ふるさとりの寝不足ブログ~別館~ -31ページ目

ふるさとりの寝不足ブログ~別館~

ふるさとりの寝不足ブログの別館です。
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ここでは漫画・本・映画について詳しくレビューしていきたいと思っています。

サッサッ
「ゴホッ……うわぁ……すごい埃ですねぇ……」
「ほんとだ……普段掃除していても溜まるもんなんだね……」
年末になり僕と椛はこの家に感謝を込めて大掃除をしていた。先ほど天井の溝などの掃除が終わり今は箪笥の裏などを掃除している
「椛、はりみ持ってて。こっちから掃くから」
「分かりました。私にかけないでくださいよ?」
サッサッサッ
「ゴホッ……ゴホ……わざと掛けてませんか!?」
と僕の箒ではいた埃は七割くらい椛に掛かってしまう
「あっ!ごめんごめん」
「もう私がやります!箒を貸してください!」
と椛に箒を奪われる。しょうがないので今度は僕がはりまを持つ
「いいですか?こう掃くんですよ」
サッサッサッ……
と椛がお手本を見せてくれる。僕の履き方とは大違いで手馴れている。流石、この家で何年も掃除してきた彼女である。箪笥の裏の埃がはりまにどんどん吸い込まれていく感じがする
「……えいっ」
「ワプっ!?」
と感心してみていると、突然椛が箒を勢い良く履いて僕の顔に埃を掛けてきた
「ゲホゲホッゴホッ何するんだよ!」
と講義すると椛はイタズラっぽく笑い、「さっきの仕返しですよ」
と言った

「寝室はこんなもんですかね……」
「うん。なかなか綺麗になったんじゃない?」
と僕と椛は満足気に頷く。もうお昼時に差し掛かっていたので昼食にした
「ふぅ……掃除ってこんなにも大変なんだね……」
と右腕を回しながら答える。箪笥を持った時には腰に響いた
「……」
と椛は僕をジッと見ている
「どうしたの?何か付いている?」
「それはもちろん埃だらけですよ」
と椛。すると、今朝作った握り飯を手の中でコロコロ回しながら彼女は言った
「今年も色んな事がありましたね。妖怪退治も草樹さんが手伝ってくれるおかげで楽に進みましたし、負担も軽くなりましたし」
「うーん……僕そんなに手伝ってない気がする」
「そんなことないですよ。貴方が来てくれたおかげで私も気持ちが軽くなりました」
……その時僕は椛とあった日のことを思い出していた

回想へ 続く……かも
(身勝手な管理人を許してください)
赤い空が青くなり、気温が少しずつ下がっていく気がした
僕と椛は肩を並べて夜の獣道を歩いていった
「紅吊が言っていたこと気になる?」
と僕は椛に聞いた。椛は少しキョトンとしていたが思案顔になって答える
「西の揉め事ですから、ここの地に影響はないと思いますよ」
と椛は答えた。西の地では何が起きているのかまでは紅吊は教えてくれなかった。それは時間の都合上仕方なかったに違いないが……
「気になるなぁ……」

紅吊はそのころとある洞窟の前にいた。その中は地獄につながっていると言う
「ここか……勇儀様がいる場所は……」
夜は深くなっており、妖怪の気配も強く感じられる
「……行くか」
と紅吊は洞窟……地霊殿の入口に入ったのであった
洞窟の中は暖かいと聞いていたが外の気温と変わらない。中にどんどん入っていくに連れて連れて気温が低くなっていく
おかしいと思った紅吊だったがそんなのは気にせず奥に入っていく。少し開けた場所に出た。そこの光景を見た紅吊は目を見開く
「これは……」

鬼の身長は一間ぐらいの高さでありかなり目立つ。皮膚は赤色の平均的な鬼である
「ん?そちらにいるのは誰だ?」
と僕らの気配に気づいたらしい鬼が僕らのいる方向に声を掛けてきた
「……」
「大丈夫だ。あっしは危害を加えたりはしねぇよ」
それは本当らしく殺気だってないことから伺える。鬼の姿を見る。たくましい胸板が顕になっており二本の角の上に手拭いを載せている。その姿で闘うというのはありえないだろう
僕は移動し、鬼がこちらが見える所まで移動する
「こんにちは。そちらも温泉に浸かりに来たんですか?」
と挨拶をする。
「ま、そんなところだ。お前さん達もこの寒さに耐えかねてここに来たんだろう?」
「そうですね。いやぁ急に寒くなったので炭や薪の用意をしてなかったんですよ」
「ほう……ここに住んでいるんか。二年前ここに来たときは狗が湯に浸かってたんだがその子は……あぁそこか」
椛は首から下を湯につけたまま僕の隣に移動する
「椛さん久しぶりですねぇ。お元気そうで」
「こちらこそお久しぶりです。旅はどうですか?」
椛はこの鬼と面識があるらしい。
「ま、ボチボチってとこですかな……コイツはここの新しい住人?」
と鬼が僕に指を指してきたので、椛が答える
「草樹さんです。つい半月前婚姻したばかりです」
と椛は笑顔で僕に促す。僕は頭をさげ、「草樹です。よろしくお願いします」と返事をする
「へぇ……あっしの名前は紅吊(べにつり)。今後ともよろしく」
と鬼の紅吊はそう挨拶をした

