俺は思った、、。












勝つと分かっている勝負なら兄貴の様子を眺めつつ余裕で時間前に流せばいいや!トイレ行くぜ!漫画読むぜ!アイス食うぜ!見知らぬ爺さんと相撲協会について話すぜ!(その間にもチラチラ兄貴を観察したりジャグ打ったり)



そして、閉店10分前まで粘っていたら兄貴はまったく箱を使う様子もない。下皿は遠くて見えなかった。


それを確認して下皿とドル箱を流しにジェットカウンター前へ



少し待っていると兄貴が
中央通路から現れた。



その手には二箱もドル箱が、、。















いやい
や!え、ちょ!?マジで?!クレオフの威力はマジなのか!?あの一瞬で二箱とか、それなんて4号機ですか!?4号機でも不可能ですよね!?



俺は最初めちゃくちゃ焦ったが、よく見ると兄貴のドル箱にはメダルが入ってない。


メダルの代わりに紙パックのジュースのゴミや空き缶なんかが入っていた。(何枚か落ちていたメダルを拾ったのかドル箱に入っていた)

兄貴、、わざわざ自分の周りのゴミを片付けて来たのか、、なんて心の優しい男なんだ。クレオフさえしなければ、まともな人間じゃないか。クレオフなんてやめちまえよ、、。なんでよりによってクレオフにハマるんだよ、、。意味わかんねぇよ、、。夜なのにサングラスかけんなよ、、。(ただの悪口)



兄貴は俺の前に来て店員にドル箱に詰めたゴミとメダルを渡すとサングラスを外し、

兄貴「どうやら、負けたみたいだね、、。《1度も》ペカらなかったよ、、。」









(えぇぇえー、、何してたんだよ、、あんた、、最初から俺の圧勝じゃねぇか。)






ハ「え、えぇ。俺の方は1300枚くらいはあると思います、、。まぁ、、約束通り。これからは無駄なクレオフをやめてくれますよね?」

















兄貴「、、やめたいとは思っているよ、、。」

ハ「、、ん?やめたいとはじゃなくてやめてくれるんですよね?」

兄貴「、、、、。」

ハ「、、、。」(あれ?なんか黙ってしまったぞ?)

兄貴「、、クレオフはね、、。体が覚えてしまって染み込んでいるのさ。だから、意思と関係なく始めてしまうんだ気付くと、、。」












ハ「いや、そういうんじゃなくて







やめてくださいね?(きっぱり)」


兄貴「、、努力するよ。今までも治そうとしたんだけどね、、。腕が勝手に動くのさ、、。」

(厨二病かよ)


ホールの外に出てからも俺と兄貴は話し合い、一時間近く俺は兄貴を説得し。兄貴もようやく

兄貴「やめる、、。うん、、頑張ればやめれる気がしてきたよ。」

ハ「良かった。約束ですよ。」

そう言って俺と兄貴は固い握手を交わした。(ホモォ、、。)

ハ「あ、そういえば俺。まだ名前教えてませんでしたね。俺はハッタンと言います。」


兄貴「、、知ってるよ?」


ハ「、、ん?え?俺の事、知ってるの?なんで?」

これは予想外だ。兄貴は俺の事を知ってるだって?最近知り会ったばっかりだぞ?


兄貴「、、1年くらい前だと思うよ。君はパチンコ台に唾を吐いたお客さんに、ホールの外でバケツいっぱいの水をぶっかけたの覚えているかい?あれは最高に笑わせてもらったよ、、。」






















それ、、俺やん、、。(心当たり有りすぎてドン引きするわ)

いや、確かに、、ぶっかけたわ、、。

確かあれはガルパンのパチンコが導入されて少ししてからだった。

当時、俺の地元で大人気でマイホで空き台がある日がまったく無かった。

俺は早く

みぽりんと戦車道したくて

空き台を待っていたのだ。

すると一台のガルパンが空くのが見えた。サラリーマンだろうか?スーツを着て疲れた顔をしながら、ゆっくり席から立ち上がった。

急いで台を取ろうとした俺が見た物は

ペッ!とガルパンの強化ガラスに唾を吐いた彼の姿だった。


これに、ぶちぎれた俺は怒りの一言を彼に言ってやろうと彼の後ろ姿を追ったんだが彼はトイレの大の方へ入ってしまった。俺もトイレに入って彼が出てくるのを待っていたんだが、彼はウンコしながらケータイで誰かと電話しているみたいだ。そんな時ふと、トイレの洗面台の下にバケツが置いてあるのを発見した。

