山田哲人選手から学んだ、究極のバッティングフォーム | 石川貴之/ゼロ・グラヴィティ理論 --- 爆発的にパフォーマンスを発揮する"7つ"の新法則

石川貴之/ゼロ・グラヴィティ理論 --- 爆発的にパフォーマンスを発揮する"7つ"の新法則

▼待望の著書 #ゼロ・グラヴィティ理論 が4月刊行▼過度なウエイトトレ不要の世界を目指し"7つ"の新法則を提供中。ストレッチ,トレーニング,スポーツ動作の指導が得意▼2019年北海道〜沖縄の全国で受講者数229人/3月現在▼株式会社カラダラボ代表取締役

最近プロ野球をテレビ観戦していると、気になる選手がいる。

それは、史上初3度目のトリプルスリーを達成した、山田哲人選手である。

常人では成し遂げられないことを、結果として残し続けている。

そんな彼のバッティングフォームにはどんなことが隠されているのか。

なぜ結果を出し続けることが可能なのか、身体の構造から分析してみました。

 

今回は山田哲人選手のバッティングフォームと、身体の使い方をわかりやすく解説致します。

野球のバッティングだけではなく、ゴルフのスイングにも共通することが多く含まれてます。

一読していただき、パフォーマンス向上につなげていただけたら幸いです。

 

従来のバッティングフォーム

 

従来のバッティングフォームはテイクバックを大きくとり、

後ろから前に重心移動をする際にスウェー(前方への重心移動)をする傾向が見られます。

その結果、重心が前に乗りすぎる。

右打者の場合、右足の母指球で踏ん張ることで頭が前につっこんでしまう体勢になり、

前足の膝が曲がってしまう。

 

これではインパクトの際に頭が残らず、ミートポイントが正中線(身体の中心線)より前になる。

いわゆる身体を開いて打ち、ボールを引っ張る傾向が多くなります。

このフォームでは背骨と股関節が捻じれないため、

背中の反りが甘くなりインパクトの際にエネルギーを伝えきれません。

 

また重心が前に乗ることで、インパクトのポイントが一つになり、

直球や変化球への対応が難しく、ジャストミートができません。

これらのことが起きてくると、思うように打率が上がらず、飛距離も伸びない。

身体全身を使うのではなく、腕だけで打っているといってもよいでしょう。

 

飛距離を出すために腰だけで回転している選手を見かける。

また、指導者たちがそのように指導しているとお聞きすることもある。

無理な身体の使い方を繰り返すことにより、

ヘルニアやぎっくり腰を何回も繰り返す選手が多いのです。

 

従来のフォームでは本来の身体の構造に反しているため、

故障する選手が多く、結果が出せないということが分かりました。

 

では山田選手のバッティングフォームはどうでしょうか。

 

 

山田選手のバッティングフォーム

 

グリップが肩よりも高い位置にあり、右わきの空間が広い。

バットを支える両手は、ほどよく力が抜けているのがわかります。

大きく足をあげるがテイクバックは少なく、スウェーも最小限にとどめている。

 

トップからインパクトに持っていく際、

・頸椎が右回転

・背骨(胸椎)は左回転

・股関節は右左が締まる状態

を作りエネルギーが身体に蓄積している状態を作れています。

 

前足の膝が伸び、前足のつま先が上がることで、背骨をしならすことが出来ています。

そのため、トップ→インパクト→フォローの過程で、

頭が位置が動かず、正中線が常に一定に保てるのである。

 

この状態は左右の重心移動が限りなく少なくなります。

ここに背骨(胸椎)の回転の可動域が十分に確保されていれば、

バットの軌道が身体の後ろで大きくなり、

ボールを見る時間が長くなることでインパクトのポイントが増える。

したがって直球だけでなく、様々な変化球への対応も可能になってきます。

さらに背骨の回転スピードを上げることで、ボールの飛距離を伸びますことが可能なのです。

 

山田選手はこれらの運動を、スイングの中で取り入れられているのではないでしょうか。

打率もよく、本塁打も多い。

これらがトリプルスリーの秘訣と考えております。

 

何よりも私が山田選手のスイングを観察して感じたことは、背骨の回転の可動域があり、

回転スピードが速いことです。

 

 

究極のバッティングフォームはインパクトのポイントが多い

 

どのスポーツにも欠かせないことは左右の重心移動である。

野球でいうと、バッティングの際に、テイクバックからインパクト、

フォローの間で重心を移動させてバッドを振っている。

 

バッティングの中で重心移動の重要な役割とは何でしょうか?

