【はっとの勝手に名画鑑賞会】

488回「八月の狂詩曲」(1991


1991年公開、黒澤明監督作品、

「八月の狂詩曲」を観ました。



黒澤明監督作品は前回でコンプリートしましたが、この作品を観たのは30年以上前なんで、

ちょっと気になって再鑑賞してみました♪


村田喜代子の「鍋の中」が原作で、長崎の原爆をテーマにした作品なんですね。

原作者は、あまりこの映画に納得がいってないみたいです。


傑作ってわけではないですが、とても大事なことを伝えようとしている作品であり、さりげなく黒澤テイストを随所に散りばめながら、その

大事なテーマを観るものの心にいつのまにか刻んでいく手法が取られています。


晩年の黒澤作品はみんなそうですね。いわゆる遺言的な意味合いが強いのかもしれません。


昭和後期から平成、令和と、いつのまにか

日本映画の中で最重要とも言える俳優になって

しまった、「北の国から」の純くんこと吉岡秀隆や「親子ジグザグ」の伊崎充則、「うちの子にかぎって」の鈴木美恵、「1999年の夏休み」の大寶智子など、いわゆる当時の名子役総がかりで物語を支えています。


そして主役が戦前から活躍するベテラン女優の

村瀬幸子。

当時、なぜこの人が!?っと結構話題になった

記憶があります。


さらに、なんと!あのリチャード・ギアが出演しています。


黒澤作品にリチャード・ギアがどんな感じで

出演するんだろう?と気になって、映画館に足を運んだ人も多いでしょうね。

実はこの役は元々ジーン・ハックマンがやるはずだったみたいですが、体調不良で断念したそうです。


核を扱った作品では、過去に「生きものの記録」で黒澤は興行的に大失敗しているので、

集客できるお膳立てをしっかりした上で、

この作品を撮り上げたのは、リベンジを果たしたと言っても良いのかもしれません。


結局、こういう作品こそ、多くの方々に観て

貰わなきゃ意味がないですからね。

そんな志に盟友、本多猪四郎も全面協力して

います。


原爆の恐怖を伝える入り口として最適な作品で

あると思うので、これから夏休みを迎える多くの子ども達に観てほしい作品ですね♪


【人生はまるでロード・ムービー、

次回も一緒に過去に置き忘れた

宝物を探しに行く旅に出ませんか?】


それでは、また(^_−)−☆