「お、そうだ。良いこと思い付いた。」

俺はバケツを持ってホールの入り口前にある水道で水を汲んでいると、ウンコタイムが終わり。ご機嫌な顔で彼がホールから出て来た。

俺は急ぎ足で近付き。勢い良く彼の顔に汲んでいたバケツの水をぶっかけてやった。

彼は「あひゃあっ!」とか叫んで、何が起きたか分からない顔をしていたが(スーツはずぶ濡れ)

俺が真顔で

「、、戦車を、、洗車しますってやつだよ、、。」(ちょっと照れつつ)

と言ってやったら


めちゃくちゃ怒られた。殴られそうになった。(危うく警察に連れてかれる所だったんすよ)

俺は逃げた。まともに運動なんぞした事ない身体で逃げた。しばらくマイホから姿を消したんだが(逃げてる間に石を投げられたりしたんすよ)

そうか。水を彼にぶっかけた時に常連客の何人かが外でタバコを吸ってたんだが、あの中に兄貴がいたんだな、、。


兄貴「あれは最高に笑わせてもらったよ、、。結局、水をかけられた奴もホール側に抗議したりしたんだけど、、。前からホールのトイレ壊したり、、ドア割ったりしてたらしいから逆に彼の方が警察にお世話になったって話だよ、、。」


ハ「、、マジっすか。あの後、半年くらいして店長に会った時は店長なんも言わないから知らないんだとばかり思ってましたわ、、。」

兄貴「、、気をきかせて言わなかったんだろうね。店長がハッタン君来なくなったなぁとか言って寂しそうにしてたからね、、。」

(まぁその間、マイホを離れてスロットしなければならなくなってズタボロに負けてたんだよなぁ)

そんな話をした後で二人でコンビニ寄って缶コーヒーで乾杯。その後は

もう一度念を押して

クレオフはしないで下さいね?

と、兄貴に伝えて別れた。(結局、兄貴の事は兄貴と呼ぶ事にした(本人はクレオフ兄貴と呼ばれている事を知らなかった))

















その次の日の出来事である。(早い)

仕事が終わって夜の21時前にマイホに着き。

いつも通りジャーグラでも叩こうとジャーグラのシマへ向かう。

すると、、

アイジャグのシマから聞こえてくるのだ、、。

ドゥンティンドゥンティンと、、。

いや、ありえない、、。昨日、約束したばかりではないか、、。

兄貴がそんな薄情な訳ないじゃないか、、。

きっと見知らぬ誰かがコインを詰まらせたんだよ。だからクレオフボタンを押しまくってるだけなんだ。

俺はアイジャグのシマを見るのが怖かったが思いきって覗いてみると


、、《兄貴》だった、、。

めちゃくちゃクレオフしていた。

立ちすくんでいる俺をよそに

めちゃくちゃクレオフしていた、、。

俺は光の早さで兄貴の背後に回ると、兄貴の肩をガッシリ掴み

ハ「どういう事ですかぁあああ!?アニキィィイ!?」

と、声を張り上げてみた。

兄貴「うわぁあああ!!((((;゜Д゜)))」(糞びびってた)

ハ「兄貴。クレオフやめるって言ってたじゃん!どういう事ですか!」

兄貴「、、すまない。やはり止められないみたいだ、、。」

ハ「いや、まだ一日も経ってねぇーよ!?」

兄貴「、、すまない。ジャグラーを回し始めたら禁断症状の様に腕が震えてね、、。チェリーが取れたら自然と手がクレジットボタンに、、。」

ハ「そこを我慢するんですよ?!」

兄貴「、、我慢、、出来なかったんだ、、。」





俺と兄貴とのクレオフを巡る闘いは、これからなのかもしれない、、。(結局、仲良くなっただけだった)