卒業式 | やまとうた響く

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日々の出来事や想いを綴っています。エッセイ風に書けたら素敵なんだけれど。

昨日は孫のやまとの中学校の卒業式だった。3年間よくがんばったと感無量になる。


中学生になると、違う小学校の子達と一緒になるけれど、小学校が同じだった子達が、全く普通にやまとに接しているので、初めてやまとに出会った子供達もいつのまにか自然にやまとを受け止めてくれるようになったようだ。


やまとが通った中学校はマンモス校だったから小学校の様には先生の目が行き届かないところもあり、けっこう自由で放任な所があり、長女が言うには却って楽しかったそうだ。


小学校ほど先生方がやまとに神経質ではなくて、(長女が付き添っている、ということもあるけれど)、他の子供達もガンガンストレッチャーを押して駆け回ったり、スリルとサスペンスに富んだ、それはそれは楽しかったようだ。小学校の頃は先生がむしろ怖がって、子供達にストレッチャーに触らせないようにしたり、何かと必要以上に目くじらをたてる、と言うことかあったようだ。


そんな繋がりの中で、いわゆる不良と言うのか、ヤンキーっぽい子供達の方が意外にやまとを気遣ってくれたと言う。いつも子供達の中に混じって過ごした長女には、むしろ大人のほうがあらゆる面で偏見で子供達を見ることが多い、と言うことを知ったようだった。


3年間の間には成長期になり、やまとの成長と人工呼吸器がうまく合わなくて、苦しい日々が続いて休みがちなこともあったけれど、人工呼吸器とやまとの呼吸が合うというか、うまく馴染んでからはすっかり元気になり三年生になってからは休むことがあまりなく通学できた。


そしてやまとの中学校にはエレベーターがあるのだけれど、普通のエレベーターよりストレッチャーが入る大きさのエレベーターで、長女達はとても助かったようだ。


そのエレベーターにまつわる話が不思議な御縁の物語だった。


やまとの中学校の校長先生はかつて教育委員会に居たことがあった人で、やまとが幼稚園の頃に、入園式に参列して、その時やまとを初めて見かけたそうだ。その時は、こういう子供もいるのだ、と認識をしたそうだけれど、その一瞬の出会いで終わっていた。


その方が教育現場に入り、中学校でもこれからは車椅子だったり、いろいろな子が入学してくるのだからと、エレベーターを取り付ける責任者として動かれたらしく、その時にふと、幼稚園でやまとを見たことを思い出し、どうせならストレッチャーでも利用できるエレベーターにしよう、と決断して作って下さった張本人で、巡り巡ってその方がやまとの通う、ストレッチャーの入るエレベーターの取り付けをした中学校の校長先生になる、と言う巡り合わせ😳


長女達は最近になって校長先生からその話を聞いて驚くと同時に心から感動し、感謝したと言っていた。


校長先生も、やまとが入学した時に、あの時の幼稚園で見かけた子だ、あの時の子が中学生になったのか、とすぐに気付き、心からストレッチャーの入るエレベーターを取り付けてよかったと思った、と言われたそうだ。


3年間には苦労もあっただろうけれど、助けも沢山あった恵まれた中学生活をおくることができたことを心から感謝したい。


それにしても、普通学級でみんなに混じる、と言う選択をした長女達は間違ってはいなかったと思う。いつの間にか、やまとが居ることが普通な雰囲気を作り上げた、と言うか、出来上がったのだ。


そんな中学校をさよならした。今後のことはわからないけれど、新たな道を切り開くのだろう。


今は無事に卒業できた、そのことが心から嬉しい。卒業おめでとう!よくがんばった!!


そして中学校の皆さんに心からお礼を言いたい。ありがとうございました!!




少しばかり大人の顔つきになったやまと。


卒業証書を受け取りに前に出る時、ストレッチャーを押して進んでくれたのも仲良しの子だった。





みんな、ほんとにありがとう。みんなの未来が輝きますように。