一族の中でも、「最強だな」と評判のニートがいます。


正確には、「ニートだった」ですが。


その彼のエピソードをひとつ。



彼は小学校の3年生から早くも、不登校ぎみで


行ったり行かなかったりしていたのが


中学は完全不登校。



一族の中では、


「勉強は絶対やれ」


「家にいるなら農業を手伝え」というルールがあります。


ルールと言えばかわいいが、絶対的な決め事、原則なのでやぶれない。


もし破れば、家族どころか親族中がおしかけてくるでしょう。


無責任な人間は、一族の中では許されないので。


働かざる者(勉強しない者)食うべからず、ですわ。




なので、勉強は兄弟の教科書を使って独学。(主に夕食後から)


昼は、大人にまじって普通に農業で労働。


手伝いではなく、大人と同じ仕事をするんですよ。当たり前です。



そんなこんなで、高校は通信制へ。


はやばやと、高校卒業資格を取れる試験をうけて(旧大検ですね)


高校2年の年齢で全科目合格し、大学受験資格をゲット。



高校なんて行かなくても、一人で勉強してても


やることは同じ=教科書を覚えるだけ って考え方で


躊躇もなにもありませんでした。



なにしろ、人づきあいがうざい、めんどう、合わない、


という感じなので。


(一族にとっての彼は、個性ある面白いいい子です)



そして大学ですが、ストレートで国立大学へ受かりました。


中古で買った過去問の赤本を、ひたすら解いていただけだそうで。


それで、一発合格。



大学は楽しいそうですよ。


なにしろ、似たようなタイプが多い、それが最高、とのことで。


「自分の好きな事をメインにやりたい」


「人づきあいはついでならいいが、メインじゃ困る」


という、人間は苦手だけど学問が得意、というタイプばかり。



で、卒業後の進路はどうするか、というと


これは親族の中で、彼にそっくりの叔父と同じ路線を行くそうです。


この叔父も、一族の中では変わり者なのですが、出世頭の一人です。


また後日、記事にします。


そして、たぶん叔父路線で就職というのは大丈夫。


なにしろ、暗記するという得意技でパスできそうなので


一発合格かな~と。



本人いわく、


「頭がいいのではなく、一人で勉強したから集中できた。


(学校じゃ気が散って、イライラするし、おちついていられない)


その結果、効率のよい受験準備ができただけ。


他の高校生が体育や音楽をして退屈さで疲れている中


自分は農作業で体を動かして、頭が冴えわたった状態で


一気に勉強。頭にどんどん勉強したことが入ってくる好循環。」


ということで。



それを聞いた一族は、みな彼を


一族の中で最強のニート」認定をしました。



わが一族は、独特の路線を行く人間が多いです。


最終的に生きて食っていければいい、というのが目標なので


途中の過程はどうでもいい んですよ。



変わった人間が多いので、まともな普通路線が合わない。


それが「当たり前の前提」で育っているので


普通の小中学生がやらないような農業という仕事をしたりと


重労働な側面はありますが、


一族の一員でいるかぎり、気は楽です。






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