季節のない街  その2 | やまとうた響く

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日々の出来事や想いを綴っています。エッセイ風に書けたら素敵なんだけれど。

前回の季節のない街の記事で一話一話はストーリーが全く違うので書き切れないと書いたけれど、その記事にちらりと画像で登場した人のことは書いておこうかと思う。あくまで後でまた自分が楽しむための備忘録として。



このピンクの帽子の女性(カツコ)と青い帽子の男性(オカベ)の時のストーリーだ。

カツコは以前は母親も仮設住宅に一緒に暮らしていたけれど、お金持ちを見つけ結婚してカツコを残して出て行った。今は高級車に乗り時折カツコの所にやってきては地味でさえないカツコをまるでがんもどきみたいだ、とか馬鹿にして去って行く。


今は伯母夫婦と仮設住宅でマスク作りの内職をしながら内気で誰とも会話もしない日々を過ごしていた。


そんなカツコに唯一好意を持ち優しく接してくれるのがスーパーオカベで働くオカベ青年だった。そんな日々である時伯母が入院することになり、その間いつも飲んだくれている伯父と二人きりになった時に、伯父に犯され身ごもってしまう。なんとも理不尽。


退院した伯母がすぐに気づいたけれど伯父はしらばっくれていなくなった。そんな時にカツコがオカベを刺すと言う事件を起こす。


幸いオカベは軽い怪我で済みカツコを訴えることもしなかったのでカツコは二ヶ月間の拘留で、その間に警察病院で堕胎手術を済ませて戻ってきた。


 戻ってきたカツコにオカベが尋ねる。決して怒ってはいないけれど何故刺されたのかが知りたいと。




カツコは死のうと思った、と言う。純朴なオカベは死のうとして僕を刺してどうするの?とさっぱり訳がわからなかった。カツコも自分でもよくわからないけれど、自分が死んだらすぐにみんな私のことを忘れてしまうだろうけれど、オカベに忘れられてしまうのだけが怖かった、と言う。


やっぱりよくわからないオカベ。かつては私もわからなかったんだろうな、と思う。どですかでんを観た時には。覚えてはいないけれど同じ内容があった筈だ。


でも今はよくわかる。人は忘れられてしまうのが怖いと言うことが。そして憎まれても嫌われても覚えておいて欲しいと言う気持が。カツコはオカベを刺すことで自分を忘れて欲しくなかったのだと思う。刺された傷痕を見る度に刺した自分を思い出してくれる。それが憎しみだったとしても忘れ去られてしまうよりずっといい。そんな理不尽から生まれる複雑な気持もあるということが。


そういえば、私も星の店が消えた、と言う記事の中で、街の中である日更地になっていても前に何があったか全く覚えてはいないけれど、大嫌いなパチンコ店が更地になり、いつか別のものが建ってもパチンコ店だったことは覚えている、そんなことを書いたけれど、これもまさにそういうことだ。あまりにくだらない例えだけれど💦


まぁオカベが運悪く死んでいたならなんにもならなかったろうけれど。カツコにその時はそこまで考えられなかったのかもしれないし、自分も死ぬつもりだったから一緒に、と言う気持も少しはあったかもしれないけれど。


それにしてもやはり理不尽の極みだ。カツコもオカベもただ懸命に生きているだけなのに。それでもオカベもカツコも死ななかった。カツコを犯して姿をくらましていた伯父はすぐに警察につかまった。


そんなことがあってようやく二人は心を通わせることになった。オカベは刺された理由がまだ あまり理解できてなさそうだけれど。最初の画像は二人で遊園地にデートに出かけた帰りに自殺騒ぎに出くわした場面だ。


なんとなく全面的に理不尽が漂うドラマの中でようやくいい感じに辿り着いた二人のストーリーではあるけれど、おそらく今後の二人がどうなるのかは描かれない気もする。その後の二人がどうなるか、うまくいくのかいかないのか、どですかでんでもハッピーエンドの話はひとつもなかった気がするし、果たして次週の最終話はどうなるやら楽しみだ。




ふと思い出したリメンバー・ミー、これも私を覚えていて、思い出して、忘れないで、がメインのストーリーだけれどこれは清々しく素敵に描かれている。また観てみようと思う。