話になっている赤い辞書. 「トルコ語辞典ポケット版(竹内和夫著、大学書林刊)」というのが 正しい名前ですが、だいたい赤い辞書で 通ってしまいます. 事実上 唯一の トルコ語‐日本語辞書といっていいと思います. 私も もちろん 大変お世話になっていて、すでに 2冊目ですが、3冊目を買うのも そう遠くないかもしれません.

ただ、この辞書に関しては 残念なことがありますね. この辞書を 使っている人は たいてい感じているでしょうし、周知の事実でもあると 思うんですが・・・それに、私などが こういう場所で 書くことではないんですが、とても残念に 思っているので、敢えて書いてしまうことにします.

残念なことというのは 改訂版のことです. 形式上は 私の1冊目は 第9版(2002年3月30日)、2冊目は 第12版(2010年5月30日)です. 順調に 版が重ねられているんですが、これは 多分 <改訂>版ではなく、単に 刷り増ししただけなんだろうと思います. 前から気になっていた箇所を比べてみましたが、変更は ありませんでした. <まえがき>の日付(1990年1月5日)が最後の改訂の日付だとすると、かれこれ四半世紀近く 改訂されていないことになります. 以下、改訂版が 出てないという前提で話をします.

改訂版が出ないことによって、当然、いろんな問題が生じます. 主なものは 以下の3点でしょうか.
① 誤り、欠落などが修正されない.
② 古い表現、現代では不適切な表現とみなされる箇所が修正されないまま残る.
③ インターネットなど 新しい事物に関する単語が 収録されない.

① については、それほど数が多いというわけではないんですが、辞書の権威や信頼度にかかわる部分なので ぜひ 修正・改訂して欲しいと 思います.
② については、単に古臭いというだけなら いいんですが、<差別的>表現は、この辞書そのものが 問題視される恐れがあり、修正の必要があるだろうと思います. 個人的には、<差別用語や禁句の言い換え>の習慣は 必ずしも 賛成じゃないんですけどね.
③ は、①や②ほど 深刻な問題ではないんですが、こういう単語は 毎年 蓄積していきますし、一旦 収録しても またすぐ 意味が変わったり、使われなくなったりする可能性もあり、やはり 定期的に 改訂版を 出して、最新の状態を保って欲しいです. 非常にポピュラーな単語なのに 載ってないとなると 辞書の価値を下げかねませんし.

竹内先生あるいは その後を継ぐ方が 改訂版を出されるのを 心待ちにしております.


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