これまでに書いたかどうか記憶が定かではありませんが(多分書いていないと思います)、自分は、長男の高校のPTAで「副会長」をしています。


 入学後、最初は「広報委員会」の「副委員長」でしたが、「委員長」の体調不良のため、一年生の二学期から「委員長」になり、二年生に上がる時に、当時の会長から「次の副会長をやってくれないか」と言われ、現在に至ります。
 「会長」になってしまうと、PTA連合会の行事などが週末に入ることが多く、長男の部活動の「大会」などとぶつかる可能性が高いこともあって(二年生の時点で気が付いたので)固辞しました。

 中学校までは、PTAについては否定的な立場を採っていました。
 完全否定をする訳ではありませんが、やりたい人だけでやればいい(この考え方はPTA副会長になった今でも変わっていません)と思っていて、「引き受ける人がいなければ『くじ』で決めます」なんてのは言語道断だと考えています。
 やる気のない人を集めて、無理矢理に活動をするような組織なら、解散してしまえばいい、とさえ思うのです。

 そんなことで、中学校までは一切関わることはありませんでしたが、PTAに入会しない、という選択をした訳ではないので、会費は払っていました。少なくとも「やりたくてやっている人の邪魔をするつもりはない」からです。

 でも、小学校の高学年になったある年度末になって、当時の「会長」から電話が掛かってきました。
 内容は、「次年度の役員を引き受けてくれる人を募集する『推薦委員』をやってくれ」というものでした。

 それまで、小学校の「学級懇談会」などは、勤務先と学校の位置関係もあったのですが、妻ではなく、全て自分が出席していました。
 6年間それを続けましたが、一度として自分の他に「父親」が参加しているのを見たことがありません。不思議です。「父子家庭」だってあるだろうし、「祖母」が来ている家もあるのだから「祖父」が来るケースだってあっていいだろうに、先生も女性が多い(高学年の時期は、校長も副校長も女性でした)ので、学年で集まると百人近い中で「男性」が自分だけ、という状況が幾度となくありました。

 最初からそういうつもりだった訳ではないのですが、このような「状況」だと、「あの家庭は何か事情(ワケ)ありらしい」と勝手に勘繰ってくれるようです。

 

 今回、PTAについて書くので何かイラストを……と「いらすとや」さんから画像をダウンロードさせていただきましたが、「会議をする人(PTA)」としては、女性版しかなかったです(驚)!!

 自分がPTAに関わるようになり、自校だけではなく他校のPTAとのつながりもできて、活動が活発な学校を見てみると「お父さん比率」が高いところが多いのです。もちろん男性が優れているという訳ではなく、男女双方の「強味」を共有することで実現しているのだろうと思います。
 

 PTAの役員や委員に手を挙げなかったのは、既に「放課後児童クラブ」の父母会で「役員」をずっとやっていたことが大きいです。
 これが同じ学区内の放課後児童クラブならば、まだ余地があったでしょう。
 しかし、小学校に入学する時に、学区内のクラブが定員を大幅に超える(2倍超)という状況になり、面接をするから、と連れて行ったら、長男が建物に入ることを何故か拒否して、諦めました。そのままだったら、退職という選択をしていたかも知れません。正直その頃は、かなり仕事に疲れてしまっていて、メンタル的にも辛い時期でした。
 それを、隣の小学校の学区のクラブが引き受けてくれることになったため、子供達は路線バスで通うようになり、勤務先からはそのクラブが近かったこともあって、どうにかなっていたのです。
 ですが、違う小学校が拠点になりますので、そこ(の役員等)を「掛け持ち」するだけの余裕は、さすがにありませんでした。

 そんな状況でしたので、PTA会長からの推薦委員就任依頼もお断りしようと思いましたが、しつこく食い下がられます。
 常々、学級懇談会などでも「やる人がいなかったら、無理にやる(活動する)必要はないんじゃないですか」と言っていたこともあって、会長に「目を付けられていた」らしいことを後から人づてに聞きました。
 最後はとうとう耐えかねて「どうしてもやれ、というなら『会長』をやります。会長になって、PTAの『解散』を主導します」と宣言したら、二度と声が掛からなくなりました。

 そんなことがあったからなのかどうなのか、中学校でも一度も声は掛かりませんでした。中学校も、子供達が通った小学校から進学する生徒が約4割を占めていますので、恐らく「やりたくてPTAの役員をやっている」お母さんたちが、続けてやっていたのでしょう。
 尤も、中学校時代は、新型コロナウイルス感染症の影響で、ことごとく行事という行事が中止や縮小されましたので、PTA活動自体も、ほぼなかったのかも知れません。

