日本語とトルコ語(5) | あぶくさぶく

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トルコ語あれこれ

アリョ、ブリュ

どんな言語でも、その言語にとって 外国語となる言語をしゃべるときに 特有の癖というものが あるもので、日本語では なんと言っても 子音で終わる音節が ないため(「ん」は例外)、子音に母音を補うことでしょう.
もう一つ、おもしろいと 思うのは ロサンゼルス、アルゼンチンなど <ジェ>が <ゼ>に なることです. 日本では、京都が 首都だった時代 <京都弁>が 標準語だったわけですが、当時は <ジェ>が 標準で <ゼ>は あずま(東)の国の 田舎言葉だったらしいですね. 鎌倉、江戸と あずまに首都が移ると 標準語も <あずま弁>を 基準にしたものに 変わっていくわけです. そういうわけで ロサンゼルス、アルゼンチンなどは <ゼ>と 呼ばれているわけなんですが、今は 現地音に なるべく近づけようという気分が強くなっていて、 ロサンジェルスという人も 増えてるんじゃないでしょうか. 普段 なじみの少ない <アルゼンチン>は まだ <アルジェンチン>という人は 少ないかもしれませんが.
ちなみに 朝鮮(韓国)語でも <ゼ>は <ジェ>と 発音するみたいですね. 西日本とのつながりを 感じます.

さて、トルコはどうかというと 前に 地名のところで 書いたのですが、<s + 子音>で 始まる単語は 語頭に ı または i を つけて istim (steam), iskelet (skeleton), İskandinavya (Scandinavia) などと なりますね. ı か i については 後に続く単語の最初の母音によることになります. いわゆる母音調和ですが 通常の母音調和は 最後の母音に応じて その単語の後ろにつくので それとは逆になりますね.
あと、気がつくのは 電話で "Alo" というときに 「アロ」でなく「アリョ」ということ. 恐らく フランス語から 入ってきたんだと思いますが、私の知る限り フランス人は 「アリョ」 とは 言いませんね.あと、英語の "blue" という単語を読むときに 「ブルー」でなく「ブリュー」というのも 聞いたことがあります. 「拗音化」とでも いいましょうか、この現象が どういう規則で おこるのか 私には よくわかりません. 今後の研究課題です.


ジュンバ(出窓)のある伝統的トルコ家屋 (イズミル)
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