身体の重心を母指球に乗せる。その神話は本当にあってるの!? | 石川貴之/ゼロ・グラヴィティ理論 --- 爆発的にパフォーマンスを発揮する"7つ"の新法則

石川貴之/ゼロ・グラヴィティ理論 --- 爆発的にパフォーマンスを発揮する"7つ"の新法則

▼待望の著書 #ゼロ・グラヴィティ理論 が4月刊行▼過度なウエイトトレ不要の世界を目指し"7つ"の新法則を提供中。ストレッチ,トレーニング,スポーツ動作の指導が得意▼2019年北海道〜沖縄の全国で受講者数229人/3月現在▼株式会社カラダラボ代表取締役

1.柔軟性の向上だけでは運動パフォーマンスは向上しない

第1回の柔軟性の獲得から1ヵ月が経過し、2回目の訪問の時期が訪れた。

事前のお話ですと、前回の股関節の8つのストレッチを1ヵ月間毎日継続して行った結果、想像以上の柔軟性を得たようです。

ほぼ全員が立位で前屈すると手の平が床にベッタリつく。

こちらとしても嬉し限りです。

選手からの声を聞くと、下記のような声が聞こえたようです。

 ・次の日の疲労が軽減した


 ・腰痛が緩和した


 ・膝の痛みが緩和した

この3つだけでも取り組む意義ってありますよね。

これが日々積み重なっていくと、股関節のロックが外れ、椎間板ヘルニア・腰椎分離症・膝内側側副靭帯損傷・前十字靭帯断裂につながっていきますから、事前にそのリスクを回避しておくことが実現できているのです。

実際に故障してしまうとオペとリハビリ期間を含め、半年~9カ月の離脱期間が待ち受けております。

短い学生の部活動人生の中でこの離脱期間はもったいない。

それが、たった1日20分のストレッチで回避できるのです。

そして『最短で身体作りを行う7つの鍵』の1つ目の鍵であり、1万2千年以前の、身体の動かし方を獲得するための要員の1つになるのです。

しかし、運動は筋肉の伸長と収縮を繰り返す運動ですので、筋肉を伸ばすだけのストレッチでは故障の予防にしかならず、運動パフォーマンスの向上にはならない。

したがって、一つの鍵を開けただけでは、指導者の方が本来選手に求めてる動きは獲得できない。


※key word
 ・1カ月の継続で手の平が床にベッタリつく
 ・疲労、腰痛、膝痛が軽減
 ・柔軟性向上だけでは運動パフォーマンスは向上しない


2.立ち姿勢、人間は重心を何処に乗せるのが正解?

さて東海道新幹線を西に向かってます。

比較的、大殿筋や大腿四頭筋などの遅筋細胞が多く含まれている部位が発達している選手達。

それを表裏バランスよく鍛えていかなくては、運動パフォーマンスが向上しないばかりか、故障のリスクも高まってします。

次のテーマは『姿勢』である。

さて講義を始めよう。

「さぁ皆さん、今回のテーマは姿勢です。

では私に背を向けて立ってください。」

全員の立ち姿勢をチェックしながら、重心がどこに乗っているかチェックする。

「はい、ありがとうございます。

全員座ってください」

ホワイトボードに足の裏の絵図を書き①~④を表記。

 ①かかとの内側
 ②母指球(足の親指の付け根)
 ③小指球(足の小指の付け根)
 ④かかとの外側


「さて問題です。

皆さん、立っているとき①~④の何処に重心を乗せていますか?

もう一度立っていただいて、チェックしてみましょう。

読者の方も是非立ってチェックしてみましょう!

受講者が30人いた場合に割合としては下記が一般的でしょう。

 ①かかとの内側            5人
 ②母指球(足の親指の付け根)   23人
 ③小指球(足の小指の付け根)   1人
 ④かかとの外側            1人

読者の方は何番でしたか?

「正解は④です」

全員が「エーーーーーッ!!」と驚きの声。

「④に乗っていれば、前脛骨筋・ハムストリング・腸骨筋・脊柱起立筋を中心に身体を支えることができます。

しかし、一番多い②の母指球に重心を乗せると下腿三頭筋・ヒラメ筋・大腿四頭筋・大殿筋・腹筋を中心に身体を支えます。

前回の講義で、どちらの筋肉を使うことが大事と伝えましたか?」

口をそろえて前者と答える。

※key word
 ・母指球に重心を乗せることが多い
 ・前重心になりすぎている


3.運動パフォーマンスの高い選手は小指球を上手に使う

「その通りです。

例えばゴルフのスイングでトップからインパクトに行く際、右足の重心は④から③に移行することが必要です。

もし、②に乗っているようであれば重心移動の際に左足に乗り、スウェーしてしまい打球の方向が定まらない。

インパクトの時はベタ足で行うことが身体の構造上最適です。

韓国の女子プロは皆さんそうしてます。

野球のバッティング動作も同じことが言えます。

テイクバックからインパクトに切り替えると際に、右足の④から③に移行できるように重心移動を行えると、大腰筋の収縮がインパクトに伝わり飛距離が延びます。

バレーボールやバスケットボールでよく見るサイドステップも同様に、左に移動する場合右足の母指球で蹴るのではなく、右足の小指球で身体を左に押し出しながら股関節を回旋させる。

そうすることでシンスプリントへのリスクは激減します。」

首を縦に振りうなずきながら、全員一生懸命メモを取っている様子。

「では、皆さんシューズを脱いでみましょう。

シューズの靴底どこがすり減っているか確認してみましょう。

②番が一番すり減ってませんか?」

「ヒェーーー!!」という驚きの声が聞こえる。

「今の状態では②の母指球を使いすぎていることが良くわかるでしょう。

ですので、これからは外側に重心を乗せることをイメージして歩行やトレーニングを行いましょう。」

※key word
 ・動作は重心をかかとの外からから小指球へ
 ・シューズのすり減りをチェック


4.簡単に重心を後ろに乗せる方法

「では簡単に重視を④番に持って行く方法をお伝えします。

皆さん、裸足で立ってみてください。

今現在、②に乗っている方が多いです。

全ての足指を地面から離してください。

そうするとかかとの外側に強制的に重心が移動できます。」

全員が感覚をつかんでいるようです。

「では指を地面につけましょう」

アッ!!っと何人かが気が付く。

「はい、その通り。

指を地面につけると前重心になり状態が前かがみになります。

そうすると頭部の位置も前にいき、脳の重みが首・肩・腰に乗ってしまい、首こり・肩こり・腰痛になってしまうんですね。

脳が入っている頭部の重みを背骨のS字で分担するには、重心をかかとの外側に乗せなくてはならないのです。

運動の際はかかとの外側から小指球です。

絶対に母指球に重心を乗せて、立ち姿勢をとってはなりませんよ。

※key word
 ・足の指を上げると、かかとの外側に強制的に重心を乗せることができる
 ・前重心は首こり・肩こり・腰痛に
 ・母指球に重心をのせて立ち姿勢はタブー

 

 

 

{9081F393-22B5-49D1-9D1D-5D834C1B7CB6}


※バランスよく筋肉が使われてます