紅吊は旅をしているらしく、つい最近まで西方を旅していたそうだ。西方から帰ってきた紅吊は旅の疲れと冷たくなった体を癒すためにここに来たそうだ。僕らが持ってきた酒を紅吊と一緒に飲み。談笑を交わした。夕暮れも赤と青が混ざってきた所で僕らは温泉から出た。紅吊はその後妖怪の山のどこかにある洞窟を目指していった。別れ際に紅吊は
「最近西方の方で揉め事があるらしいから注意した方がいいぞ」
と注意をして去っていった

ちょっと続く
「草樹さーん」
と椛が大声で僕を呼ぶ声が聞こえた。振り返ると椛がタッタッタと走りよってきていた
「どうしたの?」
と今やっていた作業を中断し、椛の方を向く。汗を拭いながら椛の話を聞くことにする。今月に入ってから今までの寒さなど比ではないくらいの寒さに見舞われてしまい、急遽薪を作っていたところだった
「間欠泉が吹き出したようですよ!今日はそこに入りましょう!」
と椛はウキウキしながら言う。間欠泉……つまるところ温泉だ。間欠泉はたまに地底から贈り物のように間欠泉が吹き出し妖怪の山の者たちを温めてくれる
「……そこは大丈夫なの?悪霊とかいない?」
と聞くのも数年前の異変の時、間欠泉から大量の悪霊が出てきたので妖怪の山の者たちは注意を払っている
「大丈夫です。さっき私が調べてきましたから」
と椛はドンと胸を叩きながら答える
「じゃ、今日はそこに行こうか。距離はどれくらい?」
「ここから一里くらいですね」
と椛が答える。一里か……ちょうど良い距離なので薪割りが終わったら行くことに決定した

ザブリと湯に入る。少し熱い気もするが気持ち良い
「あ~暖かい……」
空は美しい赤色、自分の好きな酒、美女……温泉にはこれだけあれば十分である
「そうですねぇ……」
と美女(椛)が空を眺めながら頷く。白い髪が夕日に照らされ、美しく光っている。その姿は幻想的で、触れるとすぐ壊れてしまいそうだった。そんな考えを振り切るように酒を呑む
「椛もどう?おいしいよ」
酒をすすめると椛は首を横に振り「のぼせちゃいますから……」と断った
ふとジャボンと大きな音が聞こえた。どうやら他の妖怪も入ってきたらしい
僕と椛は顔を見合わせる。さっきまで気配を感じなかった。きっと温泉に混じってる硫黄の匂いが鼻を効きにくくしたんだろう。僕は身構える。危険な妖怪だったら逃げなくては行けない
「……あの~」
と姿を表したのは鬼だった

続く
秋が過ぎ去りかけている今日この頃。幻想郷は今日も平和で寒い。もう、夜になると吐いた息が白くなる。この分だと昼に息が白くなるのももう少しだろう。冬と言えば白いものでいっぱいになる。雪、餅、息……その中でも僕は雪が好きである。あの美しい雪の中、草鞋を履いて走り回れると来たらこの上ない喜びであり……
ところで白と言えば椛の毛も白色で美しいのだが……
「椛~……髪伸びすぎじゃない……?」
秋の頃あたりから気になっていたのだが、それにしても長い。椛の髪は肩から下へ垂れ下がっており、それを椛は後ろでまとめている
「そうですか~?冬は寒いのでこれくらいが暖かいのですが……」
と椛はもふもふと自分の髪の毛を触っている
「これじゃ木に引っかかるよ……」
「大丈夫ですよ~早く走れば引っかかりませんって」
そうなのだろうか……よく見なかったが所々の木に白い数本の糸が木に絡まっていた木がする
「じゃあ、木から落なかったらなんで着物が土だらけなの?」
と聞くと椛はしまった!と言う顔をする……これで十中八九だ
「お願いだから椛、危ないし、髪の毛引っかかったら痛そうだし、着物洗うの大変だし……もし何かあったら嫌だし……」
と自分らしくなく駄々をこねる。すると椛は難しい顔をする
「うーん……そこまで言うんでしたら切ります……」
と椛は難しい顔からすこし悲しそうな顔になる
「いや、無理だったら切らなくていいんけど……」
「いえ、切らせていただきます……」

警備に出て、紆余曲折あって、河原でにことと喋って、今朝のことを話題にすると
「ばっかだなぁー……」
と河童のにことは呆れた顔を向ける
「なんでだよ~、木に引っかかったら、危ないじゃん……」
と反論するとにことは大きなため息をつく
「いいかい、そんなの椛ちゃんも百の承知なの!女の子のオシャレ……おめかしに口を出していいのは褒めるときだけ!それ以外はダメ!」
「そういうもんなの……?」
「そういうもんなの!」
とにことに怒られてしまった……今度から気を付けよう……と思う僕だった

家に帰り、夕飯を作る。里では女子供が家事を全てやるらしいが僕達は違う。ご飯作りも、洗濯も、掃除もやるし、もし……子供が出来たら子育ても一緒にやると思う……。もちろん毎日ではないが分担してやってるのは事実だ
「ただいま~」
と椛が帰ってきた
「お帰り~!」
と僕は椛に向かいながら言う。僕はその時気づく。椛の髪が僅かに短くなっているのに
「それなら引っかからなそうだね」
と僕は言うと椛は薄く笑う。そう言えばにことの助言があったのでそれを思い出し口に出す
「やっぱり、長く伸ばしてるよりちょっと手入れしたほうが断然可愛いよ」
とにこやかに言って見せる
「……っ!」
と椛はびっくりした顔で僕を見る。あれ……僕変な事言ったかなぁ……
「あっ、ありがとうございます!」
と嬉しそうな声でお礼をしたのだ
(あれ……これで良かったのかな……)
秋の空と女心。とおもった日であった

ちょっと続く