 小学校時代の話ですが、学級懇談会がとても慌ただしかったことを憶えています。
 内容が、ではなく、自分自身が、です。
 「長女のクラス」「長男の特別支援学級」そして「長男の副学籍学級(交流級)」の三つをハシゴすることになります。普通の「きょうだい」のように学年が違えば、まだ(日時などが分散するので)いいのですが、双子ですので全てが同じ時間帯に設定されてしまいます。

 特別支援学級も、PTA的には「全学年を一括りにして一学級」という認識にされているらしく、「学年委員」は特別支援学級から一人出すことになっていました。
 引き受けてくれたお母さんの話によれば「出席はするけど、完全に『お客さん』扱い」されていたらしく、ますますPTA活動の意義……というか、もはやこれでは「意味」がわかりません。

 くどいようですが、自分は決して「PTA廃止論者」ではありません。
 しかし「厭々やるくらいならやめてしまえ」と思っています。

 あればあったで、その存在意義はあると思いますが、なければならないものではない、と思います。自発的な活動という「前提」の仕組みなのだから、あくまでも自由意思に基づくべきものでしょう。
 これが必須なのだとしたら、少なくとも「義務教育期間については教育行政の一環としてきちんと措置すべきもの」だと思います。それを「保護者や教職員の自由意思」というものに押し付けているから、こうなってしまうのです。

 ですが中学校を卒業するに当たって、そこまでずっと(9年間)特別支援学級に在籍し、普通の「授業」や「試験」を副学籍学級で受ける機会がほとんどなかった長男が、最終的に進学先として選んだ公立高校での生活に馴染めるか、は大きな課題でした。
 仕事的にも落ち着き、子供達も日常生活ではある程度、もう手も掛からなくなってきてはいたので、「学校」との「接点」を持っておこうと思い、長男の高校のPTAに「広報委員」として参加してみることにしました。
 その結果が、副委員長から委員長、副会長と「出世」?して(会社では全く出世しませんが)、危うく?会長になりかけるような事態になろうとは。勿論、小学校の時のように、会長になったからといって「解散」させようなどとは思いませんが。

 高等学校は義務教育ではないからなのかどうかは定かではありませんが、高等学校のPTAも比較的「やりたいことをやる」精神が根付いている気がします。
 ですが、中学校まで(特に小学校)のPTA活動の負担が大きいためか、そのイメージで見てしまう保護者が多いようで、なり手が少ないのは、どこの高校でも同じようです。
 また、義務教育ではないがために、せっかく保護者が腰を上げてPTA活動に加わってくれても、肝腎の生徒本人が転退学などで高校を辞めてしまうケースも時々あります。長男の高校のように、中学校までに「課題」を抱えた生徒が少なくないような学校では、よくあることかも知れません。

 ですが、だからこそ、保護者同士の「つながり」の場でもあることの重要性も見えてきます。
 中学校までは、学級懇談会などのような機会も多く、公立学校の場合は保護者同士も「近所」だったりするので、接点が多いのですが、高校になるとそうではなくなります。
 三者面談などはありますが、子供の同級生の親がどんな人かを知る機会もほとんどありません。

 中学校までの義務教育期間は、私立などに通うような例外を除き、原則として居住地つまり「日常生活をする地域」によって通学校が決まります。
 しかし、高等学校以上になると、本人の進路希望や成績、性格・性向(これによって校風と「合う・合わない」が起こり得ます)、やりたいこと(部活動など)、といった要素によって進学先を決めることになります。
 勿論、物理的に「継続して通学することができる」範囲に居住してはいるでしょうが(学校によっては「下宿」や「寮住まい」の可能性もありますが)、親同士が顔を合わせる機会は、かなり少なくなると言えるでしょう。
 長男の高校のように、課題を抱えた生徒が多い学校だと、同じような境遇にある保護者から得られる情報は、意外に役に立つことが多いと思います。少なくとも、長男の高校のPTAは、そういう場としても活用されていると感じます。

 長男の高校のPTAは、文化祭などの学校行事を除いて、原則として「平日」の活動になります。
 これはこれで負担感があるのですが、学校の先生達の負担を考えると、致し方ない部分ではあります。
 その代わり、活動の「効率化」を図って、学校に行かなければならない機会をなるべく少なくしています。

