三輪外科についた。三輪外科はかかりつけ医。三輪先生が白衣を羽織っただけのスタイルでボクを待っていてくれていた。

診察を受けたのちレントゲン撮影をした。撮影後しばらく廊下の長椅子に座り先生から呼ばれるのを待つ。待っている間に右ヒザを眺めていたが、さらに太くそして熱を帯びてる感じがした。

「直野くん入ってきてー」

先生がボクを呼んだ。足を引きずりながら診察室へ移動し、先生の前の丸椅子にすわった。

先生いわくレントゲン写真に映る脚の骨に異常は見られないが、右ヒザの下あたりで大量の内出血があると指摘した。

先生は立ち上がり診察室を出ていった。すぐに戻ってきた先生の手には、これまで見たこともないようなとても太い注射器があった。そしてその注射器で何をするかはすぐに察しがついた。ボクのヒザから血を抜くのだ。

ボクは診察室のベッドに横になり、血を抜く作業が始まった。正確な量はわからないが、その太い注射器で2本分の血を抜くことになった。処置を終え、松葉杖を借りたボクは、三輪先生にお礼を述べて、原先生と共に自宅へ戻った。そしてこの日は勉強を休ませてもらうことにして安静に過ごした。


次の日から学校へは松葉杖で通うことになった。治るまでは体育の授業はすべて休むしかない。せっかく心を入れ替えて受験勉強を始めたボクには非常につらい現実だった。なぜなら授業を受けることができない科目がひとつでもあるということは、ただでさえ合格する見込みの低い高校受験に不利に働くとしか思えないからだ。

ボクはとにかく早く痛みが消えて欲しいと願うだけ。結局、足の痛みが消えるまでに1ヶ月もかかってしまった。


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