小学校に進学するに当たって、教育委員会の「特別支援教育総合相談センター」(だったかな?)に行くことになりました。

 特別支援学校(かつての「養護学校」等)や、地域の小学校に設置されている「特別支援学級(個別支援学級とも)」(かつての「特殊学級」等)に通ったり、あるいは、地域の小学校の一般学級(普通級とも)に通いながら、定期的に「拠点校」に設置された「通級指導教室」にも通うには、とりあえず、この相談センターで「決定」を受ける必要があります。


 この「予約」もなかなか大変で、半年前くらいから手配しないと間に合わなくなってしまいます。

 特別支援学校までは考えませんでしたが、特別支援学級ないし通級のどちらかにしないと、学校生活は難しいと思っていました。


 特別支援学級は、筆者のエリアでは、全ての公立小学校に設置されていますが、だからと言って、校長に「入れてくれ」と言って「はいどうぞ」となるものでもないのです。



 通級教室は、それこそ20校に1つくらいしかなく、それも相当に在籍児童数が急増していてパンク状態。それに、本来の在籍校から通級教室のある学校まで、自力で往復しなければなりません。大抵の場合は、それに合わせて、保護者が付いて行くらしい。
 たまたま、最寄りの通級教室所在校は、隣の学区。大人の足なら20分足らずで着きますが、6歳児の足ではどうだか。
 そう言えば、療育分室で一緒だった子のうちの一人は、大都市圏であるにもかかわらず、学区が細長くて学校が端にあるため、実際に子供が歩いたら片道40分かかったそうです。学区内ですら、その有様。
 幸い、当家のある学区の小学校は、家からすぐ傍。筆者の足では、家の門から校門まで、徒歩30秒。30分ではありません、30秒です。でもそこから、「通級」をするとなると、ちょっと大変そう。

 幸か不幸か、通教教室がパンク状態のため、本来週1~2回ないし2週間に1回程度が原則らしいのですが、実際には「月に1回あるかないか」なんだそう。それなら何とかなりそう、という考えと、その程度なら効果があまり期待できなそうだから、いっそのこと特別支援学級のほうがいいのでは、という考えが交錯しました。



 一応、またまた発達検査ないし知能検査をしてみましたが、今回は気乗りしなかったのか、80台後半。

 諸々の結果、特別支援学級という選択になりました。


 なお、身体障礙に伴う処置と、配慮事項については、内定後、実際に学校の校長などと調整するように言われます。

 校長などとの調整、と言っても、昼休みなどに処置をするための設備面の話が中心でした。

 校長によると、実は、既に入学している上級生の中に、やはり「膀・直」(はっきりとは聞いていませんが、恐らくストマケアが必要な子だと思います)の女子児童がいるため、女子トイレだけは、既に個室を1つ「拡張」したそうです。拡張と言っても、既存の個室2つをつなげて、便器を1つ撤去したりする感じ。
 そのような児童が入学することになると、教育委員会からも改修工事の予算が付くのだそうで、今後も色々と必要な子が入学する可能性もあるから、「この際、男子トイレも改造してもらいましょう」と、あっさり決定しました。
 ということで、せっかく新しく作るのだから、と仕様の要望を聞かれたため、中で手を洗えるような小さな「洗面台」と、器具を置ける「小物用の棚」を付けてもらうことになりました。このような仕様なら、様々なニーズに対応できそうですし。

 その他、「交流級」についての希望を聞かれました。

 「交流級」というのは、特別支援学級に在籍しつつ、可能な範囲の授業や行事には、一般学級の「一員」として参加するための「副在籍学級」のことです。


 筆者の時代などは、特別支援学級、その当時は「特殊学級」と呼ばれていたと思うのですが、自校の中にあるにもかかわらず、児童・保護者もその存在すら知らない事が多いものでした。むしろ「隠されていた」存在だったように思います。


 現在では、児童の中でもきちんと認知されていて、特別支援学級の児童が交流級に来るのを楽しみにしている子もいるようです。確かに、特別支援学級の児童には、「個性的で面白い」と受け取ってもらえそうな子も少なくないのは確かですが、時代は変わったものだと思います。



 当家の場合は、ちょっと複雑で、単に交流級との関係をどうするか、の他に、交流級を「長女の学級」にするか、違うクラスにするか、というポイントがありました。
 基本的に、どこの小学校でも(1学年1クラスとかの小規模校でもなければ)、双子(以上)ないし1年未満の差の「兄弟姉妹」が同一学年にいる場合、可能な限り(4クラスしかないのに五つ子とかは仕方ないですので)別のクラスにするのが普通です。実際に一卵性双生児の姉を持つ妻もそうだったようですし、筆者の同級生にも何組か双子がいましたが、違うクラスになっていました。

 でも、普段は特別支援学級にいる訳で、純粋な「同じクラス」という訳ではありません。


 そこで、2年生以上に進級したら別でもいいが、1年生のうちは、あえて同じクラスを交流級にしてもらうことにしました。実際に、どれだけ交流級に行けるかは微妙ですが、小さいうちは「行った先に(双子の)姉がいる」というのは、発達障礙児にとってはプラスに働くと考えたのです。

 ともかく、小学校進学に関しては、何とかなりそうな目途は立ってきました。
 しかし、この後、更に高い「小1の壁」が待ち受けていたのです。

 (つづく)