 定例の「運営委員会」(本部役員と各委員会の正副委員長)こそ、毎月一回開催しますが、オンライン参加もできるようにしています。ただし、あまり使う人がいません。
 実は、これ以外の各委員会の会合も、極力少なくして、行事前などに限定している委員会がほとんどです。自分がいた広報委員会など、年に三回しかやりません(笑)。
 ちょっとした連絡調整は「LINE」などで済ませてしまいますし、「オンラインストレージ」で資料を共有・管理することで、学校に行かなくても、場所や時間を問わず作業ができますし、過去の資料などを探すのも簡単です。先生達との資料のやり取りも、このオンラインストレージ経由でできます。
 毎月の運営委員会も、予めレジュメをオンラインストレージに上げて、役員や各委員会が必要事項を追記し、本番前に議題などを確認できるので、各参加者が事前に考えをまとめることができ、会議自体がスムーズに進みます。

 この取組は、先々代の会長が構築して、校長にも「教職員が学校の業務用パソコンからオンラインストレージにアクセスする」こと(不正アクセスや情報漏洩などのリスク対応も必要になる)への了解を取り付け、現在に至ります。
 現在では、自分が比較的このようなICTの知識を持っているので、管理面では引き継いでいるのですが、後継者がなかなか見つからないのが課題です。


 また、この取組によって教育委員会から表彰されたりもしています。

 この表彰式に参加していたPTAの代表者の男女比が、世間一般的なPTAのイメージからは乖離していて、7割くらいが男性(おそらく父親)という状況でした。これも前述したように「男性(父親等)の参加が多いPTAの活動は活発になる」のとリンクしている気がします.

 ちなみに、長女の高校では、PTA総会を土曜日に開催しています。

 土日を中心に活動するPTAも少なからずありますし、隔月で「平日」と「土日」を切り替えている高校もあるようです。
 先生の負担的にはどうなんだろうか、と思ったのですが、部活動が盛んな高校の場合は「どうせ部活で学校に来ていることが多いから」という先生が「部活の合間」で対応してくれているのではないかと。
 その点、長男の高校では、部活動はあるものの、参加する生徒がかなり少ないです。そのため、土日に学校で、という部は、あまりありません。
 長男のいるボウリング部も、練習は平日の夕方、しかも区内とはいえ学校からは離れた場所にある一般のボウリング場ですし、土日の活動は「大会」がある時くらいです(当然学校にも寄りません)。従って、いわゆる「部室」もないと思います(少子化で「空き教室」はいっぱいあるので、作ろうと思えば場所はありますが)。

 長女の高校のPTA総会は、せっかく土曜日にやる、と言ってくれているので、「委任状」で済ませずに、実際に出席してみたりもしました。
 予算・決算書に変なところがあったので、質問したりもしてみましたが、特にPTAに勧誘されることもありませんでした。されても「(双子の)長男の高校でPTA役員やっているので」と断っていただろうとは思いますが。
 土曜日に総会を設定するくらいなので、長女の高校のPTA役員には、男性も多かったです。こういう取組も必要なのだろうと思います。


 くどいようですが男性、女性のどちらがPTAに向いているか、ということはないと思っています。

 前述したとおり、双方の視点を「いいとこ取り」すべきだと考えているので、女性ばかりのPTAだとうまくいかなくなることも起きがちなのではないかと。女性がダメなのではなく、あまり「男性ばかりのPTA」というものを見たことがない(それはそれで頓挫してしまいそうと思う)からです。
 その観点からは、いわゆる「親父の会」的なものの必要性が浮上するのでしょうが、これまでそのようなものがある学校とは無縁です。感覚的に近いな、と思うのは、小学校時代の放課後児童クラブの「父母会」(勿論母親も少なくなかったですが)かな、と思います。

 PTAとは異なりますが、「部活動」も一つのポイントかも知れません。
 長男の高校では、長男も「みんなアルバイトばかりやって、部活やろう、って人が少ない」とこぼしているくらい「帰宅部」が最大派閥です。
 しかし、部活動がそれなり以上に盛んな高校であれば、同じ部活動をしている生徒の保護者との「接点」は生まれるかも知れません。

 長男のボウリング部では、部員が極端に少なくなってしまったので、当然保護者も少ないのですが、大会の会場ではお会いする機会があります。
 尤も、どちらかと言うと「他校の選手の保護者」との接点のほうが多い気もしますが。

 新年度になって、ボウリング部にも新入部員が入ったようなのですが、新人が参加する「大会」は夏休みまでないので、それ以降になるかな、とは思います。