6秒間の軌跡~花火師望月星太郎の二番目の憂鬱その2 | やまとうた響く

やまとうた響く

日々の出来事や想いを綴っています。エッセイ風に書けたら素敵なんだけれど。

さて、6秒間の軌跡のシーズン2の後半から最終話まで再び地味なんだけれどじんわりとした感動で包まれた。私は地味なストーリーが好きかもしれない。地味な性格だし。そんな私の性格は、やはり星太郎の性格と被るので自然とドラマに感情移入してしまう。

星太郎は変化に非常に弱い。ちょっとの変化も気になって仕方ない。前半でもそんなところから不安や心配で心が上の空で亡き幽霊の父親から一喝された。

それでもそんな所もよく似ている。私も幽霊の父親に一喝された思いだった。日々何事もなく平穏無事が1番、と言うのが私のモットーだ。変化が嫌と言うか面倒で、面倒なことや厄介なことはご免だと思っている。変化を楽しむや、冒険する、などと言う器は持ち合わせてはいないのだ。

ただ星太郎は真面目で自分の家( 煙火店)の花火の技術はしっかりと守らなくては、と思っている。そんな技術を自分の代で終わらせていいものか!?と悩み、そのためには結婚して跡継ぎを残すべきなのか!?と自分の気持ちよりも花火のレシピを守ることに重点を置くような人間だ。

そんな星太郎の元に、ライバル煙火店の娘野口さんが弟子入りを願ってやってくる。星太郎の花火の紅の色が素晴らしい、と自分では認識していなかった花火の特徴、そして素晴らしさを告げられ心は揺れるものの、やはり日常の変化をあれこれ考えたり、ライバル煙火店のスパイなのかも、と勘ぐってしまい断ろうとするも、幽霊の父親や水森さんに背中を押され弟子入りを許可した。

それでも信用しきれていない星太郎は花火のレシピは決して教えない。それでも変化と言うのは新しい風が吹き込んでくる、と言うことで星太郎の日常も活気がでてくる。そして今まで競技会には全く興味を示さなかったけれど野口さん達の勧めもあり競技会に参加も決める。

星太郎も野口さんに対して信用しかけた頃に、絶対に見せなかったレシピを野口さんに盗み見され、そのまま野口さんは姿を消す。信用しかけていた星太郎は裏切られたことと、代々のこだわりの花火のレシピを盗まれ怒り心頭。だから雇いたくなかったんだ!と。

それに対して幽霊の父親と水森さんが平然としていることにさらに苛立つ!呑気だよね!ヽ(`Д´#)ノ!大切な代々受け継いできたレシピを盗まれたんだぞ!と頑なに家宝の様なレシピにこだわる星太郎。

父親は受け継ぐったって、少しずつ変わっていくもんだ、と落ちついているし、水森さんは、変えてもいいんじゃないですか?昔と今じゃ環境も気候も違うんだし、とさらっと言う。

星太郎は話しにならない、と言わんばかりに、このうちのレシピで勝ちたいんだ、うちのレシピでないと意味がない!紅で勝負する!野口煙火店には絶対に負けない、と意気込んで花火の製作に打ち込む。完璧な花火を作るべく。

そうしてようやく自分の花火を仕上げる。 自分の全てを注ぎこんで抜け殻のようになった星太郎を見て幽霊かと思った、と幽霊の父親が言う😆

その時の星太郎はすでに勝負など、どうでもいい心境になっていた。競技会では紅の色とまん丸の形が評価される。星太郎もそれにこだわり続けていたけれど、なぜか直前になってメインの花火の構成を変えた。




きのこに!😆

結果は野口煙火店が優勝し、星太郎の望月煙火店は3位になった。その後勝手に花火のレシピを持ち出した野口さんが謝りに来る。そして今までの星太郎の紅より1番奥行きのある紅で素晴らしい花火だったと伝える。父もメインの花火がまん丸だったらうちは勝てなかったかもしれない、と言っていました、と告げた。

きのこだったからね😆!それでも競技会でああいう花火がひとつあると、全体がとても暖かい雰囲気になったと思う、と野口さん心から感動し頭を深々さげた。

そして今まで 花火のレシピは門外不出だったけれど星太郎は自分のレシピを公開することを決めた。花火師のためではなく花火のために。

もし自分に何かあったら自分の生み出す紅はなくなるわけだし、生きている間は極めていくつもりだけれど、他の花火師がさらにいい花火を作ったら、それが花火が1番喜ぶことだと思うから。と幽霊の父親に告げる。

幽霊の父親は、めざすは完璧ではなく進化し続ける花火だな、とレシピを公開することをいんじゃないか、と賛成する。

花火も人も生き続けるし、進化し続けるのが理と言うものなんだと私も学ぶ。けれどそんな星太郎自身の進化も野口さんと言う新しい風によってもたらされたものだ。その風が吹き込まなかったら何も変わらなかっただろう。

レシピを盗まれる、と言う最悪に思える変化のお陰で頑なに凝り固まっていたものが吹き飛ばされたと言えるかもしれない。

私の1番の願いは 何事も起こらず平穏無事に日々を過ごすことだった。けれど私の人生はそうではなかった。予想もしなかった出来事がバンバンやってきては打ちのめされることが幾度あったやら。

けれどその都度その突風が私を鍛え上げて昔の私を別人ほど逞しくした。少なくとも昔の自分より今の自分が私は好きになっている。昔の自分を好きだったことはなかったけれど。

今もできるなら平穏無事がいいとは思ってはいるけれど、そうばかりはいかないのが人生だし、人生には常に新しい風が吹き抜けることで何かが変わっていくことは悪くないと思える。それを進化と言うのかもしれない。けれどそよ風であってくれたら嬉しいけれど。

星太郎もそう感じていると思う。



そして大の苦手だった猫にも耐性ができていたのだった。