 

・パワーを伝える

・インパクト時のポイントをたくさん作る

 

役割はこの2つです。

 

それでは従来のフォームと山田選手のフォームを、

この2点に絞って比べてみましょう。

 

▽従来のバッティングフォーム

①体重移動が後ろから前へ大きく動く

②重心が前に乗りすぎる

③頭が前に突っ込む体勢になる

④背中を反ることができず、エネルギーをボールに伝えられない

⑤インパクトのポイントが少ない

 

▽山田選手のバッティングフォーム

①テイクバックからインパクトまでの重心移動が最小限

②重心がフラットに保たれ、頭が前に出ないので、頚椎・胸椎・股関節が連動して動く

③インパクト後に、背中を反らしながら回転する

④回転スピードが上がり、無駄なくエネルギーを伝えることが可能

⑤無駄な重心移動がないため、ボールの当たるミートポイントが増える

 

 

山田選手から学んだ、背骨の使い方

 

従来のフォームは身体を開いて打つため、頚椎・胸椎・股関節に捻じれがありません。

背骨の可動域はほぼないといってもいいのではないでしょうか。

 

「腰を回転させているので、背骨も回転している」

そう思う方もいるのではないでしょうか。

しかし身体を125度回転する際に、腰(腰椎)の可動域は5度しかありません。

5度しか可動域がない腰を、無理やり回転させろと言われても回ることはありません。

 

したがって従来のフォームでは、背骨の回転の可動域が確保できないのである。

可動域がないので、回転スピードが上がらないのは当然である。

 

 

山田選手のスイングスピードは速い時は、150キロ前半になると言われています。

これだけのスイングスピードと正確性があれば、ヒットやホームランは量産されるでしょう。

その秘訣は背骨と股関節の回転がスムーズに行われていることである。

背骨の回転するスピードが速くなればなるほど、エネルギーが多くなり、

インパクトの際に十分なパワーが発揮されます。

背骨の回転の可動域が大きく、背骨をしならせることができるため、

ピッチャーが投げるボールに対して、コースや変化球に対して迅速に対応可能となるのです。

 

以上のことからこれらのことが推測できます。

 

「背骨の回転の可動域→コースや変化球への対応力」

「背骨の回転スピード→ボールの飛距離」

 

では、この二つを獲得するためには、どうしたらいいのでしょうか。

 

それは以下の3つ項目をクリアすることが必要である。

 

・肩甲骨・股関節の柔軟性の獲得

・姿勢の高さ(背骨の高さ)

・背骨と頸椎、股関節の連動性

 

これらを獲得することができれば、

山田選手に近いバッティングフォームを手にいれることができるでしょう。

打率も飛距離もぐんぐん伸びていくことが期待できます。

また、無理のない身体の使い方の中で動いていくため、

故障のリスクも軽減することが期待できます。

 

身体の構造を理解し、正しい方法でトレーニングを行えば、

故障もなく自由に身体も動いて、いま以上にスポーツを楽しめるのではないか、

そう思われている方が多いのが現状でしょう。

 

今からでも十分間に合います。

これから紹介する背骨回転ストレッチをおこなうことで、

理想のフォームに近づけていきましょう。

 

 

究極のバッティングフォームを作るトレーニング

 

 

 


 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野球やゴルフをしている方はこれらのストレッチをしていただくことで、

今からでも正しいスイングをインプットでき、結果を伸ばしながら、

スポーツを楽しめることができるであろう。

 

 

また、スポーツを観戦される方は、山田選手のフォームの分析を参考に、

他の選手たちがどのようなフォームなのか、

その動きは自然に動けているのか、不自然(無理な動き)なのか、

そう意識しながら見てみるのも、

新たな発見があり、面白いのではないでしょうか。