あまり書かなかった、発達障害の子供の人間関係です。


これに関しては、障害の特徴によって人間関係の特色と言うか、陥りがちな傾向がばっちりあります。そして、それを自分の子供、相手の子供の両方にとって友好的で快適なものにしていくのは、とても難しい課題です。親が子供の友達関係に口を出す、ということがまず不可能です。できるのは、「お友達と付き合うときに大切な事、マナー」というものを、子供自身に教えていかないといけません。相手の子供については、何一つできることもありませんし、子供の間に大人が入ることもまずありません。



自分の子供と親族の子供の、代表的で典型的な問題と、その後どうしたか、ということを箇条書きしようと思います。



私が一番苦労した子は、快楽に弱い楽しいこと大好きな、多動の息子です。この子には大学に入る直前まで、人との関係性について取り組む必要性がありました。幼稚園時代からお友達の選び方に偏りがあり、


楽しいことをがんがんやれる子(ふざけられる子、一緒に悪さをできる子)

人を簡単に裏切ったり、だましたりできる子(お互いに、まずい状態になったら切り合える関係)

真面目な子は嫌い、苦手

門限がない子、親のお金を好きに持ち出せる子、いつも暇をしている子



このような感じで、連れのグループが決まってしまいます。悪行が大好きな快楽追求型のグループはいつも問題を起こしています。その悪行に関していくら家で言い聞かせようとも焼け石に水ですが、焼け石に水とわかっていてもやらねばなりません。親が見ている範囲での悪行には鉄拳を振るいますし、外で学校や迷惑をかけた方々には頭を下げて回ります。衝動と快楽に弱く止められない性質であるからこそ、誰かがストッパーにならないと嬉々としてしたい放題します。よそのご家庭がお金や時間にゆるいからといって、我が家がゆるい方に合わせる方針ではない、ということを示します。不満があろうと、そこは譲れません。家長から学校へ行くことを禁止され、自宅で学習と農作業をするという謹慎を言い渡されることも多々あります。


小学校の頃がピークでした。中学では周りの子供が落ち着いていきますので、幼稚なふざける態度は軽蔑されますし、悪行は停学にもなりますし、小学校時代に教えられた善悪というものを社会でも処罰される中でやっと実感していった感じです。そこまでが長く一苦労でした。そしてやはり、祖父や父親の存在は大きく、指導するにあたって一番影響を及ぼしたのではないでしょうか。男気というのは発達障害の子にも通じます。一本気であることも通じます。「周囲は落ち着いてきた。とたんに、自分に自信がなくなってきた。この戸惑いをどうしたらいいのだろう」という思春期に差し掛かった時に、祖父や父親、叔父さん方というのは目の前でつぶさに見ることができる見本です。


仕事につきあわせたり、休日は男だけで釣りにでかけたり、山に泊りがけで登ったりと、男だけで活動することが増えてきたと同時に、息子の態度も落ち着きました。日常的なおふざけや悪さは、暇な小学校時代は楽しい物であったけれど、勉強、勉強という毎日になる中学、高校となれば友人たちも進学がかかっているので塾へ行き、忙しくなります。(田舎は進学先が限定されていて、費用のかかる都会に出る必要があるので国公立狙いの子が大半を占めます)その中で、勉強は最低限の興味しかない子にとっては進路に迷いが出ます。その時に男親の考え方を聞き、どう社会で生きていくかを聞き、男親達が取った進路を参考に、自分も考えていくようになります。


多動型の男の子のすごいところは、追い込みがきくところだろうと思います。特にADHDの子達は、成長するにしたがって本領発揮する部分があります。勢いと集中力と、頭の回転の速さと言う特徴をいい方に発揮することができるようになります。自分の興味さえはっきりすればそこに過剰にこだわり集中するという点が良い方へ働くのです(逆に言うと、興味を持たないと行き当たりばったりに適当にやります)。


この子は受験までもう残りあと数か月、というときに猛勉強し、そこそこの国公立へ入学しました。環境とは恐ろしい物で、マイペースで学問を追求することを好むグループがその大学の特徴でしたから、空手というサークル活動と、学問をそれはもう猛烈に楽しんだようで、あっという間の4年間だったと言いながら、家には盆暮れ正月に精悍な男前の友人たちを連れて戻り、山や海で過ごし、男親達とも何かと車を出してアウトドアを楽しんでいました。就職は都心で決めてそれ以来、独立独歩です。幼少期、児童期が大変だった分、青年期からの成長と自立は早かったです。



このタイプの子達の昔を思い出すと、その頃の疲弊した気持ちがふつふつと蘇ってくるので、あまり書きたいトピックではありません。ですが今を見るのはとても楽しい物です。



次は、一人にターゲットを絞ってしまう「こだわり型」について書いてみようと思います。




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